草野心平
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2003年(平成15年)4月、草野心平生家が一般公開された[26]

墓石は、福島県いわき市小川町上小川の常慶寺にある[27]
家族

心平は5人きょうだいの3番目で、9歳上の姉、4歳上の兄、1907年生まれの妹、1910年生まれの弟がいる[1]

兄の民平は1916年(大正5年)1月に結核性カリエスのため16歳で東京で死去した[1]。姉の綾子も同年8月に腸チフスのため22歳で死去している[1]。心平は兄の遺していた詩稿に影響を受け詩作を始め、1923年(大正12年)には自筆の謄写版刷りで兄との合著詩集『廃園の喇叭』を刊行している[2]

1910年(明治43年)2月に東京小石川区林町で生まれた弟の天平も詩人で、1952年(昭和27年)に肺結核のため42歳で死去した[1][16]
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出典検索?: "草野心平" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2024年1月)

初期の作品を除くと、ほとんどの詩において、文末に句点が用いられている。そのかわりに読点はほとんど使われていない。『第四の蛙』から『侏羅紀の果ての昨今』まで新仮名を採用していたが、それ以前と以後は旧仮名である。

「蛙の詩人」と俗に言われるほどに、生涯にわたって蛙をテーマとした詩を書き続けた。この分野では、蛙の鳴き声がさまざまなオノマトペで表現されている一方、いくつかの前衛的な試みが行われている。たとえば「冬眠」を構成するのは黒丸1文字のみである。また、「Nocturne. Moon and Frogs」「天気」などでは絵画的な手法が用いられている。

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                      」

蛙について心平は『第百階級』のあとがきで「僕は蛙なんぞ愛してゐない!」と叫んだことがあった。実際、蛙についての詩作をやめようと思ったこともあったと詩集『第四の蛙』の「覚え書I」にはある。1948年(昭和23年)に『定本 蛙』を出したいきさつについて、「もう蛙も年貢の納めどきだろうから」と語っている。しかしその後も心平は蛙の詩を書くことを止めなかった。

『第四の蛙』の最初の後書きである「覚え書I」は1961年(昭和36年)1月に書かれた。すぐに出版されたわけでなく、蛙に関する詩を作り続けた結果、同年10月に「覚え書II」を残すことになる。詩集では、最初の覚え書と2番目の間に8篇の詩が書かれている。その後も蛙の作品をいくつか作り、結局、「覚え書III」「覚え書IV」を入れて、ようやく1964年(昭和39年)に出版された。出版によって「一応の終結」(「覚え書IV」)をみせたと語りながら、「III」の中では再び蛙の作品を書きたくなったと告白している。「IV」においては、蛙の詩に「終り」をつけようとしながら、一方で「蛙に関する詩がこれで終ったとは言い切れないような気がする」とも書いている。そして、蛙のモチーフはこの後、『こわれたオルガン』や『太陽は東からあがる』などにも現れ、最後の詩集『自問他問』にも2編の詩がある。「かへるのコはかへる」「性・性」である。

この生物に関する詩集を4冊(『第百階級』『蛙』『定本 蛙』『第四の蛙』)残しているが、蛙の詩群は、心平の詩作品の全てではない。富士山をはじめとした山についてのもの、海に関するもの、シルクロードを扱ったもの(詩集『絲綢之路』はこれを集めたもの)もある。身辺雑記に属するものもかなり書かれているが、中原中也の訃報に寄せた詩篇「空間」(『絶景』所収)では、「地球」という言葉を用いて、作者(あるいは語り手)が冷酒を飲む詩「豊旗酒」(『乾坤』所収)では、「八岐大蛇」「古事記」「富士(山)」という言葉を配置している。

富士山は心平の詩句に頻出し、これを題材とした詩集『富士山』も編んでいる。1940年(昭和15年)から富士についての詩を発表しはじめた。同じ年、南京に渡り、以後数年間この地を中心に創作活動に従事する(「作品第壹」では本文中で、「作品第拾参」では注釈のなかで、実際の山を見ているわけではないことが示されている)。1943年(昭和18年)に、17篇をまとめて『富士山』として昭森社から刊行する。その後も、折に触れて富士にまつわる詩を発表した。『大白道』『日本沙漠』『牡丹圏』『天』におさめられた9つの詩篇は、『草野心平詩全景』(1973年〔昭和48年〕)において、作品番号が振られ、26の連作詩集『富士山』の一部となった。これとは別に、1966年(昭和41年)には岩崎美術社から同名の詩集を刊行している。18の詩篇から成り、先の26篇と重複するものはない。

心平が蛙と同様、生涯にわたって追い求めた「富士山」は、やはり最後の詩集にも登場する。「何何富士」という詩では、富士山が唯一無二であるという前提の下、「富士」という名のつく山を皮肉りながらも、それぞれの山の美しさや独自性などを讃美しようとする。

また「天」という言葉もよく現れ[注釈 3]、この言葉を題名にした作品も少なくない(「天のベンチ」「猛烈な天」「空気天」「宇宙天」など)。

「コウノトリの。
鳴き声の。
あと。
音なく。
一切なく。
ここは地球の。ドまんなか。

動かない。
天の。
戸鎌の。
月。
「夜景」から」

昭和30年代を除けば心平は多作な詩人であり、『第百階級』以前にも1923年(大正12年)から1925年(大正14年)にかけて8冊の詩集が編まれている。1973年(昭和48年)には、それまでの詩業の大部分をおさめた『草野心平詩全景』が筑摩書房から刊行されたが、その翌年から同社の協力の下、1年に1冊のペースで詩集を出版する企画がスタートした。


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