英語アルファベット
[Wikipedia|▼Menu]
アポストロフィーは、単語の後に-'s(sで終わる単語の場合は-s')をつけることで所有限定詞を表すのにも用いられる。この用法は18世紀から始められたもので、それ以前はアポストロフィーを使わずにそのままsをつけており、複数形と紛わらしかった[2]
文字の名前

文字の名前は、以下のような場合に綴り字として書かれるが、それ以外では書かれることはあまりない。

複合語(例: tee-shirt(Tシャツ)、deejay(DJ、ディスクジョッキー)、emcee(MC、司会者)、okay(OK)、aitchless("h"の発音を欠いた))

文字を動詞として使用した場合の派生形(例: X→exed、F→effing、to eff)

文字に由来する名前(例:
em(印刷用語で"M"の文字の幅)、wye(Y字路の意))

以下に、オックスフォード英語辞典に記載された文字の名前を挙げる。母音の文字の名前は文字そのものであり、子音の文字の名前は、ほとんどが「子音+ee」か「e+子音」である(bee、efなど)。例外はaitch(H), jay(J), kay(K), cue(Q), ar(R), ess(S), wye(Y), zed(Z)である。子音の文字の複数形は-sをつけるが、aitch, ess, exは-esをつける(aitches, esses, exes)。母音の文字の複数形は-esをつける(aes, ees, ies, oes, ues)。もちろん、名前でなく文字(一般には大文字)で書く場合には、そのまま-sをつける(As, Csなど)。

文字名前発音
Aa/?e?/, /a/[nb 1]
Bbee/?bi?/
Ccee/?si?/
Ddee/?di?/
Ee/?i?/
Fef/??f/
Ggee/?d?i?/
jee[nb 2]/?d?i?/
Haitch/?e?t?/
haitch[nb 3]/?he?t?/
Ii/?a?/
Jjay/?d?e?/
jy[nb 4]/?d?a?/
Kkay/?ke?/
Lel or ell/??l/
Mem/??m/
Nen/??n/
Oo/?o?/
Ppee/?pi?/
Qcue[nb 5]/?kju?/
Rar/??r/
or[nb 6]/??r/
Sess (es-)[nb 7]/??s/
Ttee/?ti?/
Uu/?ju?/
Vvee/?vi?/
Wdouble-u/?d?b?l.ju?/[nb 8]
Xex/??ks/
Ywy/?wa?/
wye/?wa?/
why/?wa?/
Zzed[nb 9]/?z?d/
zee[nb 10]/?zi?/
izzard[nb 11]/??z?rd/

pee(P)とbee(B)、em(M)とen(N)など、いくつかの文字は似た発音の名前になっており、特に電話や無線では聞き間違えやすい。航空管制や警察などでは、NATOフォネティックコードなどの通話表を使用している。これは、聞き間違いを防ぐために、各々の文字に他のものと全く異なるように聞こえる名前を与えるものである。
語源

文字の名前は、ほとんどがフランス語を経由したラテン語エトルリア語の直接的な子孫である。

文字ラテン語古フランス語中英語現代英語
A? /a?//a?//a?//e?/
Bb? /be?//be?//be?//bi?/
Cc? /ke?//t?e?/ > /tse?/ > /se?//se?//si?/
Dd? /de?//de?//de?//di?/
E? /e?//e?//e?//i?/
Fef /?f//?f//?f//?f/
Gg? /?e?//d?e?//d?e?//d?i?/
Hh? /ha?/ > /?aha/ > /?ak?a//?a?t??//a?t?//e?t?/
I? /i?//i?//i?//a?/
J???/d?e?/
Kk? /ka?//ka?//ka?//ke?/
Lel /?l//?l//?l//?l/
Mem /?m//?m//?m//?m/
Nen /?n//?n//?n//?n/
O? /o?//o?//o?//o?/
Pp? /pe?//pe?//pe?//pi?/
Qq? /ku?//ky?//kiw//kju?/
Rer /?r//?r//?r/ > /ar//?r/
Ses /?s//?s//?s//?s/
Tt? /te?//te?//te?//ti?/
U? /u?//y?//iw//ju?/
V???/vi?/
W???/?d?b?l.ju?/
Xex, ix /?ks, ?ks//iks//?ks//?ks/
Yh? /hy?, i?/
? graeca /i? ??ra?ka/ui, gui ?
i grec /i? ?r??k//wi?/ ?/wa?/
Zz?ta /?ze?ta/zede /?z??d?/
et zede /e(t) ?z??d?//z?d/
/??z?d//z?d/
/??z?(r)d/
/zi/

