若宮啓文
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3月26日、日韓の懸案になっている従軍慰安婦の問題について、女性のためのアジア平和国民基金の実績を生かし、改めて野田佳彦内閣総理大臣の謝罪を伝えるなどの打開策を、朝日新聞のコラムで提案。4月5日には、韓国の東亜日報で同じ趣旨のコラムを執筆した。[3]4月5日、韓国の東亜日報にて、従軍慰安婦問題に関して野田総理大臣が謝罪すべきであり、朝日新聞を介して提案を行ったとのコラムを執筆した[6]

週刊文春2012年5月17日号の「朝日新聞主筆 若宮啓文氏 女・カネ・中国の醜聞」にて、若宮啓文主筆が論説主幹だったときに出張費の問題があったとした。それによると、「若宮氏が2008年2月に北京上海に3?4泊で出張した際、50歳前後の女性秘書を同行させ、会社の経費で航空機ビジネスクラスに乗せたり高級ホテルに宿泊させたりした。朝日には中国支局があることから秘書を連れて行く必要はなく、しかも内勤職は社内規定で海外出張が認められていなかった。朝日の内部監査室による調査で不正が発覚したが若宮氏はこれを認め、全額を会社に返済した」と報じている。若宮氏は、著書の出版記念パーティーを外務省外郭団体のような中国の外交学会に開いてもらったとし、「独裁国家政府機関に自らの言論活動をお祝いされるというのは本来ありえない」と他紙幹部の批判を紹介している[7]。朝日新聞は2012年5月9日、週刊文春の記事に対し、「事実無根の記述で本社主筆と本社の名誉、信用を著しく毀損する」として、謝罪と訂正記事の掲載を求める抗議書を前日に送ったことを紙面で明らかにした。

2012年(平成24年)12月13日付の東亜日報の記事にて、「韓国人が気を遣うのは安倍政権の登場で日本の右傾化が一気に進むのではないかということだ。」と述べたが、同年12月18日付の産経新聞の記事にて、アメリカCSISマイケル・グリーンが「米側ではいわゆる慰安婦問題を機に左派のエリートやニューヨーク・タイムズロサンゼルス・タイムズ安倍氏を『危険な右翼』としてたたきました。安倍氏の政府間レベルでの戦略的な貢献を認識せずに、でした。その『安倍たたき』は、日本側で同氏をとにかく憎む朝日新聞の手法を一部、輸入した形でした。今後はその繰り返しは避けたいです」と語り、朝日新聞の報道姿勢を批判した[8]。また、同記事で若宮は「憲法改正に強く同調したのは日本維新の会石原慎太郎代表程度だ。」とも述べたが、自身が主筆を務める朝日新聞の同年12月18日付の記事にて衆院選の当選者のうち、日本国憲法改正の賛成派が89%に達した事が報道された[9]

2013年(平成25年)、著書「新聞記者 現代史を記録する」(ちくまプリマー新書)において、従軍慰安婦問題について、「朝日新聞もこれを熱心に報じた時期があった。中には力ずくの『慰安婦狩り』を実際に行ったという日本の元軍人の話を信じて、確認のとれぬまま記事にするような勇み足もあった」とし、従軍慰安婦問題に関する朝日新聞のキャンペーンに根拠がないことを暴露した。虚偽報道に対して、朝日新聞は謝罪せず、記事の取消のみを2014年(平成26年)8月に行った。
慰安婦」も参照

2013年1月16日、65歳になり朝日新聞社を退社、朝日新聞主筆を退任[10]、公益法人日本国際交流センターのシニアフェローとなった。また、1月30日、韓国の東西大学は若宮を「碩座教授」に任命[11]。3月には国立ソウル大学校日本研究所が客員研究員として招請した。8月、韓国の中央日報のインタビューに朝鮮語で応じ、在日韓国人の事を在日同胞と表現[12]

2015年、『戦後70年 保守のアジア観』が第36回石橋湛山賞を受賞[13]

2016年4月27日に、日中韓3カ国のシンポジウムに出席するため北京市を訪れたが、夜になってスタッフに体調不良を訴え、翌28日に滞在していたホテルの浴室で死亡しているのが発見された[14][15]。68歳没。

2016年7月29日、「知韓派」のジャーナリストとして日韓関係の発展に貢献したとして、韓国政府から修交勲章興仁章が授与された。東京の駐日韓国大使館で夫人が受け取った[16]

主張

慰安婦朝鮮人強制連行竹島問題など懸案については「パッケージ処理」を主張しており、日本による植民地支配と侵略を認め反省と謝罪を表明した「村山談話」の継承は当然のことだと主張している[17]

安倍晋三批判

小川榮太郎著の『約束の日 安倍晋三試論』によれば、朝日新聞の主筆時代に三宅久之との対談で、三宅「朝日は安倍というといたずらに叩くけど、いいところはきちんと認めるような報道はできないものなのか」、若宮「できません」、三宅「何故だ」、若宮「社是だからです」とのやり取りが掲載されており[18]、安倍自身が「朝日新聞は安倍政権を倒すことを社是としていると、かつて主筆がしゃべったということです」との伝聞を国会で発言したことがある。これに対し、朝日新聞は「朝日新聞社に安倍政権を倒すという社是はなく、主筆が話したこともありません。」とコメントしている[19][20]。小川は同著においてこの対談の事実確認を三宅と若宮のどちらにも行っていないが[21]、若宮は三宅に電話したところ「確かに言った」と返され三宅は訂正には応じなかったと田原総一朗との対談で語っている[22]

安倍晋三総理大臣が「歴史観はそれぞれの国によって違う」と述べて、韓国の歴史観を受け入れないことをアベノミクスをもじった「アベノミステーク」と批判し、朴槿恵大統領が「普遍的な歴史観」を安倍と日本人に説明してあげるべきだと述べている[23]

安倍総理大臣が東日本大震災地域である宮城県松島航空自衛隊基地を訪問し、アクロバット飛行団「ブルーインパルス」を視察、練習機の操縦席に座り、親指を立てるポーズで写真撮影に応じたが、練習機の番号が「731」であったことから「旧日本軍で生体実験をした731部隊を意識し、韓国を挑発したもの」と韓国で騒動になると、若宮も「こんな番号の機体を用意する自衛隊もあまりに無神経だった。」と韓国世論に理解を示した[24]

韓国地検による産経新聞支局長名誉毀損起訴事件詳細は「産経新聞ソウル支局長名誉毀損起訴事件」を参照

韓国地検による産経新聞ソウル支局長名誉毀損起訴事件では、「韓国が起訴に踏み切ったため、産経新聞が被害者になってしまった」と起訴した検察の判断を厳しく批判し、起訴を容認した朴槿恵を諌める一方で「根拠薄弱な噂話を書かれたのですから。『韓国と結婚した』と公言する大統領の無念は想像に余りあります。」「実は、一国の元首に対して何とも失礼な記事だと感じていた日本人は多かったのです。まるでゴシップ週刊誌の記事みたいだと、恥ずかしさを口にする人もいました。その後に記事が事実無根とはっきりしてみれば、なおのことでした。」など、朴槿恵に同情的な態度も示した[23][24]産経新聞出版社長の皆川豪志は、検察側が公判に弁護側証人として出廷した西日本新聞のソウル支局長に若宮を知っているか質問したことを挙げて、「日本の一流紙である朝日新聞の一流ジャーナリストでさえ、このように書いているのだから、加藤や産経はやっぱり悪い奴らだ」と印象付けようという意図が検察側にあったと主張している[23][25][26]


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