花燃ゆ
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また土屋勝裕チーフプロデューサーは学園ドラマ、ホームドラマであると言っている[9]
放送開始後の反響

初回放送の視聴率は16.7%で、『春日局』(1989年、14.3%)、『花神』(1977年、16.5%)に次ぐワースト3位の発進となった[10]。その後も低調な視聴率が続き、4月12日放送の第15話では一桁台の9.8%を記録した[11]。また、全編において文が何かとおにぎりを握るシーンが登場し、「おにぎり大河」と嘲笑された。

こうした状況を受け、主演の井上は第18話の試写会場において「いろんな原因があると思うんですけど、主演である以上、私の力不足であるとしか言えない。(中略)ともあれ、現場は進んで行くので、落ち込んだり、腐ったりしては迷惑をかけてしまう。やり切るしかないと思います」と抱負を語った[11]。5月14日にはNHKの籾井勝人会長が視聴率について言及し、「私自身はちょっと低過ぎるな、という気がしている。立派な俳優をそろえているし、幕末という面白い時代を扱っている。ただ、若干、前半は話が散漫だったかな、という気がする」と感想を述べた[12]

最終的な平均視聴率は12.0%[注釈 1]で、当時は『平清盛』(2012年)に並ぶ歴代ワーストタイ[注釈 2]となった[15]

観光への影響についても、「不完全燃焼に終わった」[16]「『花燃えず』と皮肉られたほど」[17]との報道がある。
あらすじ

江戸時代末期長州藩士の家に生まれた文(ふみ、杉文)は、実兄の寅次郎(とらじろう、吉田松陰)が教鞭をとる松下村塾において門下生たちの世話をしていた。年頃になった文は寅次郎の門下生の一人である久坂玄瑞と結婚する。尊王攘夷に傾倒する寅次郎は、幕府による日米修好通商条約の締結に批判を深め、老中暗殺の謀略を自白して斬首に処される(安政の大獄)。

寅次郎の遺志を引き継いだ玄瑞は、攘夷の決行を求めて京都で策動し、文はで夫の留守を支える。萩に戻った玄瑞と文は、文の姉・寿(ひさ)と小田村伊之助(楫取素彦)の夫婦から次男・久米次郎(くめじろう)を養子に迎え、つかの間、親子団欒の時を過ごす。長州藩と幕府の対立は激化し、玄瑞は兵を率いて京都御所に向かうが、会津藩薩摩藩の防御を破れずに敗退する(禁門の変)。さらに、朝廷に対する働きかけにも失敗し、責を負った玄瑞は自刃した。久坂家は断絶に処され、久米次郎は養子縁組を解消して実家・小田村家に戻された。

未亡人となった文は、長州藩の奥御殿に出仕し、名を美和(みわ)に改める。次期藩主・毛利元徳の正室である銀姫(毛利安子)に気に入られ、嫡子・興丸(おきまる、毛利元昭)の守役となった美和は、亡き夫・玄瑞が京都の芸妓・辰路との間に儲けた男子・秀次郎(ひでじろう)の存在を知り動揺する(NHKでは奥御殿での物語を「大奥編」と称した[18])。時代は大政奉還戊辰戦争を経て明治となる。

版籍奉還および廃藩置県により長州藩は消滅し、旧藩主・毛利家は東京へ移り、美和が勤める奥御殿は閉じられた。実家に戻った美和は秀次郎を引き取り育てるが、切っても切れぬ母子の絆を知り、秀次郎を再興した久坂家の跡継ぎとして援助することを約束して、辰路の元に返す。その頃、美和の姉・寿の夫で長州藩の重役を務めていた楫取素彦(かとり もとひこ、小田村伊之助)は政治から身を引いて一農民として過ごしていた。荒れ地の開墾と水路の開削に奔走した素彦は、改めて政治への情熱を取り戻す。

かつての同志・木戸孝允(桂小五郎)の求めに応じて群馬県令となることを承諾した素彦は、体調の優れぬ妻の寿、義妹の美和とともに群馬に赴いた。美和は寿を助けて家事を引き受け、素彦は富岡製糸場を中心に蚕糸の一大生産地となった群馬の産業育成に努めた。寿は病状が悪化したため東京で療養していたが、素彦に看取られて亡くなる。寿は生前、素彦に宛てて、自らの死後には妹の美和を妻にするよう求める手紙をしたためていた。群馬に戻った素彦は前にも増して職務に励み、美和は女子教育の普及を目指して奔走する。寿の遺志を知り、素彦と思いの通じ合った美和は、素彦との再婚を決意する。美和は、さらなる飛躍を求めて群馬県令の職を辞した素彦に従い、東京に向けて群馬を発った。
登場人物
主人公とその親族
杉家とその家族
杉文(すぎ ふみ)
(杉文 → 久坂文 → 久坂美和 → 楫取美和)演:井上真央(少女期:山田萌々香)本作の主人公。長州藩士・杉家の四女で素彦の妻。亡き玄瑞の妻。奥御殿に入ってからは美和(みわ)と名乗る。維新後、病に臥せた姉・寿の懇願により群馬に居を移し、姉の死後、楫取素彦と再婚する。
吉田寅次郎(よしだ とらじろう)
演:伊勢谷友介(少年期:板垣李光人)文の次兄。松陰(しょういん)と号する。長州藩山鹿流兵学指南。過激な尊王攘夷の思想で身分を越えて塾生らを導くが、安政の大獄で捕えられ、志半ばで刑死する。
杉百合之助(すぎ ゆりのすけ)
演:長塚京三文の父。長州藩士。本を読むのが好きで、畑作業のかたわら寅次郎ら子供らに読み聞かせ育てた。
玉木文之進(たまき ぶんのしん)
演:奥田瑛二文の叔父。長州藩士。松下村塾を興し、甥の寅次郎らに学問を仕込んだ。維新後、元塾生の前原らがおこした萩の乱の責任を取るため自害する。第1話で、幼少期の文を平手打ちして外へ放り出す過激なシーンがあった。演じた奥田曰く本番では、文の幼少期を演じた子役の山田にフェイクでやる予定であったものの演出スタッフが悩み、山田の母親とマネージャーと話し合った末、撮影では山田本人に直接平手打ちを行う形になったという[要出典]。インタビューで奥田はこれまで山田が平手打ちされた経験無かったことで自分が山田に直接平手打ちする人生で最初の人間になることに断腸の思いがあったものの1発で撮影成功し、山田にはその後笑顔で接したと明かしている。


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