苫小牧市
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苫小牧港の内航取扱貨物量は日本一の取扱量となっている[4]苫小牧東部地域(苫東)には世界最大級の地上タンク方式による石油備蓄施設がある[5]

苫小牧市はホッキ貝(ウバガイ)の漁獲量日本一を誇り[6]、2002年(平成14年)には「市の貝」として制定された。苫小牧市の水道水は厚生省(現・厚生労働省)の「おいしい水研究会」が選んだ「全国の水道水がおいしい都市ベスト32」に入選している[7]。また、スポーツを通じた健康づくりとまちづくりにも積極的であり、1966年(昭和41年)には日本国内初となる「スポーツ都市宣言」をしている[8]。1995年(平成7年)からは「スポーツマスター制度」を実施し、苫小牧に縁があり国内外のスポーツ分野で活躍した者の功績と栄誉を称えるとともに、市民のスポーツ活動への講師や指導を依頼する制度であり、全国の自治体で初めて採り入れている[9] 樽前山から眺めた苫小牧市街(2009年9月) 苫小牧市中心部周辺の空中写真。2018年8月20日撮影の190枚を合成作成。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。
市名の由来

かつて苫小牧川が流れる一帯を「マコマイ」(アイヌ語で「山奥に入っていく川」)と呼んでいた[注釈 2]。さらに、沼のあった旧樽前山神社付近をアイヌ語で沼の意味がある「ト」の字をつけて「ト・マコマイ」と呼んでおり、これが「苫小牧」の語源になったという説や[11]、「マコマイ」川の旧河道・河口を指す「トゥマコマイ tu-makomai」(現在の苫小牧市立病院南300 m地点)を語源とする説もある。

文献上の初出は、松浦武四郎の「初航蝦夷日記」中に出てくる「トフマコマフ」とする地名。その後、1869年(明治2年)に勇払郡を統治した高知藩がカタカナで「トマコマイ」と表記しさまざまな漢字か当てられたが[12]1873年(明治6年)2月に「苫細」と漢字表記される。同年、札幌本道が開通すると開拓使出張所が勇払から移転。駅逓所が設けられることになり、東京開拓使出張所(実質的な開拓使の最高決定機関)が駅名の検討を開始。地名の苫細が「苫小牧」となり、同年11月8日の太政官布告第三六四号にて確定した。しかし、この変更は勇払郡開拓使出張所(地元)に伝わっておらず、翌年、別の公文書にて苫小牧が使われていたことから変更されていたことが発覚。東京出張所に変更を求めたが認められなかった[13]。苫小牧郵便取扱所(後の苫小牧郵便局)の文書によると、1874年(明治7年)8月20日に字名を「苫細」から「苫小牧」に改めたという。一般的に「牧」は「まい」とは読まないので「苫小枚」(木+攵)とすべきところだが、開拓使東京出張所庶務課の小牧昌業が「細」を「小枚」と修正する際に誤って、書き慣れている自分の名字の「小牧」(?+攵)を記入してしまったという説がある。
地理

市域は東西39.9 km、南北23.6 kmに渡り、面積は561.61 km2である。市街地は東西に広がっている[11]千歳市との境には溶岩円頂丘(ドーム)を持った三重式火山の樽前山活火山)があり、市東部には日本初のバードサンクチュアリに指定され[14]、国の鳥獣保護区ラムサール条約登録湿地にも指定されているウトナイ湖があるなど[15]、近郊には希少な自然が残されている。樽前山を含む周辺一帯は支笏洞爺国立公園の区域となっている[16]
地形
山地
主な山


樽前山(1,041 m)

モラップ山(506.6 m)

丸山遠見(327.4 m)

坊主山(36.8 m)

河川
主な川


別々川

錦多峰川

有珠川

苫小牧川

幌内川

勇払川

旧勇払川

美々川

安平川

明野川

湖沼
主な湖


ウトナイ湖

主な沼


樽前大沼

錦大沼

錦小沼

マッカ沼

口無沼

ナカイチ沼

ウトナイ湖

丹治沼(白鳥湖)

