このような素っ気ない棄却はまた、芸術家が感傷主義から距離を置くことも表明していた。この声明に見えるロマン主義の残滓は、芸術家が決定者として自身の目と感覚に信頼を寄せるということに現れている。
20世紀に入ると、この概念は音楽へと拡張された。アルノルト・シェーンベルクは、従来のありきたりの書き方を拒否し、無調から十二音技法を開拓した。 フリードリヒ・ニーチェは、『偶像の黄昏
批判
マルクス主義者たちは、マルクス主義の美学(英語版)に基づき、芸術は社会主義の理念を伝えるために政治化するべきだと主張した。ディエゴ・リベラは、「芸術のための芸術」においては芸術は一部の富裕層だけのものとなり、社会と民衆から分断されて事実上の「通貨」と化す、と批判している。
レオポール・セダール・サンゴールやチヌア・アチェベといった芸術家たちはこの標語を限界のあるものでヨーロッパ中心主義的な芸術・創造観であると批判している。
『ブラックアフリカの美学』においてサンゴールは「芸術は機能的」であり「ブラックアフリカには『芸術のための芸術』は存在しない」と論じている。
アチェベはさらに辛辣で、評論集『Morning Yet on Creation Day』の中で「芸術のための芸術は脱臭された犬の糞のさらなる1欠片に過ぎない」としている。
ドイツのマルクス主義の評論家・批評家であるヴァルター・ベンヤミンはさらに進んで、未来派を引き合いに出し、この標語はファシズムにおいて「完遂された」と、後世に大きな影響を与えた評論『複製技術時代の芸術』の結びで明言した。
原注^ ⇒http://www.britannica.com/eb/article-9125149/art-for-arts-sake retrieved 2009-05-06
^ Poe, Edgar Allan (1850年). “ ⇒The Poetic Principle”. E. A. Poe Society of Baltimore. 2009年5月6日閲覧。
^ Edwards, Owen (April 2006). ⇒“Refined Palette”. Smithsonian Magazine: 29. ⇒http://www.smithsonianmagazine.com/issues/2006/april/object.php 2009年5月6日閲覧。.
関連項目
芥川龍之介
地獄変 - 主人公である良秀の芸術の完成のためにはいかなる犠牲も厭わない姿を鮮やかに描いた。
高踏派
テオフィル・ゴーティエ
エドガー・アラン・ポー
批判理論
ヴァルター・ベンヤミン
教訓主義
メトロ・ゴールドウィン・マイヤー - ロゴマーク(レオ・ザ・ライオン)にラテン語で当標語が記されている。
外部リンク
⇒Dictionary of the History of Ideas: Art for Art's Sake
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