草尾毅
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熱血系の主人公、美形な青年役を中心に演じているが、癖のあるマスコット的なキャラクターをもこなすなど演技の幅は広い[13]。特に、『ドラゴンボールZ』のトランクス、『ドラゴンクエストIV』の勇者(『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』より)、『ロードス島戦記』のパーン、『イース』のアドル・クリスティン、『テイルズ オブ ファンタジア』のクレス・アルベイン、「戦国無双シリーズ」の真田幸村などの、いわゆる戦士といった役柄をこれまでに数多く担当している。

その一方で、『GUILTY GEAR』シリーズのカイ・キスクの様な大人しさと熱情が同居する役や、『D・N・ANGEL』のクラッドのような冷徹な美男子役、また『DARKER THAN BLACK -黒の契約者-』の魏志軍のような狂気を帯びたラスボスまで幅広く演じている。その他に『すもももももも 地上最強のヨメ』の虎金井天下などの二枚目半のキャラクターや、『よんでますよ、アザゼルさん。』では天使でありながら悪徳を目にしても内心で罵倒するだけで見てみぬフリをする俗っぽい小物役も演じた。

青年役と平行し、10歳前後の少年役も吹き替え作品含め数多く担当してきている。近年では人間以外の役も演じることが多くなった。『ドラゴンボールZ』では青年期のトランクス、幼少期のトランクス、フュージョン時のゴテンクスと3役を、一つの役柄で担当している。『Yes!プリキュア5』では、妖精のココの甲高い声と人間体である小々田コージの爽やかな声を演じ分けた。

特撮作品にも声をあてることが多く、初出演作である『ビーロボカブタック』では、主人公のカブタックの声を担当。コミカルな面の目立つノーマルモードと、熱血ヒーローのスーパーモードとを1人で声を演じ分けている[注 1]。また俳優として出演することもあり、『ボイスラッガー』では主役の1人として出演を果たしている。
吹き替えの仕事

アニメ以外にも洋画の吹き替えの仕事もこなし、幅広い作品に声をあてている。吹き替え作品の中でも、草尾は初期のレオナルド・ディカプリオを持ち役にしていたことでも知られ、ディカプリオの代表作である『タイタニック』は劇場公開よりも前に作られたとされている機内上映版でジャック・ドーソンを演じた。これについて草尾は「あの『タイタニック』を日本で初めて吹き替えたのは僕だ」と自負しているという。しかし、草尾自身もいまだに機内版の音源で本編を鑑賞出来ておらず「なんとか入手できないか」と捜索中であり、鑑賞を熱望していると語った[14]。この他、テレビモノでは海外のシットコムの『ボーイ・ミーツ・ワールド』では主人公の幼なじみの親友ショーン(ライダー・ストロング)を担当し、ハリウッドの青春コメディモノにも出演している。
人物・エピソード

ラジオなどで自分を紹介する時に「どうも、草尾毅でした」と、登場してからいきなり帰ってしまうような冗談を言うことがある。そのラジオでは悩み相談を受けることも多く、毎回草尾らしい独特の見解で答えている。

草尾曰く「下積みもせずに最初から売れて、その後も二枚目の役ばかり演じている」と思っている人物もいるが、バカにされ、蔑まれ、地の底をはいずるような思いもしながら活動していたことが、何とか形になっているだけだった[11]。テレビの前で視聴者だった頃と様々なものの見方も変わり、2012年時点でも声優業界で生き残っていられるのは、その時代に「何をしたらいいのか」、「どこを頑張ればいいのか」という経験を積ませてもらったからだと語る[11]

2001年に行われた陣内智則の単独ライブ「JING」にて、「声優に挑戦」コーナーの講師としてゲスト出演した際には、『ドラゴンボールZ』の映画版フィルムを使用しての生アフレコを披露し、観客からは暖かい拍手を受けた。

1989年に結成された声優音楽ユニット「NG5」は絶大な人気を獲得し、『鎧伝サムライトルーパー』関連のコンサートや握手会などのイベントの後には毎回号泣者や失神者が絶えず、救急車が出動することもあった。このNG5の人気はアニメ業界だけでなく、『FNNスーパータイム』『地球発19時』など多くの一般マスコミでも取り上げられるほどだった(詳しくはNG5の項目を参照)。『地球発19時』におけるNG5の特集では、当時23歳だった草尾のそれまでの給料が、月に5万円だったことも語られていた。

30歳を過ぎた頃から、何をやっても満足できなくなってしまい、思うように喋れず、思うように演じられず、どう演じても何か違うような気がするという状態になってしまった[15]。そういう気持ちがあるものだったことから、製作スタッフたちも「草尾はどうしたんだろう」と感じるようになり、仕事もどんどん減っていった[15]。すべてのことが八方ふさがりで、10年くらいどうしたらいいのかわからない状態が続いていた[15]。40歳くらいになり、「もうこれだけ悩んだんだから、いいか」のように振り切れ、その後は少し光が見えてきた感じだったという[15]

草尾のライブも観覧するなど、NG5時代からの飲み友達でもあった林原めぐみラジオパーソナリティを務めるラジオ番組『林原めぐみのHeartful Station』で1994年にゲスト出演した際には、「昔、隣の家の犬の「ジロー」に握りっ屁をした」と林原が話し、面白がった草尾が「『めぐタンのジローに握りっ屁』のコーナーへお便り下さい!!」と言ったところ、後日、本当に握りっ屁宛ての便りが大量に届き、仕方なく月替わりのネタコーナー『めぐタンの「ジローに握りっ屁」』が誕生、レギュラー化されたという逸話がある。ジングルのタイトルコールは草尾による林原の物真似と、林原自身によるものが不定期で交互に使われた。

テレビ朝日系列で放映された『ビックリマン』シリーズでは全ての作品で声をあてており、第3シリーズの『スーパービックリマン』では主人公のフェニックスを担当した。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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