葬式
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別名はフリーズドライ埋葬法で、遺体をフリーズドライにして、堆肥にして、土に撒くようにして自然に返す。


堆肥葬(有機還元葬)

遺骨の処理法

納骨

分骨

洗骨

散骨

日本の葬儀現代日本の葬式の祭壇の一例 出棺前のお別れに際して、棺桶手紙が添えられる。香典袋の一例
「御霊前」は禅宗、浄土真宗、キリスト教では用いられない。

通夜は古代の(もがり)に発するもので、葬儀の前夜祭の形態をとる。誰かが寝ずの番をして(交代でもよい)、夜明けまで灯明線香の火を絶やさないようにしなければならない。これには魔除けの意味がある。近年では消防署などにより、式場では夜間の火は焚かないよう指導が入ることもあり、都市部の式場では夜通しではなく「半通夜」と呼ばれる形態で、夜は遺族が帰ってしまう場合もある。僧侶などによる葬儀が終わると出棺が行われ、多くの参列者とは別れるのが一般的である。
葬儀の風習

出棺の際に、故人が使っていた属人器であるご飯茶碗を割ったり[11]、座敷を掃き出したり、カゴやを転がしたりする風習が残っている地方がある。地方によっては、埋葬した死霊が付いて来ないよう、火葬場に向かう道と帰り道は同じ道を通らず、一本道で難しい場合であっても可能な限り同じ道を通らないようにする風習がある。逆に同じ道を通らなければならないとする風習の地方もある。

葬儀終了後に「振り塩」と呼ばれる清めを撒く。ただしこれは神道由来の慣習であって、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}死を穢れとみなさない仏教の教義に反するとの考え方が多くなり、元来これを行っていなかった浄土真宗を中心に、近年では行われない場合も少なくない。[要出典]

遺体を安置する場合には、遺体の胸の上に魔除けとして刃物を置き、これを「守り刀」と呼ぶ。武士の社会で刀によって魔を斬るといった意味や、魔物の使いとされていたが光り物を嫌がるため、刀を置くことが魔除けとされたことに由来する。遺体を安置すると、そこに供え物として枕飯、枕団子を供える。枕団子は米の粉(上新粉)などを丸めて作ったもので、数は地域によって差があり、六地蔵六道から六個とする説と、十三仏などからとった13個とする説がある。なくなった日から一個ずつ増やして四十九日までお供えし、49個飾る地域もある。枕飯はご飯を御茶碗に山盛りにして、御箸をさして飾る。

一般に告別式友引の日を避けるが、これは俗に“友を(死に)引かない”よう配慮するためとされる。ただし本来は六曜は仏教とは関係がない、賭け事、勝負事から入って来ており、友引とは「勝負事で友人と引き分ける」という意とされ、陰陽道との混淆に由来する。ゆえに友引の日に告別式を行わない風習は迷信と考えられる。火葬場は友引の日が休業日になっている所が多いが、友引でも休業日でない所も増えている。

墓地など埋葬する場所まで送ることを野辺送りと呼ぶ。一部の地域では、出棺する前に棺をその場で3回回したり、建物を3回回ったりして出棺する「三回まわし」と呼ばれる風習が見られる。また、振り銭・振り餅、葬列時に花籠(竹の籠から割った竹を幾本も垂らし、紙の飾りをつけた物)に銭や餅を入れ落としながら葬列する風習もある。ざるから手で取って撒く場合は撒き銭・撒き餅などとも言う。

なお、同じ日本でも、沖縄県では中国の文化の影響を強く受け、琉球の信仰に基づく葬儀の風習はかなり特異であり(風葬洗骨死亡広告の項も参照)、告別式の前に火葬を行うのが普通である。また東北地方中国地方九州地方の一部でも告別式の前に火葬を行うことが多い(骨葬)。また、事故死や孤独死など遺体の損傷や腐敗が激しい場合、死因が感染症であるために通常の方式では参列者が感染する恐れがある場合、亡くなった場所から遠く離れた場所で葬儀を行う場合など、やむを得ない理由で告別式の前に火葬を行う場合もある。
服飾の慣習