おおまかに年代順に並べた音韻規則の変化は以下の通りである。

ラテン語の前母音の前の/k/が口蓋化して/t?/, /ts/となり、中フランス語で/s/となった。C に影響している。

ラテン語の前母音の前の/?/が口蓋化して、俗ラテン語・中フランス語で/d?/となった。G に影響している。

ラテン語の/u?/が前母音化して、中フランス語で/y?/となり、中英語で/iw/に、現代英語で/ju?/になった。Q, U に影響している。

中英語の/?r/が/ar/になった。R に影響している。

大母音推移。中英語の全ての長母音が変化した。A, B, C, D, E, G, H, I, K, O, P, T, Y に影響している。

奇抜な形のaitchは中世ラテン語のaccaからの音韻規則変化によるものである。新しい文字である J は、geeとの混同を避けるため、近くにあるkayに似たjayと発音された。Jの別名であるjyはフランス語から取られた。新しい文字である V は、他の子音字の多くに倣ってveeとなった。新しい文字である W は、Vを2つつなげたものであるが、ラテン語のVは?と発音するので、double-uとなった。wye(Y)の由来ははっきりしないが、直接の由来は古フランス語のwiである。スコットランド英語のZの名前izzardは、アルファベットを暗唱するときの最後の"and Z"に相当するi zedまたはi zetoに由来するものである。
音韻詳細は「英語の音韻」を参照

A, E, I, O, U は母音字であり、発音しない場合を除いて母音を表す。それ以外の文字は子音字であり、発音しない場合を除いて一般的に子音を表す。ただし、 Y は子音よりも母音を表すことの方が多い("myth"など)。まれに、W も母音を表す("cwm")。逆に、U と I は子音を表すことがある(例: "quiz", "onion")。
文字の出現頻度詳細は「en:Letter frequency」を参照

英語で最も使われる文字は E であり、最も使われない文字は Z である。

下の表はいくつかの英語の文章のサンプルによる文字の出現頻度である。ただし、頻度は文章の種類によって異なる[3]

N文字出現頻度
01A8.17%
02B1.49%
03C2.78%
04D4.25%
05E12.70%
06F2.23%
07G2.02%
08H6.09%
09I6.97%
10J0.15%
11K0.77%
12L4.03%
13M2.41%
14N6.75%
15O7.51%
16P1.93%
17Q0.10%
18R5.99%
19S6.33%
20T9.06%
21U2.76%
22V0.98%
23W2.36%
24X0.15%
25Y1.97%
26Z0.07%

脚注[脚注の使い方]^ アイルランド英語においてはしばしば。これは、アイルランド語でのこの文字の発音に由来する。
^ アイルランド英語においてGee /?i?/は、陰門の軽蔑的な語である。
^ アイルランド英語においてはほとんど。オーストラリア英語で時々。
^ スコットランド英語において
^ 英語アルファベットでは唯一の、文字名にその文字自体が現れない文字である。かつてはquやqueといった綴りが使われていたが、16世紀には時代遅れとされていた。
^ アイルランド英語において
^ in compounds such as es-hook
^ 特にアメリカ英語で、くだけた表現では /l/ はしばしば発音されない。一般の口語体の発音は/?d?b?ju?/, /?d?b?j?/, /?d?bj?/のようになり、特にwww.のような用語の中では顕著である。第43代アメリカ合衆国大統領ジョージ・W・ブッシュのあだ名は、ミドルネームの"W"から"Dubya"である。
^ in イギリス英語アイルランド英語、イギリス連邦英語(英語版)において
^ アメリカ英語において
^ スコットランド英語において


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:39 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef