リアス海岸として有名であり、真珠養殖も盛んで奈良時代から阿古屋貝から採れる真珠を出荷していた。明治時代半ばに阿古屋貝による真円真珠の養殖技術が確立されると、真珠養殖発祥の地としても知られるようになり、昭和初期には「真珠湾」とも呼ばれた。
湾内の深さはおおむね20m前後であるが、志摩町御座の北東にある最深部は40mであり、英虞湾岸の溺れ谷は最大40m沈水したことが分かる[3]。なお、この水深調査は大正時代に目盛りの付いたロープを下ろし計測したもので、以降は行われていなかったが、第42回先進国首脳会議(伊勢志摩サミット)を前に第四管区海上保安本部が電波・音波を用いて計測し直した[4]。
青のりの養殖が盛んであるため、晩秋から春にかけて海苔網が多く建つ。また、ウミホタルも海に生育しているほか、数日間晴れが続いた場合、海が緑色に輝くこともある。
しかしながら、湾内の汚染が進み、赤潮や貧酸素水塊が発生している。汚染などを改善するため、いくつかのプロジェクトが行われている。たとえば1932年(昭和7年)10月14日の深谷水道開削によって太平洋の水を湾内に導水する[5]、海底のヘドロの改善などである。
湾内の島英虞湾の空中写真。
2015年10月29日撮影の95枚を合成作成。
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービス
湾内には大小60の島が浮かぶ[6]。賢島、間崎島、横山島は有人島である。賢島には鉄道駅の賢島駅が存在し、本州と橋でも繋がっている。無人島は主なもので天童島、土井ケ原島、多徳島などが挙げられる。 「あご」という呼び方は天武天皇の時代に遡ることができる。古くから多くの人が暮らしており、石器時代の石器に使われた石は遠く信州から運ばれてきた物で石器時代から遠い地方との交流があったことが窺える。飛鳥時代には「志摩国志摩郡伊雑郷」、「志摩国志摩郡魚切里」、奈良時代には「志摩国英虞郡名錐郷」、「志摩国英虞郡名錐郷舟越里」、「志摩国英虞郡甲賀郷」などの地名を木簡に見ることができる。 英虞湾で最も採れるものは青海苔であり、地元では「アオサ」とも呼ばれ年間を通して採れる。また真珠貝の貝柱も食用されているほか、海松と呼ばれる珍味やアサリ、岩ガキなどがある。湾内の養殖筏は約1,800か所3,000 - 4,000枚、湾内の停泊船は放棄されたものを含め約4,500隻に上る[4]。 英虞湾に訪れる際の起点は賢島を除き、近畿日本鉄道志摩線の鵜方駅が最寄である(志摩市内の各方面に向かう三重交通バスの路線バスの停留所が鵜方駅前にあるため)。中部国際空港から道路を利用すると、賢島まで約195kmである[6]。また、志摩町和具・志摩町御座・浜島町浜島方面に向かう場合は、賢島から定期巡航船(志摩マリンレジャー運営)を利用することができる。 座標: .mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct,.mw-parser-output .geo-inline-hidden{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯34度17分02秒 東経136度47分23秒 / 北緯34.283792度 東経136.789722度 / 34.283792; 136.789722
歴史
主な海産物海苔の養殖
交通手段
脚注[脚注の使い方]^ 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編(1983):77ページ
^ 財団法人国際エメックスセンター" ⇒日本の閉鎖性海域/国際エメックスセンター"2009年3月25日更新.(2011年4月7日閲覧。)
^ 吉川(1949):224ページ
^ a b 添田隆典・室木泰彦「いかだ、老朽船確認急ぐ 狭い入り江 巡視船は困難」中日新聞2015年12月28日付朝刊、10版1ページ
^ 志摩市小学校社会科副読本編集委員会 編(2009):152ページ
^ a b 添田隆典・室木泰彦「テロ警備 抜け穴ないか 60の島、高速周辺調査 丹念に」中日新聞2015年12月28日付朝刊、10版1ページ
参考文献
「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典 24三重県』角川書店、昭和58年6月8日、1643pp.
志摩市小学校社会科副読本編集委員会 編『わたしたちの志摩市』志摩市教育委員会、平成21年4月、156pp.
吉川虎雄(1949)"志摩隆起海蝕台"地理学評論(日本地理学会).22(6・7):218-227.
関連項目.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ウィキメディア・コモンズには、英虞湾に関連するカテゴリがあります。横山展望台から望む英虞湾
湾の一覧
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外部リンク
⇒英虞湾自然再生協議会
⇒三重県水産研究所
⇒英虞湾環境情報
⇒財団法人三重県産業支援センター
⇒(実測データ)英虞湾環境モニタリングシステム
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