日本における葬儀の慣習として、葬儀は死者との別れを悲しむべき席とみなす考えから、一般に華美な服装は歓迎されず、黒色で光沢のない生地で仕立てた礼服喪服を着用する。日本では葬儀に関わる一連の式(通夜、葬儀、告別式、納骨など)に参列する場合、黒を基本とした服装(正喪服・準喪服・略式)が一般的である。親族は黒や薄墨色の喪服(和装の場合もあるが、近年は男女ともに黒地の洋装が多い)で身を包む。制服を着用する官吏(警察官・消防官・軍人など)、制服の定められている学校に所属する学生・生徒は、それらの制服着用でも構わないとされている。女性の洋装の場合、スカート丈は膝の露出は避け、ストッキングは黒の無地を着用。ヘッドドレスとして黒いベールをあしらったトーク帽を着装する場合、黒の手袋とセットで用いる。なお、近年はパンツスーツも容認されているが、スカートの場合と同じく、膝の露出のないロング丈、靴下の類は黒で統一する。

通夜に関しては、亡くなって間もなく執り行われる場合が多いため、礼装ではない衣服(例:ダークスーツやビジネススーツ、派手過ぎない色味で清潔感のある外出着など)が好ましい。一部地域では通夜も礼装である喪服の着用を促す見解もあるようだが、一般的には通夜の段階で畏まった礼装で赴くことは、故人が存命の頃から葬儀を予期して喪服を用意していたと思われる誤解が生じる可能性があり、失礼にあたるという考えから勧奨されないとする意見もある。

日本で避けるべきとされているもの

毛皮素材・ファー皮革素材
殺生を意味するため。革ベルトや革靴は許容範囲とされる。なお、布貼りの礼装用ハンドバッグやパンプスが市販されている。

結婚指輪を除くアクセサリー類。
モーニングジュエリーとして名高いジェットブラックオニキス、仏教の七宝のひとつに数えられる宝具でもある真珠は一般的に可とされている。真珠は白色の物が多いが、冠婚葬祭のいずれにも対応できる装飾品とされているため葬儀の場でも身につけることが容認されている。ただし、ネックレスは一連のものを用い(二連などの重ね付けは避ける)、イヤリングをつける場合は揺れないタイプのものを選ぶ。ブローチやブレスレットの類は控える。また祝い事に多用される金色の貴金属は忌避されることがある。男女ともに派手なデザインの腕時計は式の間は一時的に外す方が好ましい。

濃い化粧やネイルアート、強い香りの香水類など。

葬儀の形態
直葬

直葬とは、通夜・告別式等々の宗教儀式を行わず、火葬のみを行う葬儀形態のことである。

近年の日本で宗教観が変化したこと、人間関係の希薄化が進んだこと、さらに日本全体の高齢化の進行で、知人友人がすでに他界していたり高齢で葬儀に来られないといった事例が増加したこと、経済的な問題等により、2000年ころから都市部などで直葬が増加してきている。直葬は葬儀費用が平均で約18万円と安価である。NHKが2013年に行った調査によると、関東地方では直葬の比率は高く、葬儀全体の1/5を占めている[12]2019新型コロナウイルスでは、感染のおそれがあれば非透明過袋(バイオハザード対応遺体収納袋、ダブルジップ構造)に入れられ、24時間以内に火葬することができる。

エホバの証人は、葬儀は死者を拝む偶像崇拝とみなすため、葬儀は行わず直葬する。遺骨も偶像とみなすため火葬場で処分する。[要出典]
助葬

助葬(じょそう)とは、行旅死亡人、身寄りのない生計困難者や身元不明の人などが死亡した後、生前の縁者や関係者によって葬儀が行われず、替わって社会福祉事業慈善事業団体、またはNPOなどによって行われる形態の葬儀。ホームレスなどで生活保護などの支援を受けていなかった死者であったとしても、助葬を担う団体や葬儀屋には、火葬から納骨までの費用を、生活保護行政の一つとして、各自治体が決めた定額内で支給され、共同墓地や共同納骨堂遺骨は納められるが、この段階までを助葬と呼んでいる。一方、遺骨を納骨堂に預け引き取り人を待つ場合も少なからずある。

古くは1919年(大正8年)11月に東京で「財団法人助葬会」が設立されている[13]。また19世紀中頃には大陸地域から香港上海や外国へ移住した華僑や労働者などは、同郷の中国人社会で互助活動として助葬が行われていた[14]
各宗教の葬儀
神道

神道での葬儀は神葬祭と呼ばれる。神道では死を穢れたものと考えるため、聖域である神社では葬式は通常おこなわず、故人の自宅か葬斎場で行うことが多い。現在の形の神葬祭は、仏式の葬儀が一般化した江戸時代でも神葬祭を伝えてきた神社での祭式を引き継いでいる。 式の際には、中央の祭壇の脇に遺影を置き、祭壇の奥に置かれたの後方に、銘旗と呼ばれる故人の名前が書かれた旗が立てられる場合が多い。


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