華麗なる一族_(2007年のテレビドラマ)
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慶應義塾大学経済学部卒業。先代で父の万俵敬介が創立した阪神銀行を全国第10位の都市銀行にまで発展させ、同じく先代が設立した万俵鉄工を近代的設備を備えた阪神特殊製鋼へと発展させた。また、阪神銀行、阪神特殊製鋼など十数社を傘下に持つ万俵財閥の総帥でもある。しかし、自宅では妻・寧子と愛人・相子を同居させ“妻妾同衾”という放蕩な生活をしており、晩餐の時に隣の妻の席に座った者がその日、大介と一夜を共にするのが大介・寧子・相子の暗黙の了解となっている。これは自宅だけでなく旅行先でも同じ。大蔵省が進める金融再編を前に「小が大を喰う合併」を成し遂げ、阪神銀行を守り抜く為にあらゆる手段を画策する。息子の鉄平が敬介の子ではないかという疑念から、鉄平に冷たい態度をとり続け、次男・銀平に後継者としての期待をかける。また、大介自身、父のカリスマ性を受け継げなかったと感じており、より地道な経営を心がけてきた自覚があっただけに、自分より色濃く敬介譲りの才覚を感じさせる鉄平に経営者として一種の嫉妬を感じていたことも、大介と鉄平の相剋をより激しいものとしていた。阪神特殊製鋼の倒産後、鉄平に「お前は爺さんの子」と前置きをした上で、「理性では愛そうとしたが感情が許さなかった。これが我々の逃れられぬ宿命だ」と告白し[注 4]、決定的に鉄平を絶望させた。しかし鉄平の死後、検死報告から鉄平の血液型がB型であり、父・敬介の子ではなく自分と寧子の実子だと判明し、今までの鉄平への態度は寧子の体を奪った敬介への憎悪から、鉄平を勝手に不義の子と思い込んだ八つ当たりでしかなかったことを思い知らされ、彼の棺の前で泣き崩れた。
万俵 早苗(まんぴょう さなえ)〈30〉
演 - 長谷川京子鉄平の妻。元通産大臣・大川一郎の娘で、閨閥結婚で万俵家に嫁いできた。夫・鉄平との間には長男・太郎を儲けるなど、元は大介と相子の策略による閨閥結婚であったが良好な夫婦関係を築いている。しかし、万俵家に漂う異様な雰囲気に嫌悪を感じている。鉄平が万俵家を出るとき、太郎を連れて実家に帰るよう諭されたが、最後まで鉄平についていった。鉄平が自殺する前にかけてきた電話で息子・太郎の言葉(鉄平の「お前は強い子になるんだぞ」の言葉に「うん!僕、強くなる!!」と元気よく返事をしている)に違和感を覚え「あなた、今どこですか」と優しく語りかけるが、「早苗…メリークリスマス」と返され、これが夫との最期の会話となった。鉄平の死後、大川家に帰った。
万俵 太郎(まんぴょう たろう)〈4〉
演 - 荒木崇秀鉄平・早苗夫妻の長男で大介・寧子の孫。両親の愛を一杯に受け、のびのびと育った。鉄平の葬儀において、阪神特殊製鋼の電気炉から煙が昇る様子を大介に見せられた。その姿に参列した家族は感動するが、相子だけはそれまで自分同様に鉄平を否定していた大介の変化を受け入れられず、顔をしかめた[注 5]
万俵 銀平(まんぴょう ぎんぺい)〈31〉
演 - 山本耕史大介の次男。父と同じ慶應義塾大学経済学部卒。阪神銀行本店営業部貸付課長で、将来の阪神銀行頭取候補。端麗な容姿と明晰な頭脳を持つが、万俵家の空気を前に諦観気味の精神を持ち、万俵一族の行く末をまるで傍観者のように見つめている。父・大介の手腕には決して敵わない、と常に諦観しつつ、大介の傍で片腕をつとめる。兄・鉄平については、自分に無いものを持っている人物として尊敬しており、慕っている。ゆえに、鉄平の高炉建設を応援し、敵わないと思っていた父に、兄ならば勝てるのでは、と万俵家の未来にも期待をしていた。それだけに、爆発事故が起こった後、自棄酒を煽って鉄平の前に現れ「何で爆発事故なんか起こすんだよ」と詰め寄った。この出来事以降も飲酒してから自宅に帰ることが多くなり、行状を咎めた相子に対しては「飲まないとやってられない」と返していた。母・寧子には息子らしい感情を持っている。鉄平の自殺に際し、棺を前に大介に対して「兄さんを殺したのは、僕と父さんだ」と思いを語り、その後阪神銀行を退職。大介が東洋銀行設立記念パーティーに出席する中、自らは一子達に大介が銀行家としての精神を見失い、ただ銀行を大きくすることに走ったため、いずれは転落するだろうと語った。