弁天沼

土地
平野


勇払平野


白老方面から眺めた樽前山

苫小牧川の取水堰(2012年7月)

沼ノ端橋から見た勇払川(2012年6月)

白鳥が飛来したウトナイ湖(2005年10月)

気候

太平洋に面しているため太平洋側気候海洋性気候で夏は涼しく、冬は北海道の中では比較的温和で積雪量も少ない地域となっている。年間の平均降雪量は145 cmと札幌市(479cm)の約3分の1である[17]。1日の最深積雪量は1968年(昭和43年)2月20日の47 cm[18]、1年の年間降雪量は2005年(平成17年)の245 cmとなっている[18]。1942年(昭和17年)の観測開始以来の最低気温は1945年(昭和20年)1月18日の-21.3℃[18]、1961年以降では1977年(昭和52年)2月2日の-20.9℃、2000年代に入ってからは2000年(平成12年)1月26日の-19.2℃が最も低い気温である。観測開始以来の最高気温は2007年(平成19年)8月15日の35.5℃である[18]。2014年(平成26年)9月11日には、発達した低気圧の影響により初めて大雨の「特別警報」が発表された[19]

苫小牧市
雨温図説明

123456789101112
  39 1-8  38 1-8  54 4-4  76 101  131 147  112 1712  164 2116  198 2318  175 2214  113 166  86 90  57 3-5
気温(°C)
総降水量(mm)
出典:気象庁

インペリアル換算
123456789101112
  1.5 3317  1.5 3418  2.1 4025  3 4934  5.1 5744  4.4 6353  6.4 7061  7.8 7464  6.9 7157  4.5 6144  3.4 4932  2.2 3722
気温(°F)
総降水量(in)

苫小牧特別地域気象観測所(苫小牧市しらかば町、標高6m)の気候
月1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年
最高気温記録 °C (°F)10.0
(50)12.7
(54.9)15.5
(59.9)21.8
(71.2)27.3
(81.1)30.6
(87.1)33.8
(92.8)35.5
(95.9)29.5
(85.1)27.2
(81)20.5
(68.9)14.8
(58.6)35.5
(95.9)
平均最高気温 °C (°F)0.5
(32.9)0.9
(33.6)4.4
(39.9)9.6
(49.3)14.1
(57.4)17.3
(63.1)21.0
(69.8)23.4
(74.1)21.7
(71.1)16.2
(61.2)9.2
(48.6)2.8
(37)11.8
(53.2)
日平均気温 °C (°F)?3.6
(25.5)?3.2
(26.2)0.5
(32.9)5.3
(41.5)10.0
(50)14.0
(57.2)18.2
(64.8)20.4
(68.7)17.8
(64)11.5
(52.7)4.9
(40.8)?1.2
(29.8)7.9
(46.2)
平均最低気温 °C (°F)?8.1
(17.4)?7.9
(17.8)?3.7
(25.3)1.3
(34.3)6.6
(43.9)11.5
(52.7)16.1
(61)18.0
(64.4)13.8
(56.8)6.4
(43.5)0.2
(32.4)?5.4
(22.3)4.1
(39.4)
最低気温記録 °C (°F)?21.3
(?6.3)?20.9
(?5.6)?19.8
(?3.6)?9.8
(14.4)?4.2
(24.4)1.8
(35.2)6.5
(43.7)9.2
(48.6)2.4
(36.3)?5.1
(22.8)?12.6
(9.3)?20.4
(?4.7)?21.3
(?6.3)
降水量 mm (inch)38.7
(1.524)37.5
(1.476)53.5
(2.106)75.7
(2.98)130.8
(5.15)111.6
(4.394)163.5
(6.437)197.5
(7.776)174.9
(6.886)113.2


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