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葉は比較的小さく、成長時の長さは5センチメートル程度である[18]中国、日本などの緑茶生産国のほか、イラングルジアトルコなど冬の寒さが厳しい場所で栽培されている[19]。また、インドダージリンスリランカでも栽培されている[17]
アッサム種

アッサム種はカテキン含有量が多く、酵素の活性が強く発酵しやすいことから、紅茶向きとされている。また黒茶のうち、プーアル熟茶もアッサム種を使うことが前述のISO 20715:2023「Tea ? Classification of tea types」に規定されている[20]

アッサム種は単幹の高木で、放置すれば6メートルから18メートルの高さにも達する。葉が大きく、15-35センチメートルまで成長する[18]。栽培に適した高さに刈り込みながら摘採した場合、経済的に利用可能なのは40年程度である[21]。アッサム種の中に5つの亜変種があるとの説もある[17]。生育の良さと葉の大きさのため収量があり、インドのアッサム地方スリランカ低地、インドネシアケニアなどで栽培されている[19]摘採直後の茶葉。同じ木から摘んだものでも、葉の小さいものの方が重量当たりの価値が高い(インド・ダージリン)。
栽培

新芽が成長してくると摘採を行う。摘採時期が遅れると収量は増えるものの、次第に粗繊維が増加して葉が硬化し、主成分であるカフェインカテキンアミノ酸テアニン)も急激に減少するため、品質が低下する。そのため、品質を保ちながら収量を確保するため、摘採時期の見極めが必要である[22]

成熟した茶樹のうち、摘採するのは上部数センチメートルの葉と葉芽だけである[23]。成長期には摘採後7日から15日で新しい葉が生え、葉がゆっくり成長するほど風味豊かな茶となるとされる[4]
味と香りの化学
主成分と味

茶には主として以下の成分が含まれている:

茶の主成分とその味要素[24]成分
うま味苦味渋味甘味酸味
カテキン類遊離型エピカテキン?◯???
エピガロカテキン?◯???
エステル型エピカテキンガレート?◯◯??
エピガロカテキンガレート?◯◯??
アミノ酸類テアニン◯??◯?
グルタミン酸◯???◯
アスパラギン酸????◯
アルギニン?◯???
その他◯◯?◯?
カフェイン?◯???
遊離還元糖???◯?
アルコール沈殿高分子物水溶性ペクチン?????

上記に上げた味のうち、渋味のみ基本味ではなく物理的な収れん感覚であり[25]辛味とともに補助味とされる[25]
香りと化合物

茶の香りの元となる主な化合物は以下のとおりである:

茶の香りと主な化合物[26]香り主な化合物
若葉の爽やかな香り青葉アルコールやそのエステル
スズラン様の軽く爽やかな花香リナロール
バラ様のあたたかい花香ゲラニオールフェネチルアルコール
ジャスミンクチナシ様の甘く重厚な花香シス-ジャスモン、メチルジャスモネート、ヨノン
果実、特に様、乾果様の香りジャスミンラクトン、その他ラクトン
木質系の香り4-ビニルフェノール、セスキテルペン
青苦く重い香りインドール
青海苔様の匂いジメチルスルフィド
加熱により生じる香ばしい香りピラジン類、フラン
保存中に増加する古茶臭2,4-ヘプタジエナールなど

分類・製造詳細は「製茶」を参照

中国茶では、緑茶、白茶黄茶烏龍茶、紅茶、黒茶の大きく6種類の区別が用いられている[27][28]。茶の分類の国際規格ISO 20715:2023「Tea ? Classification of tea types」においても同じ6分類が用いられているので[29]、これは国際的にも有効な分類である。

なおこの分類は「チャノキの」「生葉」「のみ」を使った茶の分類なので[30]、この条件を満たさない茶(例えば麦茶)は分類に含まれない。これらの「茶」については「茶ではない「茶」」の節を参照されたい。

これら6種類のうち黒茶以外の違いは一般的には発酵度合いによって説明され、発酵度合いの低い順に緑茶、白茶、黄茶、烏龍茶、紅茶とされ[31]、それぞれ不発酵茶、微発酵茶、弱後発酵茶、半発酵茶、発酵茶と呼ばれる[31][32]。ただし茶業における「発酵」は酵素による酸化を指し、生化学的な意味での「発酵」ではない[33]。黒茶に関しては生化学的な意味での発酵(すなわち微生物による嫌気的な代謝)が行われ[33]、後発酵茶と呼ばれる[31][32]

一方、前述のISO 20715:2023では茶の製法の観点からこれら6種類を定義しているが、これについては後述する。

六大分類の茶葉

緑茶煎茶

黄茶

黒茶プーアル茶

烏龍茶

白茶

紅茶


六大茶分類の水色

緑茶(鹿児島煎茶

黄茶

黒茶プーアル茶

烏龍茶黄金桂

白茶白毫銀針

紅茶

製法

6大茶分類は典型的には以下のように製造する:


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