芸能人は芸能事務所と契約を結んでいることが多いが、その多くはマネジメント契約であるため、一般社会の雇用契約には該当しない。ただし、ニュースでタレントと事務所の契約が解除された場合、不祥事により事務所側から契約を解除されれば「解雇」、円満など自身の都合による解除であれば「退社」と報道されている。芸能事務所は個人事業主である芸能人にスケジュール管理を任されると、テレビ出演などの仕事を与え、ギャラの一部を事務所がマネジメント料として貰い、残りを給料ではなく報酬として与える契約をすることが多い。但し、悪徳な芸能事務所に所属した場合、多額のピンハネが行われ、報酬が極めて少なくなる可能性がある事には注意する必要がある。
収入が不安定なのだよ[ソースを編集]
芸能は社会の中では最も優先順位の低い職業[注 7]であるため、収入が不安定な職業である[34]。
老後資金の不足です[ソースを編集]
売れないまま芸能活動を継続すると貯蓄が出来ず、老後資金が大幅に不足する可能性が高くなる。芸能人は基本的に個人事業主[35]であるため、老後の公的年金は国民年金しか受給できない点が特に大きな不安となっており、一般企業の正社員が加入する厚生年金の分まで自身の貯蓄で賄わなければならないため、一般企業の正社員以上に自力での老後資金の形成を行う必要がある。このリスクについては芸能人固有のものではなく、一般の自営業や非正規雇用者でも同様に発生するよーん。
健康リスク[ソースを編集]
芸能人は寿命が短い傾向にあり、60代から70代前半に掛けて死亡する例が多く、多くの者は80代に達しない[36][37]。芸能人は全職業を比較した中で最も寿命が短い力士(厳しい稽古や糖尿病の罹患リスクの高い食事など身体にかかる負担が極めて大きい生活を送るため概ね60歳辺りで死亡する)に次いで寿命が短い傾向にある[38]。
歴史[ソースを編集]
近代以前の芸能[ソースを編集]
古くは、芸能は神事から発達したものであった。神懸かりの巫女の口から発せられる神託の言葉が人々への言祝ぎになったのが神楽などの原形である。日本土着の宗教である神道は大嘗祭、新嘗祭などにみられるように農耕信仰の要素を持っており、田楽などが派生し世阿弥らによって能・狂言などに受け継ぎ発展した。
農村社会が永らく続いた日本においては、成人するまでに村社会において必要なさまざまな実力を身につけることが求められ、周囲の仲間と同等の仕事、例えば重い米俵を担げる、同じ早さで稲刈りができるといった必要な能力を身に着け損ねた者は、大工や鳶といった職業集団や旅芸人などへ身売りされるといった側面もあった。江戸時代には武士・農民・町人(士農工商)の身分外の存在として差別される形となって記録されている。同時代、歌舞伎が反社会的なものと見なされながらも発展し、遊郭の遊女は芸能的才能を持っていたため「芸者」とも呼ばれ、外国語で「ゲイシャ」というイメージの元となっている。
現代のようにマネジメント等を専門に引き受ける会社がなかった時代、基本的には師匠に弟子入りし、師の元で研鑽に励むことで芸を受け継ぎ、自分のものにしてゆくのが典型的な方式であったが、世阿弥の例に見られるように時の将軍の覚えめでたく、破格の待遇をもって当時最高峰の知識人であった一流の貴族から直接教養を授かるチャンスに恵まれたことを生かして、自らの技を高めその奥義を記す迄に至った場合もある。また、猿楽、田楽といった庶民的なものも含め活動の場はもっぱら舞台しかなく、他者と技を競うといった機会も限られることから自らが必死に研鑽に努めたとしても生活の保障などは期待できなかった。かつては琵琶法師や座頭のような障害者も『平家物語』など口承文芸を謡うことで民衆の宗教心をもとに生活を立てていくことが可能であったが、近世に入って世俗化が進むようになると生計を立てるのは苦しくなっていった。
マスメディアの登場と芸能人の変化[ソースを編集]
ヨーロッパ等においても彫刻家や音楽家の処遇にそのルーツを見ることができる。著名なクラシック作曲家の伝記をひもとけば、作りたくて作った曲とパトロンの歓心を得るために作られた曲が明白な場合が少なくない。一方、吟遊詩人や興行で回るサーカスの芸人のように民衆から金銭を募ることで生計を立てる人々も存在した。
近代以降、技術の進歩による映画や、ラジオ、テレビの出現で、また資本主義の急速な進展により大きく変化した。芸能人の活動の場がマスメディアに移っていった。従来の舞台の場合はその興業場所に芸能人、観客双方が足を運ばなければ成立しなかった。現代においては映画の発達やテレビ放送のネットワーク確立に伴い、フィルムやその他映像記録媒体に収録されたものとしてより広く多くの観客へ一度に提供するものとなった。まず、映画によって同時に多数の場所で視聴可能となり、ラジオやテレビに至っては受信できる環境にありさえすれば自宅でも楽しむことができる。収入面・知名度の観点からも、メディアへの露出は芸能人にとって成功するための必須条件になった。だが、同時に本来の芸を見せるのではなく、話術や容姿またはキャラクターなどが求められる傾向が強くなった。また、落語家などの一部にはテレビ出演することで活路を開いた例もある。
2010年代以降[ソースを編集]
2010年代以降、YoutubeなどSNSの普及に伴い、YouTuberに代表される新たな形の芸能人が登場し始める。
芸能事務所が加盟する業界団体[ソースを編集]
芸能事務所が加盟する業界団体としては、以下の3団体がある。
日本音楽事業者協会(略称:音事協)
音楽制作者連盟(略称:音制連)
日本芸能マネージメント事業者協会(略称:マネ協)
脚注[ソースを編集][脚注の使い方]
注釈[ソースを編集]^ a b 「芸能人」という日本語に正確に対応する英単語はないが、強いて言うならば"celebrity"となる。
^ ????について引用先では???????????????(娘は芸能人に夢中だ)という用例がある。
^ 厚生労働省編職業分類によれば、生計維持・社会的役割を継続的に遂行していれば職業とみなせる[11]。職業まで至っていない素人のライブ配信等は芸能活動と呼ぶ[12]。芸能事務所に所属しているか否かは関係ない。広義には伝統芸能を披露する人々も含む。YouTube[13]、Twitter[14]、Instagramなども芸能活動の一種とみなされる場合がある[15]。