万俵(安田) 万樹子〈24〉
演 - 山田優大阪重工社長の令嬢で、後に銀平の妻となる。大学時代に妊娠し、宝塚の病院でその子を堕ろした経験を持つ。銀平は万樹子に愛はなく、結婚生活は冷めたものであった。また義父・大介と高須相子の関係や歪んだ万俵家の秘密を知ってしまい、万樹子も相子と大介の仕掛けた閨閥結婚の犠牲者になる。銀平の子を妊娠するが「堕ろしてくれ」と言われてしまったため、飲酒を重ね流産をした。その後、万俵家に嫌気が差し、実家に帰った。実家へは閨閥の維持を図った相子が連れ戻しにやって来るが、戻ることを断った上で、とある銀行の頭取が愛人問題発覚により辞任するのを報じる雑誌の記事を見せて「こんなことにならないよう、あなたもいずれ捨てられるのかしら」と言い放った。
美馬 中〈44〉
演 - 仲村トオル一子の夫で大蔵省主計局次長。東京大学卒業。大介の娘婿として大蔵省の情報を大介に提供している。一子との結婚生活は冷え切っており、大介の愛人である相子に言い寄るといった行動もとる。最終的には銀行局長に昇進するが、永田大蔵大臣により富国銀行に東洋銀行を吸収合併させるよう命じられ、結果的に大介を裏切ることとなる。立場上永田の命令に逆らえないとはいえ、大介を裏切ることへは罪悪感を抱いていたためか、東洋銀行設立記念パーティーに出席した際には、何食わぬ様子で笑顔を振りまく永田に隠れて大介に向かって神妙な表情を浮かべ、そこから何らかの「無言のメッセージ」を感じ取った大介は表情を硬くする。
美馬 一子〈29〉
演 - 吹石一恵大介の長女で中の妻。中との間に長男・宏を儲けるが、愛の無い結婚生活を耐え忍んでいる。自分自身が不幸せな結婚生活を送っている為、妹の二子と一之瀬四々彦の交際が発覚した折は、却ってこの交際を応援している。一子と美馬中の結婚は、大介と相子が最初に企んだ閨閥結婚である。美馬との生活に嫌気がさし、実家の万俵家に帰ってきた。
美馬 宏〈5〉
演 - 澁谷武尊一子と中の長男で大介・寧子の孫。鉄平、銀平、二子の甥で太郎とは従兄弟。
万俵 二子〈22〉
演 - 相武紗季大介の次女。昨春大学を卒業し、花嫁修業に専念している。兄・鉄平と同じく大介と相子の関係は許容しておらず、相子に嫌悪感を募らせる、芯の強い女性。一之瀬四々彦と密かに交際しており、鉄平も交際を喜び応援しているが、阪神特殊製鋼の倒産を避けるため、佐橋総理の甥との婚約を決意し、一時は四々彦と別れた。しかし、鉄平の死と阪神特殊製鋼が大介によって売却されることを機に、四々彦の元に戻り、鉄平の写真の前で四々彦とアメリカへ行く決意を話した。万俵四人兄妹の中で、大介と相子による閨閥結婚に巻き込まれず、自分の道を歩むことが出来た唯一の人物。
万俵 寧子〈54〉
演 - 原田美枝子大介の妻で、鉄平、銀平、一子、二子の母。O型。高須相子に家事万端を仕切られており、屈辱的な生活を強いられている。華族公家・嵯峨子爵家)の出身で、万俵家より貧乏華族でもいいからとにかく華族から妻をもらいたいということから、巨額の結納金と引き換えに家を救う為、万俵家の大介の元へ嫁いだ。これも閨閥結婚であった。華族出身のため家事・執事に疎い上に内気な性格が災いし、高須相子が家内を取り仕切るようになってからは、正妻とは名ばかりの有名無実化している。子供たちへ抱く母親としての愛情は格別であるが、鉄平に対しては彼が敬介の生き写しのような姿を見せた際に、逃げ出さずにはいられなくなるほど怯えてしまう。それは、かつて入浴中に浴場へ入ってきた敬介に体を奪われたことがトラウマとなり、それから数十年経ってもいまだ変わらず、この時だけは恐怖が愛情さえをも塗りつぶしてしまう。鉄平の死後、彼が大介との子供と知った時は、今まで夫と相子から受けた仕打ちと鉄平の無念を晴らすかのように「鉄平さんは…あなたの子供だったんです!」と今までにない形相で迫り、号泣した[注 6]。しかし、今までの仕返しを目論み性格が豹変することなどはなく、それどころか家を出る直前の相子に今までの感謝と、傷心の夫を生涯支え続けるとまで言っており(寧子の場合、離婚したところでいく宛も帰る場所もないということもある[注 7])、万俵家による閨閥結婚の最初の犠牲者だったが、大介への愛は早苗と同様、彼とは正反対に本物だったことがこちらも鉄平の自殺により証明された。
