荒らし
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ネット荒らしが生じる原因としては、インターネット上のコミュニケーションに匿名性があり心理学的に人を凶暴にさせやすいこと[4]、文字だけであり論理が強調され感情を和らげる要素に乏しいこと、送信ボタンを押せば簡単に送信できるため頭を冷やしたり再検討する時間が与えられないこと、「人間は自分が見たいと思うものを見る」という性質により悪意に取ってしまうことなどが指摘されている[5]

心理学的には、ネット荒らしを行う者は、社会的孤立との統計学的相関関係が強いことが指摘されており、他者への加害傾向やダークテトラドとの相関も強いとされる[1]。すなわち、ダークテトラドに含まれる4つの特性(マキャベリズム傾向・サイコパシー傾向・自己愛性傾向およびサディズム傾向)が強い者[注釈 1]ほどネット荒らしを行いやすいとされ、かつ、社会的孤立の強さはこれらの各特性(ただし自己愛性傾向は除く。)と相互作用を生じさせ、荒らしの行いやすい傾向を増幅させる関係にある[2]

また、セルフコントロール能力が低い者が荒らしを行いやすいとされる[2]
荒らしの犯罪性

悪質性が高いものと判断された場合は、犯罪電子計算機損壊等業務妨害罪脅迫罪名誉毀損罪など)として刑事事件に発展する場合もある[注釈 2]

この節には独自研究が含まれているおそれがあります。問題箇所を検証出典を追加して、記事の改善にご協力ください。議論はノートを参照してください。(2022年1月)

かつて掲示板荒らしの権化と呼ばれた「アリス・リデル」[7]は自著[要文献特定詳細情報]の中で、「最も迷惑かつ最も犯罪となりにくい行為」と呼んでいる。
対処法

上述のとおり、荒らしは個人の攻撃性を反映した問題行動の一種であるため[2]、攻撃行動の生起メカニズムである、「敵意の知覚」、「怒り」、「憎しみ」等の敵対的感情の喚起メカニズムを解明することが荒らしの防止につながる可能性がある。また、性格特性のみならず、社会経済的要因等も含めた対策が必要となると考えられている[8]

他方で、個人の生来的な性格的特性に関わらず、その時点における機嫌が荒らし行動を招来するとの研究報告もある。したがって、荒らしを抑制する方法としては、討論の状況を平穏に保つことが考えられる[9]

一般的な荒らしに対しては、正面から反応することや、対策を取った後で荒らしを煽ることは逆効果とされる。掲示板の管理者による荒らしの対応法としては、ログを保全し、無言で荒らしを消去し、特定のリモートホストやプロキシサーバを経由した書き込み、「NGワード」を含む投稿を一切禁止するなどの対策を講じたうえで、一時的な掲示板の停止などにより荒らしが去るのを待つ方法が取られる。再開時にURLを変更することもある。スクリプトキディが繰り返し荒らしている場合には、よりセキュリティの高い掲示板システムへの変更が行われることもある[10]

電子掲示板などでは、荒らし対策のため、予めプログラムによって禁止用語の設定、アクセス制限、連続書き込みの禁止などの対策がとられる[11]
脚注[脚注の使い方]
注釈^ ただし、これらの特性が強いことは、当該個人が「邪悪」であるということを意味しない。そもそも「特定の個人は邪悪である」という考えは危険であることに留意する必要がある[6]
^ お笑い芸人であるスマイリーキクチの公式ブログのコメント欄を荒らした者が脅迫罪および名誉棄損罪で摘発されている(スマイリーキクチ中傷被害事件)。

出典^ a b 増井啓太 2018, p. 89.
^ a b c d 増井啓太, 田村紋女 & マーチ 2018, p. 608.
^ 増井啓太, 田村紋女 & マーチ 2018, p. 603.
^ ショウ 2019, Kindle版、位置No. 1782/4368.
^ 碓井真史. “ ⇒ネットではなぜ激しい争いが起こるか 掲示板荒らし、ネット上の非難中傷”. 心理学総合案内 こころの散歩道. 2022年1月10日閲覧。
^ ショウ 2019, Kindle版、位置No. 491/4368.
^ “アリス・リデル”. 掲示板荒らしの悪行まとめ@ウィキ. 2017年2月24日閲覧。


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