菜の花
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2012年の菜花の収穫量は日本全国で約5,222トン (t) で、主産地は千葉県が1,958 t、徳島県が1,248 t、香川県が725 tであった[1]

2 - 3月だけ出回る旬を残す野菜だったが、予冷技術により出荷時期が延びてきている。また、寒咲花菜のように初冬から出荷されるものもある。

現代の日本では、菜種油採取用のアブラナ畑はあまり見られなくなったが、その他のアブラナ属の野菜も黄色い「菜の花」を咲かせるため、その種子採取用の畑が菜の花畑として親しまれている。

千葉県では早春のアブラナのほかに野菜類(カブハクサイ)が、青森県横浜町では油用のセイヨウアブラナ、信州の菜の花畑はノザワナがそれぞれ5月に開花する。飯山市では連休中に見ごろとなるよう、ノザワナの播種日を調整している。
文化

菜の花は身近な春の光景として親しまれてきたため、文学や言葉に登場することも多い。文学作品などに登場する菜の花は、明治以降は栽培が拡大したセイヨウアブラナが主体と見られる。
菜種梅雨
春雨前線が停滞する頃の雨の多い時期、ないしその雨を指す言葉。気象庁がその時期を明確に定めているわけではないが、主に3月半ばから4月前半にかけてのぐずついた天気を言う。この時期には、関東南部から九州にかけてアブラナが開花している事から名付けられた。ただし、いわゆる6月下旬から7月中旬梅雨で起こるような激しい豪雨になる事は比較的少ない。辛島美登里の曲。やまとなでしこ東芝EMI TOCT-24943)に収録されている。NHKみんなのうたでもおなじみの曲である。
菜種月
春先によくみられる、かすみの掛かった月、おぼろ月
俳句
菜の花は晩春の季語である。与謝蕪村(1716-1783年)は、菜の花(堀田満によれば、在来種アブラナ)をいくつもの歌に詠みこんでいる菜の花や 月は東に日は西に菜の花や 鯨もよらず 海暮ぬ菜の花や 摩耶を下れば 日の暮るる (「摩耶」とは六甲山系の摩耶山のことと考えられる。眼下は神戸の海)菜の花を 墓に手向けん 金福寺

なの花にうしろ下りの住居かな(一茶

菜の花の遙かに黄なり筑後川(夏目漱石
山村暮鳥「風景 純銀もざいく」詩碑(群馬県高崎市上毛野はにわの里公園内)
小説
菜の花の沖-- 菜の花栽培が盛んな淡路島を舞台とする司馬遼太郎の長編小説。司馬遼太郎の回忌の名「菜の花忌」は、この小説に由来する。

山村暮鳥1915年の作品「風景 純銀もざいく」で、「いちめんのなのはな」という言葉を淡々と連ねるという、平易ながら斬新な手法で風景を表している。
唱歌
「菜の花畠に入り日薄れ」と歌い出される「朧月夜」は長野県永江村(現・中野市大字永江)に生まれた高野辰之が作詞した。中野市や飯山市を含む長野県北信地方一帯では江戸時代から菜種(アブラナ)が主要な換金作物として栽培されており、一面に広がる菜種の花の記憶が詞のモチーフになったと想定される。昭和30年代以降、菜種油の需要が減ると菜種の作付けは激減し、一時は黄色い絨毯を敷き詰めたような景色はほとんど見られなくなったが、近年は観光用にノザワナを大規模に栽培して「朧月夜」で歌われた情景を再現している。
料理
炒り玉子を菜の花にみたてた「菜種あえ」、「菜種焼き」など
県花
千葉県
切手


1980年(昭和55年)10月1日発売 40円普通切手 菜の花とモンシロチョウ

1990年(平成2年)4月27日発売 62円 ふるさと切手 花・千葉・ナノハナ

2009年(平成21年)12月1日発売 50円と80円 ふるさと切手 ふるさとの花シリーズ第5集

名所


マザー牧場(千葉県富津市)

利根川河川敷(埼玉県加須市)

浜離宮恩賜庭園(東京都中央区)

鬼怒グリーンパーク(栃木県塩谷郡高根沢町)

飯山菜の花公園(長野県飯山市)

四万十川河川敷(高知県四万十市)

ギャラリー
アブラナ属

アブラナ

アブラナの花壇(汐留)

観光資源を兼ねた栽培(岩木山)

セイヨウアブラナ(ドイツ

アブラナ

ワイルドマスタード

ラパ原種(オランダ)

ブロッコリー

ケール(オランダ)

ハボタン

クロカラシ(図譜)

カリフラワーは例外

カラシナ(インド)[1]
その他の属

ダイコン

ハマダイコン

脚注[脚注の使い方]^ a b c d 菜の花と食用にするナバナの違いについて教えてください。 農林水産省、2017年2月10日閲覧。
^ a b c d e f g h i j 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 38.
^ a b c dカルストの大地に菜の花満開 中国・雲南省 asahi.com、2017年2月10日閲覧。
^ 文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
^ 厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2015年版) (PDF) 」
^ a b c d e f g h 主婦の友社編 2011, p. 124.
^ a b 講談社編 2013, p. 50.
^ a b c d e f g h i j k l 主婦の友社編 2011, p. 125.
^ a b 講談社編 2013, p. 51.
^ a b c 猪股慶子監修 成美堂出版編集部編 2012, p. 39.
^ 金子美登・野口勲監修 成美堂出版編集部編『有機・無農薬 家庭菜園 ご当地ふるさと野菜の育て方』成美堂出版、2011年4月1日、124頁。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 978-4-415-30991-0。 
^ a b c d 主婦の友社編 2011, p. 127.
^ 主婦の友社編12011, p. 127.

参考文献

猪股慶子監修 成美堂出版編集部編『かしこく選ぶ・おいしく食べる 野菜まるごと事典』成美堂出版、2012年7月10日、38 - 39頁。ISBN 978-4-415-30997-2。 

講談社編『からだにやさしい旬の食材 野菜の本』講談社、2013年5月13日、50 - 51頁。ISBN 978-4-06-218342-0。 

主婦の友社編『野菜まるごと大図鑑』主婦の友社、2011年2月20日、124 - 127頁。ISBN 978-4-07-273608-1。 

関連項目

なばなの里

外部リンク

相馬博士の作物百科 ⇒
アブラナ、菜種、なばな、菜の花、油菜

道明寺天満宮・菜種御供大祭

菜の花きいろ - ウェイバックマシン(2005年3月17日アーカイブ分) 作詞&作曲&歌&ウクレレ:蜂谷清香

ウィキメディア・コモンズには、アブラナ属に関するカテゴリがあります。

ウィキクォートには、菜の花に関する引用句があります。


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