高須 相子〈39〉
演 - 鈴木京香[2]大介の執事愛人。15年前に万俵家に家庭教師としてやって来る。学生時代にアメリカに留学し、そこで結婚・離婚を経験するなど不遇な人生を歩んできた。しかし、万俵家に入り込んでからは、人並み外れた政治力で大介の妻・寧子を差し置いて万俵家を仕切るなど、一族内で絶大な力を発揮する。大介がその勢力を拡げるために、息子や娘を政財界の有力な人物と結ばせる政略結婚のアイデアも生み出した。相子と大介の間に子どもはいない。阪神銀行と大同銀行の合併成立の後、大介に手切れ金を渡され、万俵家を後にする。
万俵 敬介
阪神銀行の興祖。大介の父であり、鉄平、銀平、一子、二子の祖父。A型。英雄の気質を持つ情熱的で積極性のある技術者だったが、それゆえに豪放で好色である。料亭「つる乃屋」の女将・鶴田志乃との間にも娘・芙佐子を作り、正妻との間には大介と石川正治の妻である娘を作る。彼の情事が、万俵家に漂う怨念の元凶として暗い影を落とす事になる。万俵家の大広間には彼の肖像画が飾ってあり、その容貌は白髪交じりの髪の色と口元の髭以外、鉄平に酷似。なお、大介の父親ではあるが、劇中で大介は基本的に晩年の敬介に対して用いていたと思しき「爺さん」の呼称を用いている。
将軍
万俵家の庭の池の主である金色の巨大な錦鯉。鉄平の祖父・敬介が手を叩いた時にのみ現れ、大介が手を叩いても現れない。大介が祖父に酷似している鉄平に試しに手を叩かせると現れたので、鉄平が敬介の子であると確信し「やはりお前は、爺さんの…」と呟いた。それ以降、親子の確執と悲劇が始まったが、所詮は大介1人の勝手な妄想だった。最終回で鉄平が悲しみと怒りをぶつけて石を投げつける。鉄平の死後、後を追うように逝く。
料亭つる乃家
鶴田 芙佐子〈32〉
演 -
稲森いずみ東京麻布の料亭「つる乃家」の老女将・鶴田志乃の養女。昔、鉄平とは恋仲だったが、相子の圧力を受け、鉄平と別れ7年間海外に行た。もう二度と戻らないと決心していたが志乃が体調を崩したため帰国。鉄平への思いは今なおあるが、鉄平が結婚していることを知り、鉄平に冷たい態度をとる。鉄平とは腹違いの兄妹と思われていたが、実際には叔母・甥の関係[注 8]
鶴田 志乃〈59〉
演 - 多岐川裕美「つる乃屋」を営む老女将。必死に養女の芙佐子を育ててきた。しかし、芙佐子が鉄平と付き合っていると聞いた時はなぜか猛反対して二人を別れさせた経緯がある。そのわけを言うのを長くためらっていたが、死の間際遺言で芙佐子は実は養女では無く、自分の子供で鉄平の祖父で大介の父・万俵敬介の間に身ごもった存在だったことを明かす。第7話で胃癌のため死去。鉄平と敬介を見間違えることがある。
阪神特殊製鋼
一之瀬 四々彦〈26〉
演 -
成宮寛貴一之瀬工場長の一人息子で、阪神特殊製鋼社員。鉄平のことを心から尊敬している。鉄平と同じ東京大学工学部冶金学科(現・マテリアル工学科)に進み、卒業後はマサチューセッツ工科大学へ留学した経験を持ち、東大在学中から鉄平を慕っていた。上司である鉄平の妹・二子とは大学時代から付き合いがあり、大学を卒業した二子に好意を抱かれる。後に二子とは密かに交際をすることに。鉄平にアメリカ行きを勧められ二子とともにアメリカへ立つ。
一之瀬工場長〈58〉
演 - 平泉成阪神特殊製鋼業務担当常務、兼工場長で四々彦の父。
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