花火大会
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ナイアガラ(綱仕掛) ドイツのデュースブルク市、2004年

スターマイン

枠仕掛(三重県大淀祇園祭

構造性能による分類

信号又は観賞用の煙火は構造や性能によって煙火玉(花火玉)と煙火玉以外の煙火に分類される[4]
煙火玉(花火玉)

打上花火の主流は、打ち上げ時に光が同心円状に広がるものが多く、玉そのものの形も球形をしている。これに対し、初期の花火は打ち揚げても円状にはならず、花火そのものの形も円筒形のものが多かった。円筒形の花火は、球形に比べ、火薬量などを増やすことができ、華やかな光や色を出すことが可能であるが、破裂途中で色の変化をさせることは困難だとされる。かつて、日本の花火も同心円状に広がるものの製造は困難で、一部の武家花火師のみの秘伝とされていたと言われるが、明治期に鍵屋十二代目弥兵衛が技術を取得し、以後、円形の花火が多く作られるようになったとされる。

伝統的に打上花火の「玉」の大きさはで表される。直径約6.06cmの二寸玉(2号玉)から直径約60.6cmの二尺玉(20号玉)、さらに三尺玉(30号玉)、四尺玉(40号玉)まである。二尺玉は直径約500m程度、世界最大といわれている四尺玉は直径約800m程度まで広がる。ただし、この号数表記は打ち揚げ筒(内側)の太さであって、実際の花火玉の直径はこれよりも若干小さくなる。具体的には、20号玉の直径は60cmではなく約57cmである。また、最近[いつ?]開発された世界最小の打ち上げ花火は、玉の直径1cm、打ちあげる距離は2m。ただし、まだ開発段階のため、実用化。

世界の果てまでイッテQ!』の企画で、開花時の直径が推定1kmになる花火玉(四尺三寸大千輪)を作り、打ち揚げた。しかし、花火玉自体が重過ぎたために上昇せず水中で爆発、失敗に終わった。

煙火玉(花火玉)は割物とぽか物に分類される[4]

割物星の部分を割火薬で球状に飛散させ開かせるもの[4][2]。中でも星がの花のように尾を引いて広がるものを「菊物」、尾を引かないものを牡丹に喩えて「ボタン物」とよぶ。また、二重の球状に広がるものを「芯物」という。割物の変形で土星などの形に星が飛散するものを「型物」という。

ぽか物空中でくす玉のように割れて部品が飛び出るもの。

音物俗に「のろし」「合図花火」等と呼ばれているもの。運動会など様々なイベントの開催の合図に使用されている。3回連続で音が鳴る「3段雷」と5回鳴る「5段雷」が主に使われている。

袋物・吊物など和紙など薄紙で袋状に作った人形や、パラシュートに吊った煙玉・旗などがゆっくりと落ちてくる昼花火。特定条件下以外の打ち上げが禁止されている。「袋物」は花火師の平山甚太が1883年にアメリカで特許を取得しているが、これが日本人がアメリカで取得した初の特許である[6]

代表的な打上花火である「割物」の鑑賞のポイントとして以下のようなものがある。

玉の座りがしっかりしているか。玉が昇りつめた点で開いていることを「玉の座りがしっかりしている」という。きれいに広がるための重要なポイントである。

盆が取れているか。星が盆のように真ん丸に見えているか。

消え口が揃っているか。星の色が一斉に変化し、一斉に消えているかである。ただし、わざと消え口をずらしている花火もある。

星がまんべんなく広がり、歯抜けになっていないか。

星の発色が良く、はっきりとした色が出ているか。さらに、星をどのように配色するかは花火師の個性が発揮される重要なポイントである。

煙火玉はスターマインなどの仕掛花火にも用いる[4]
煙火玉(花火玉)以外の煙火

流星(龍勢)のように星を打ち出すロケット花火や、火の粉等を噴出させる手筒花火などである[4][7]
おもちゃ花火駄菓子屋で売られている玩具花火 (三浦市にて)

