日本では、明治中期頃より古紙が原料の塵紙とパルプが原料の落とし紙や京花紙などが主に用いられていた[要出典]。また、明治時代末からは巻き取り型のトイレットペーパーも使われ始めたが、当時は舶来品が占めていた[10]。それでも、そういった変化は都市部での話で、農村部では、大正時代の頃まで木の葉や藁のほか、古来の籌木が用いられ続けていた[2]。
日本で最も早い時期に巻き取り型のトイレットペーパーを発売した企業は、紙の博物館によれば、記録の残る限りで、神戸市内にあった貿易商の島村商会(嶋村商會)である[10]。1924年(大正13年)、島村商会は高知県の工場に原紙の製造を依頼し、同商会がトイレットペーパーに仕上げた上で外国汽船などに納入していた[10]。
上下水道整備の進捗に伴い、1955年(昭和30年)前後から便所の様式が「汲み取り式」から「水洗式」へ「和式便器」から「洋式便器」へ変化し、合わせて巻き取り型のトイレットペーパーの生産量も増加した。使用量は2008年から2011年で、日本人一人あたり年間およそ8キログラムと推算[11]されるほど生活必需品で、非常時に備えて平時の備蓄が望まれる。2020年に日本で流通する97%は日本産であり、原材料も日本で調達される自給率の高い製品である[12]。
設置
紙巻器壁でなくドアに設置
専用什器の紙巻器などで設置する。
2個横向きに並列配置した2連紙巻器は紙切れの不便解消[13]などに配慮した商品で、公共施設などで設置が見られる縦に2巻配する什器は使用済み芯紙を取り除いて新たな1巻を使用する。「トイレットペーパーの向き」も参照
三角折り三角折り、2個配置
巻き始めの先端を三角形に折る事例は、日本では三角折りと俗称する者も見られ、アメリカの消防署で緊急出動受令時に用便中でも迅速な対応を目した「ファイヤーホールド」に由来[* 5]するなど様々語られており、ホテル、劇場、店舗など公共の場所で散見[* 6]される。 日本では、鉄道駅のトイレ入り口などを中心に自動販売機が設置されている場合があるが減少傾向にある[14]。 巻き取り型のトイレットペーパーは、通常は便所個室内で専用什器に装着して使用するため規格化が必要であるが、国情によりロール径や幅が若干異なる。また、トイレ、排水設備、管路等の詰まりや堆積物等の問題を回避するために、ほぐれやすさ(分解性)まで規格化されている国・地域もある[6]。 日本では、紙パックなどさまざまな再生パルプを多く用いて、およそ4割が静岡県で製造され、「ティシュペーパー及びトイレットペーパー」として家庭用品品質表示法の適用対象で雑貨工業品品質表示規程 市販品は、JIS規格で1ロールの長さが27.5、32.5、55、65、75、100メートル、許容差+3と公定されているが、量販品は60メートル巻きが多い。また、紙の幅は114mmで誤差±2mm、芯の内径は38mmで誤差±1mm、ロール直径は120mm以下と決まっているが、コストダウンやエコのため105mmなどに幅を落としている商品がある。[16] 公共用途の業務用は一巻あたり150から210、最大500メートルと高頻度需要に適応しているが、1巻重量は最大1?2キログラムで軸が鉛直方向の専用大型什器に装着する交換頻度低減を目する製品である。 また、日本では1993年(平成5年)からJISにトイレットペーパーのほぐれやすさ試験(分解性試験)が付加された。 カナダでは、トイレクリーナーなどトイレに流せると表示された紙製品等によって、トイレ、排水設備、管路での詰まりや、堆積物、スクリーンかす、汚泥の処理費が増大した[6]。そのため、2014年1月、カナダは ISO/TC224(上下水道サービス運営規格検討委員会)に対して「トイレに流せる製品」 の規格化を提案した[6]。 ドイツは、水洗便所にトイレットペーパー以外を流してはならないとしており、ISOでの規格化に反対している[6]。また、日本では、日本下水道協会が ISO原案のほぐれやすさ試験(分解性試験)の基準が JIS P 4501 より著しく緩くなっている点について問題を指摘している[6]。
自動販売機
規格
JIS
ISOでの規格化の動き
脚注[脚注の使い方]
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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