1950年(昭和25年)に文化庁芸術祭から分離される形で「芸能選奨」(げいのうせんしょう)として設立され、1956年(昭和31年)に現在の名称に改められた。文化庁による賞としては、他に文化勲章、文化功労者、文化庁メディア芸術祭などがあるが、それらとは別の制度である。 芸術選奨文部科学大臣賞
芸術選奨文部科学大臣賞
令和2年度芸術選奨贈呈式の記念写真
受賞対象芸術各分野において優れた業績をあげた人物
開催日3月中旬
会場東京都内ホテル
国 日本
主催文化庁
報酬賞状
賞金30万円
初回1951年(昭和26年)
第1回(1950年〈昭和25年〉度)
最新回2021年(令和3年)
第71回(2020年〈令和2年〉度)
公式サイト芸術選奨 - 文化庁
芸術分野をいくつかの部門に分けて、それらの分野において顕著な活躍を見せた人物に「芸術選奨文部科学大臣賞」が贈呈される。1955年(昭和30年)の第5回(1954年〈昭和29年〉度)までの旧名称は「芸能選奨文部大臣賞」、2000年(平成12年)の第50回(1999年〈平成11年〉度)までの旧名称は「芸術選奨文部大臣賞」。 対象部門は時代とともに変遷し、2009年現在、演劇、映画、音楽、舞踊、文学、美術、放送、大衆芸能、芸術振興(2004年から)、評論等、メディア芸術(2008年から。メディアアート、漫画、アニメなど)の11部門が対象となる。また、作品ではなく、人が受賞の対象であり、受賞の年(1月?12月)の優れた業績を対象としている。そのため、受賞理由として挙げられている作品が、必ずしも当人の代表作というわけではない。 毎年3月中旬に受賞者が発表され、同月下旬に東京都内のホテルにて贈呈式が行われる。受賞者には賞状と賞金30万円が贈られる。2024年度から120万円に引き上げられた[2]。
対象部門
表彰
受賞者
芸能選奨時代斜体は没後の受賞。年数は受賞年であり、対象年度はその前年。
第1回 (1951年)
坂東三津五郎 - 歌舞伎『義経千本桜』佐藤忠信役の演技
山本安英 - 新劇『ゆうづる』つうの演技
日本映画社 - 短編映画『いねの一生』
岩波映画 - 短編映画『蝿のいない町』
尾高尚忠 - 指揮
増沢健美
清水脩 - 『楽曲インド旋律による四楽章』
竹山道雄 - 『ビルマの竪琴』
石井桃子 - 『ノンちゃん雲に乗る』
吉岡堅二 - 日本画近代化の研究
三岸節子 - 洋画『金魚』
横江嘉純 - 彫塑界の業績
信田洋
長孝一郎 - 『秋祭』
報道工芸研究社 - 幻灯画『図説天文学』
全光社 - 紙芝居『こねこちろちゃん』
日本紙芝居幻灯株式会社 - 『お母さんの話』
第2回 (1952年)
東山千栄子 - 新劇『桜の園』でのクラネフスカヤ役としての演技
神西清 - 『ワーニャ伯父さん』の舞台脚本としての翻訳
朝日新聞厚生文化事業団 - 『中尊寺』
朝日光画 - 幻灯画『微少世界』
NHK交響楽団 - 『ファルスタッフ』の初演と業績
町田佳声 - 日本民謡研究および関東編の発表
江口・宮舞踊研究所 - 現代舞踊界の業績『プロメテの火』
壺井栄 - 『母のない子と子のない母と』
橋本明治 - 日本画『赤い椅子』
岡鹿之助 - 洋画『遊蝶花』
澤田政廣 - 彫塑『五木の精』
楠部弥一 - 『目磯四方鶴紋花瓶』
桜間弓川 - 能楽界の業績
第3回 (1953年)
千田是也 - 新劇『オセロ』、『ウィンザーの陽気な女房たち』での演技
戸板康二 - 『劇場の椅子』、『今日の歌舞伎』の著書と評論
中山晋平 - 音楽の大衆化
牛山充 - 音楽評論活動
コロムビア株式会社 - レコード『かわいいかくれんぼ』、『めだかの学校』
杵屋正邦 - 日本舞踊での作曲
浜田広介 - ひろすけ童話集
金島桂華 - 日本画『鯉』
小林和作 - 洋画『海辺の丘』と近業
清水多嘉示 - 彫塑『裸婦』
浜田庄司 - 工芸『壺』と近業
多久尚 - 雅楽『陪臚』の演技
第4回 (1954年)
劇団ぶどうの会 - 新劇界での業績
英太郎 - 新派の女方としての近業
成瀬巳喜男 - 『あにいもうと』ほかの演出
宮川一夫 - 『雨月物語』ほかの撮影
東京交響楽団 - 現代音楽の紹介
藤根道雄 - 新内の研究
石井漠 - バレエ『人間釈迦』と舞踊界の業績
園廣茂 - 舞楽『蘇莫者』の演技
サトウハチロー - 『しかられぼうず』
岩橋英遠 - 日本画『庭石』
中村琢二 - 洋画『扇を持つ女』
各務鉱三 - 工芸『クリスタル花器』
山田守 - 『厚生年金病院』の建設
第5回 (1955年)
川尻清潭 - 歌舞伎の演出
郡司正勝 - 歌舞伎界の業績
中村勘三郎 - 歌舞伎『朝顔日記』の演技
松崎国雄 - 『慟哭』の照明
溝口健二 - 『近松物語』と映画界の業績
碧川道夫 - 『地獄門』において色彩映画製作技術の向上に尽くした業績
塚越成治 - 同上
横田達之 - 同上
コロムビア株式会社 - 『舟弁慶』
斉田喬 - 斉田喬児童演劇全集
岩波少年文庫編集局 - 岩波少年文庫
小倉遊亀 - 日本画『裸婦』
新海竹蔵 - 彫刻『少年』
松本芳翠 - 書『雄飛』
清家清 - 日本住宅の建築設計
渡欧能楽団 - ベニス国際演劇祭に能を紹介
安倍季巌 - 雅楽『万秋楽』の演奏
本田安次 - 著作『霜月神楽の研究』と郷土芸能の研究
第6回 (1956年)
福田恆存 - 『ハムレット』の新訳並びにシェイクスピア劇の新解釈による演出
久松静児 - 『警察日記』その他の演出の功績