美学者の佐々木健一は、広義のart(仕業)を、「人間が自らの生と生の環境とを改善するために自然を改造する力」と定義している[1]。その中でも特に、芸術とは、予定された特定の目的に鎖されることなく、技術的困難を克服し、現状を越え出てゆこうとする精神の冒険性に根ざし、美的コミュニケーションを志向する活動であるとする[1]。この活動は作品としてコミュニケーション媒体となる[1]。時代や場所によって、その形態や機能は変化する[1]。芸術の定義をめぐる問いは美学の分野で議論・研究されている。
日本では「藝術󠄁(芸術)」が明治期になって新しい語として使用されるようになったため、近代以前の『伝統芸術』を芸道と呼んだり、また芸能とも呼ばれ、「芸術」とは意味が異なるものとして想定される場合もあり、語用統一されていない。
なお芸能は、芸術の諸ジャンルのうち、人間の身体をもって表現する技法と定義され、職業として芸能に携わる者を芸能人と呼ぶとされるが[5]、これは「身体芸術」とも「舞台芸術」ともまた異なる概念である。
分類「諸芸術」を参照
表現者が、どのような手段、媒体を用いるかによって、芸術を多くのジャンルに分けることができる。下記は、芸術の表現方法のうち、歴史的に比較的様式の定まった具体区分に、詳細な学説的分類を加えたものである。
文芸
文芸(言語芸術)
詩
小説・物語
戯曲
随筆・紀行
文芸評論
伝記・自伝・日記文学
美術
美術(造形芸術・視覚芸術)
絵画(洋画・日本画)
浮世絵
彫刻・彫塑
折り紙
庭園
書道
工芸
華道(いけばな)
陶芸
建築
写真(芸術写真)
音楽
音楽(音響芸術・聴覚芸術[6])
作曲
器楽(演奏)
声楽(歌唱)
指揮
楽理