英国王のスピーチ
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国王の重責に耐えかねて海軍士官しか務めたことがないとエリザベス妃に不安を吐露したジョージ6世は、再びローグを訪ねると互いに謝罪し、治療を再開する。

戴冠式の準備が進む中、カンタベリー大主教コスモ・ラングはローグを国王から遠ざけようと試みるが、国王はローグを臨席させると譲らない。しかし、2人きりで式の段取りを確認する際、身辺調査によりローグには何の医療資格も持たないことを知ったジョージ6世は、不安と動揺からローグを問い詰める。するとローグは、彼が目を離した隙に戴冠式で使われる椅子に座ってみせて挑発する態度を取る。ジョージ6世は激怒して怒鳴り散らし、ローグによって「私は国王だ。国民に聞かせる声がある」という言葉を引き出される。戴冠式での宣誓は滞りなく進行し、ジョージ6世はその様子をニュース映画で家族と共に鑑賞したところ、続けて再生されたアドルフ・ヒトラーの巧みな演説に強い印象を受けていた。

やがて、ボールドウィン首相の後を継いだネヴィル・チェンバレン首相の宥和政策は失敗し、1939年9月1日ポーランド侵攻を受けて、9月3日に英国はドイツに宣戦布告第二次世界大戦が始まる。同日、ジョージ6世は大英帝国全土に向けて国民を鼓舞する緊急ラジオ放送を行うことになる。緊迫した状況の中、ジョージ6世はローグと2人きりの放送室で9分に及ぶ演説に挑み、見事にやり遂げた。放送室から出てきたジョージ6世は、報道用に堂々と原稿を読む姿を撮影すると、エリザベス王妃、そしてエリザベス王女マーガレット王女とともに宮殿のバルコニーに出て、待ち構える大衆に手を振る。その様子をローグは満足げに見守るのだった。
キャスト主演のコリン・ファース。3番目の候補として抜擢された[4]助演のジェフリー・ラッシュ。脚本を手渡されて出演することに決めた[5]

※括弧内は日本語吹き替え

ジョージ6世 - コリン・ファース堀内賢雄

ライオネル・ローグ - ジェフリー・ラッシュ壤晴彦

エリザベス妃 - ヘレナ・ボナム=カーター佐々木優子

エドワード8世 - ガイ・ピアース宮本充

ウィンストン・チャーチル - ティモシー・スポール宝亀克寿

大司教コスモ・ラング - デレク・ジャコビ糸博

マートル・ローグ - ジェニファー・イーリー水野ゆふ

ジョージ5世 - マイケル・ガンボン真田五郎

スタンリー・ボールドウィン - アンソニー・アンドリュース山内健嗣

ネヴィル・チェンバレン - ロジャー・パロット(をはり万造

ウォリス・シンプソン - イヴ・ベスト(英語版)(下田レイ

エリザベス王女 - フレイア・ウィルソン(英語版)(山根舞

マーガレット王女 - ラモーナ・マルケス(英語版)(日向ゆきこ

メアリー王太后 - クレア・ブルーム(水野ゆふ)

グロスター公爵 - ティム・ダウニー(英語版)

ロバート・ウッド - アンドリュー・ヘイヴィル(英語版)(板取政明

ラジオアナウンサー - エイドリアン・スカボロ(英語版)(樫井笙人

製作ランカシャーのクイーン・ストリート・ミル織物博物館でカメラを操作するトム・フーパー

自らも吃音症であった脚本家のデヴィッド・サイドラーは、30年以上この企画を温めていた[6]。これは、ライオネル・ローグに関する記録がほとんど手に入らず、ライオネルの息子バレンタイン(Valentine)が保有していた治療記録は、ジョージ6世王妃(後の皇太后)エリザベスから存命中の公表を拒まれたからである[7][8]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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