太平洋側気候を呈し、冬季は少雨乾燥、夏季は多雨多湿となる。また、太平洋沿岸部は海洋性気候、内陸部は内陸性気候となる。全般に冬季は朝晩は沿岸部を除き放射冷却により気温が下がり、夏季は埼玉県に近接する一部地域を除き北東気流の影響を受けやすく比較的冷涼である。豪雪地帯に指定されている地域は存在しないが、南東部を除く地域、特に北西部山間部は南岸低気圧や北東気流の影響で局地的に大雪となることもある。豪雪地帯に指定されている地域を持たない県としては最北端に位置する。
北部沿岸部:北茨城市や日立市、高萩市などが該当。海に面するため県内では比較的温暖な地方であり、日立の冬季の気温は北部にありながらも南部に位置する鹿嶋と共に県内で最も高く、1月の平均最低気温は0.2°Cである[11]。一方、夏季は冷涼であり、北茨城では8月の平均気温が23.8°Cと県内で最も低く[12]、年間通して海洋性の気候の特色が出ている。
北部山間部:常陸大宮市や常陸太田市、大子町などが該当。冬季の冷え込みは筑波山を除くと県内では最も厳しく、時に-10°C前後の冷え込みとなることもある。大子では1月の平均最低気温が-5.1°Cだが[13]、夏の日中は猛暑日になるほど暑くなる。しかし、熱帯夜は稀であるなど内陸性の気候となっている。
南東端部:鹿嶋市や神栖市などが該当。海洋性の気候であり、冬は冷え込みの少ない県内で最も温暖な地域である。特に、銚子に隣接する神栖市沿岸部は関東地方全体で見ても温暖な地域となっている。また、積雪となることは非常に少なく、夏は冷涼である。
南西端部:古河市などが該当。県内では最も夏の暑さが厳しい地域であり、しばしば猛暑日を記録する。埼玉県や群馬県の平野部に近い気候特性で、冬季はからっ風の影響を受けやすい。朝晩の冷え込みは県内他地域に比べると幾分弱く、1月の平均最低気温は-1.3°Cと[14]、太平洋沿岸部を除くと、内陸では霞ケ浦に隣接する土浦に次いで高くなっている。夏季の最低気温も古河は県内では最も高く、熱帯夜になることも珍しくない。
中央部・南部平野部:水戸市からつくば市・龍ケ崎市にかけての県内の大部分が該当。冬季の気温は関東平野部では最も低い部類に入り、1月の最低気温平年値は、つくばで-2.8°C[15]、鉾田で-3.0°C[16]、最南部の龍ケ崎でさえ-2.3°C[17]などと低くなっており、過去にはつくばで-17.0°C(1952年2月5日)[18]、龍ケ崎で-15.5°C(1984年1月20日)[19]を記録した。このように、平野部でも-10°C以下まで下がることがあり、21世紀に入ってからも下妻、筑西、鉾田では-10°C以下を観測している。しかし、霞ケ浦の影響を受ける地域では冷え込みが弱い。一方、夏季も北東気流の影響を受けやすいために、熱帯夜は少ない。水戸周辺などの東部地域では北東風により時に、突発的なゲリラ降雪をもたらす。また、晩春から初秋にかけて、まれに竜巻が発生する。
茨城県内各地の平年値(統計期間:1991年 - 2020年、出典:気象庁・気象統計情報
)平年値地域区分と2024年5月1日推計人口内陸側太平洋側
(栃木県)県北
(0325,742人)(太平洋)
県央
(0690,602人)
県西
(523,306人)県南
(1,014,920人)鹿行
(259,567人)
茨城県 地域区分図
県域は、自然的条件から、広義では県北、県央、鹿行(ろっこう)、県南に四分される。さらに社会・経済的特性とくに都市化を条件に加えると広義の県南は県南、県西(けんせい)に二分される[20]。 県内には32市7郡10町2村がある(町は全て「まち」、村は「むら」と読む)。それらは、県庁によって以下の5つの地域に区分されている[21]。以下、地域内人口と、都市圏などを記載する(地域内人口は2005年国勢調査の値、都市圏の人口は2010年国勢調査に基づく都市雇用圏の値)。 人口325,742人。地域内から県央地域にかけて日立都市圏(312,390人)が存在する。 人口690,602人。地域内から県北地域にかけて水戸都市圏(642,796人)が存在する。
県庁が定める地域区分
県北地域
日立市(164,432人)
常陸太田市(45,070人)
高萩市(25,815人)
北茨城市(39,427人)
常陸大宮市(36,875人)
久慈郡(14,123人)
大子町(14,123人)
県央地域
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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