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成長期には摘採後7日から15日で新しい葉が生え、葉がゆっくり成長するほど風味豊かな茶となるとされる[4]
味と香りの化学
主成分と味

茶には主として以下の成分が含まれている:

茶の主成分とその味要素[24]成分
うま味苦味渋味甘味酸味
カテキン類遊離型エピカテキン?◯???
エピガロカテキン?◯???
エステル型エピカテキンガレート?◯◯??
エピガロカテキンガレート?◯◯??
アミノ酸類テアニン◯??◯?
グルタミン酸◯???◯
アスパラギン酸????◯
アルギニン?◯???
その他◯◯?◯?
カフェイン?◯???
遊離還元糖???◯?
アルコール沈殿高分子物水溶性ペクチン?????

上記に上げた味のうち、渋味のみ基本味ではなく物理的な収れん感覚であり[25]辛味とともに補助味とされる[25]
香りと化合物

茶の香りの元となる主な化合物は以下のとおりである:

茶の香りと主な化合物[26]香り主な化合物
若葉の爽やかな香り青葉アルコールやそのエステル
スズラン様の軽く爽やかな花香リナロール
バラ様のあたたかい花香ゲラニオールフェネチルアルコール
ジャスミンクチナシ様の甘く重厚な花香シス-ジャスモン、メチルジャスモネート、ヨノン
果実、特に様、乾果様の香りジャスミンラクトン、その他ラクトン
木質系の香り4-ビニルフェノール、セスキテルペン
青苦く重い香りインドール
青海苔様の匂いジメチルスルフィド
加熱により生じる香ばしい香りピラジン類、フラン
保存中に増加する古茶臭2,4-ヘプタジエナールなど

分類・製造詳細は「製茶」を参照

中国茶では、緑茶、白茶黄茶烏龍茶、紅茶、黒茶の大きく6種類の区別が用いられている[27][28]。茶の分類の国際規格ISO 20715:2023「Tea ? Classification of tea types」においても同じ6分類が用いられているので[29]、これは国際的にも有効な分類である。

なおこの分類は「チャノキの」「生葉」「のみ」を使った茶の分類なので[30]、この条件を満たさない茶(例えば麦茶)は分類に含まれない。これらの「茶」については「茶ではない「茶」」の節を参照されたい。

これら6種類のうち黒茶以外の違いは一般的には発酵度合いによって説明され、発酵度合いの低い順に緑茶、白茶、黄茶、烏龍茶、紅茶とされ[31]、それぞれ不発酵茶、微発酵茶、弱後発酵茶、半発酵茶、発酵茶と呼ばれる[31][32]。ただし茶業における「発酵」は酵素による酸化を指し、生化学的な意味での「発酵」ではない[33]。黒茶に関しては生化学的な意味での発酵(すなわち微生物による嫌気的な代謝)が行われ[33]、後発酵茶と呼ばれる[31][32]

一方、前述のISO 20715:2023では茶の製法の観点からこれら6種類を定義しているが、これについては後述する。

六大分類の茶葉

緑茶煎茶

黄茶

黒茶プーアル茶

烏龍茶

白茶

紅茶


六大茶分類の水色

緑茶(鹿児島煎茶

黄茶

黒茶プーアル茶

烏龍茶黄金桂

白茶白毫銀針

紅茶

製法

6大茶分類は典型的には以下のように製造する:

中国茶の製造工程[34][35]緑茶黄茶黒茶烏龍茶紅茶白茶
緊圧茶散茶
摘採
↓↓↓↓萎凋
↓↓↓↓做青↓↓
殺青↓↓
揉捻揉切
悶黄渥堆曝気
↓↓蒸圧↓↓↓↓
乾燥

上記に上げたのはあくまで典型的工程であり、例えば緑茶の一種である抹茶は揉捻を行わないなど例外もある(なお、ISO 20715:2023の緑茶の定義では「通常は揉捻」とあるので揉捻は必須ではない)。


各工程の詳細は以下の通りである:

工程ISO 20715:2023における名称概要目的
摘採plucking葉を摘む事?
萎凋
withering[36]茶葉を放置して水分を軽く飛ばし、萎れさせる[34][35]。「酸化酵素の活性により、カテキンが酸化され赤色系に変色を始め」、「加水分解酵素の活性により、芳香物質が生成される」[34]
做青[34](揺青[35])tumbling[36]茶葉の攪拌と静置を繰り返す[34]。攪拌:茶葉表面の傷や水分蒸発などで活性化した酵素によるカテキンの赤色化、芳香物質の生成などが進む[34]

静置:「水分を蒸発させながら茶葉全体の水分量を平均化」[34]
殺青enzyme inactivation[36]

(fixing[36]とも)茶葉の加熱[34]酵素類の失活[34]
揉捻rolling[36]茶葉を揉む。茶葉の形を整え、茶葉の細胞を壊し成分を抽出しやすくなり[34]、水分を均一化[35]
揉切[注釈 3]茶葉に強い圧力をかけながら揉む[34]


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