なお、落語家の生活は明治時代から寄席の興行収入の歩合(割)だけでは生活が成り立つことはなく、落語家自身がお座敷やキャバレー、屋形船など酒席での余興から収入を得たり、旅の仕事(地方廻り)をする場合が多く、スポンサー(旦那、お旦)からのお小遣いや妻の賃労働収入をあてにすることもあった。現代も二つ目までは生活が厳しいといわれている。副業・内職・アルバイトの収入源・額はさまざまであり、著名な副業では木久蔵ラーメンをプロデュースして商品・店舗展開を行った林家木久扇の例がある。 高座の模様が収録された記録メディア(レコード・カセットテープ・CD、映像を含むビデオテープ・DVDなど)が市販されており、それを購入したり、ラジオやテレビ等で落語を放送する番組をオープンリールテープやカセットテープ、MD等に録音、あるいはビデオテープやDVD・ブルーレイ等に録画(エアチェック)して収集する。 現在では入手困難な、戦前の落語家たちの名演が聞けるSPレコードを集める者もいる。特に著名なSP盤の収集家としては、のこぎり演奏家としても知られる落語家の都家歌六(8代目)と岡田則夫が挙げられる[25]。2人が集めたSP盤は約4,000枚におよび、日本で発売された落語SPの8割にあたる[25]。2人のコレクションの一部がデジタル化され、2006年(平成18年)には『SPレコード 復刻CD集 昭和戦前面白落語全集』として発売された[25]。8代目都家歌六には『落語レコード八十年史』の著書がある。 レコード化されていない音源なら、演芸評論家で『落語大百科』(全5巻)の著者でもある 川戸貞吉が挙げられる。TBSラジオ「早起き名人会」のアナウンサーを務めた川戸は、学生時代から落語テープを収集し、放送等に限らず、独自に高座での口演を録音し続けた。川戸のコレクションもまた、CDボックスとして発売されている。 その他、司会者として活躍した玉置宏はNHKラジオ第1放送の「ラジオ名人寄席」で席亭(番組進行役)を務めたが、このなかで落語テープの収集家であることが明かされた。「ラジオ名人寄席」の目玉は、落語の歴史に通じた玉置が秘蔵する往年の名人の落語テープが披露され、解説が加えられることで、この企画はマニアックな演芸ファンの人気を博した[26]。しかし、2008年(平成20年)2月10日に放送された8代目林家正蔵(林家彦六)『大仏餅』の音源が、1987年(昭和62年)にTBSラジオ「早起き名人会」で放送されたものであることが判明し、これによりNHKがTBS側に陳謝し、著作権料を支払った[26]。さらに、このような無断使用は、番組が放送されていた12年間でNHK以外のメディアから91演目にもおよぶことがわかり、これに対する著作権料も払っていなかったため、玉置は責任を取って降板、番組も打ち切られた[26][27]。 「『ラジオ名人寄席』での音源不正使用」の件で川戸とともに玉置を告発した草柳俊一は、数多くの落語録音にレコーディング・エンジニアとして従事し、現在は「極楽亭プロジェクト」なる協同蒐集活動を呼び掛けている[28][29]。草柳もまた、落語テープのコレクターでとくにオープンリールにこだわった収集活動をおこなってきた[29]。草柳が集めた落語や寄席演芸の録音は22,000点におよんでいる[28]。草柳の著書(芸能評論家矢野誠一との共著)に以下がある。 落語に関するありとあらゆる資料(書籍・古書・音源・刷物・グッズ・自筆物など)の個人収集家としては次の3氏が挙げられる。
寄席・落語会
寄席(演芸場)詳細は「寄席」を参照
上野鈴本演芸場(東京都台東区上野、無休)
新宿末廣亭(東京都新宿区新宿、無休)
浅草演芸ホール(東京都台東区浅草、無休)
池袋演芸場(東京都豊島区西池袋、無休)
以上4席は、通常落語定席として狭義の「寄席」と呼ばれる。
お江戸上野広小路亭(東京都台東区上野、毎月1-15日)
お江戸両国亭(東京都墨田区両国、毎月1-15日)
国立演芸場(東京都千代田区隼町、毎月1-20日)
天満天神繁昌亭(大阪市北区天神橋、無休)
大須演芸場(名古屋市中区大須、毎月1-7日)
横浜にぎわい座(横浜市中区野毛町、毎月1-16日)
神田連雀亭(東京都千代田区須田町、基本無休)
魅知国定席 花座(宮城県仙台市青葉区一番町、基本無休)
おもな落語会
東京落語会(NHK・落語協会・落語芸術協会共催)
紀伊國屋寄席(毎月1回、紀伊國屋書店、紀伊國屋ホール)
落語研究会(毎月1回、TBS主催、国立劇場・小劇場)
三越落語会(隔月1回、三越百貨店、三越劇場)
朝日名人会(毎月1回、朝日新聞主催、有楽町朝日ホール)
新にっかん飛切落語会(隔月1回、日刊スポーツ主催、会場不定)
日暮里サニーホール落語会(毎月1回、荒川区芸術文化振興会主催、日暮里サニーホール)
ねぎし三平堂落語会(毎月1回、ねぎし事務所、ねぎし三平堂)
上新庄えきまえ寄席(毎月1回、春日神社(大阪市東淀川区)、春日神社集会所2階)
上方落語勉強会(毎年数回、米朝事務所、京都府立文化芸術会館)
島之内寄席(毎月1回、上方落語協会主催、トリイホール)
渋谷らくご(毎月第2金曜から5日間、渋谷ユーロスペース)
録音・録画の収集
CDボックスセット 川戸貞吉(撰)『古典落語の巨匠たち・寄席の噺・ホールの噺』第一期・第二期(ゲオ)
矢野誠一・草柳俊一(共著)『落語CD&DVD名盤案内』大和書房、2006年
4代目桂文我(落語家[30]。)
岡田則夫(前出。演芸史研究家[31]。SP盤はじめコレクションは多種にわたる)
前田憲司(演芸史研究家。上方演芸資料が中心)
落語のネタが元になった作品および落語を題材にした作品[疑問点 – ノート]
落語のネタが元になった作品
映画
映画 落語長屋は花ざかり 1954年 監督:青柳信雄
映画 夏祭り落語長屋
映画 落語長屋お化け騒動 1954年 監督:青柳信雄
映画 幕末太陽傳 1957年 監督:川島雄三