かつては玩具花火とも呼ばれたが、日本煙火協会での表記はこちらに統一されている[注 1]。購入や使用に免許が不要な花火の総称で、線香花火のような手で持つものが代表的なものであるが、小型ではあっても打上花火になっていて、筒があって上空で破裂するものも存在する。日本では日本煙火協会が出荷品の検査を行っており、合格したものには「SFマーク」がつけられる。

火薬量の制限は、花火の種類により異なるが、最高でも15グラム以下となっている[8][注 2]。おもちゃ花火であっても、束ねて使う場合はおもちゃ花火とは見なされず、煙火(届出・免許が必要な花火)としての届出が必要になる[9][10]手持ち玩具花火。ホームセンターなどで手軽に入手可能。

おもちゃ屋などで単品で発売されることも多いが、大抵は一つの種類の数本入りから複数種類の花火100本くらいを詰め合わせにしたものが、晩春から初秋にかけてスーパーマーケットホームセンター駄菓子屋などで売られている。

帰省旅行の際、旅先で使うために出発前に購入したり、使い切れなかった花火を自宅に持ち帰ったりすることがあるが、花火を携行して交通機関を利用する場合、持ち込みに禁止や制限があるので注意を要する。航空機を利用して旅行する場合、安全上の理由から少量であっても機内への持込みも受託手荷物の取り扱いも出来ない[11][12]。列車・バスを利用する場合、少量の持ち込みはできるが、持ち込める量に制限がある[注 3]。また、宅配便での発送はできない[15][16]
ヘビ花火
火薬量5グラム以下[5][8]。「ヘビ玉(法令上は「へび玉」)」ともいい、地方によって名称の違いあり。色は黒。後述のネズミ花火と同じく、生物名が付いた花火として知られる。円形の炭状の火薬に火を点けると煙と共に燃えカスがヘビのような形状に伸びていく構造の花火。普通の花火とは異なり、色鮮やかな色の火花は出ず、煙しか出ない。このため、昼花火の一種に入れられることもある。
ネズミ花火
火薬量1グラム以下。または、火薬量0.9グラム以下かつ爆薬0.1グラム以下[8]。炎を吹き出すタイプのひも状の花火を、円形に組んだもの。1929年創業の筒井時正玩具花火製造所の初代・筒井時正が考案[17][18][19]。火を点けて炎が吹き出すと重心に対して回転を与える向きの力がかかるため、地面に置かれた場合、高速に回転してその勢いで地面をはい回る。円形の炎がシュシュッと音を立ててはい回る様がネズミに喩えられたためにこの名がある。最後にパンとはじけるような仕掛けを施されたものが一般的。最近[いつ?]は使い方が分からない人が多く、やけどをする人も珍しくないようである。
コマ花火
ネズミ花火の応用型で、本体が独楽(こま)状になっている。ネズミ花火よりも高速に回転できるため、うなるような音を立てて地面上で回転する。
トンボ花火
コマ花火の応用系。双方向に噴射する本体の花火筒に二枚の紙羽根が付いており、表面を上にして平らな場所に置いて打ち上げる。二か所からの噴射力によって高速回転を行い、風を受けた紙羽根によって揚力を得て高速で錐揉み上昇する。上昇時に二段階で急上昇する特徴がある。日中でも使えるため、昼花火の一種に入れられることもある。
UFO花火
トンボ花火からの派生花火。扇風機の様な小型のフィンがついているため回転と同時にフィンに風を受け上昇する。平らな所に置かないと予想しない方向に飛んだりするので、注意が必要。日中でも使えるものもあり、昼花火の一種に入れられることもある。線香花火
線香花火
火薬量は法律によれば0.5グラム以下[5][8]とされているが、実際には0.06 - 0.08グラム程度である。こよりや細い竹ひごの先端に火薬を付けた花火。日本の夏の情緒を代表する花火である。火を付けると火薬が丸くなり、小さな火花を散らすようになる。燃え方に様々な名前が付いている。現在[いつ?]でも開発が行われている。最も長く安定させて燃えさせるには45度の角度に傾けた方が良いとも言われている。
ロケット花火
火薬量0.5グラム以下かつ爆薬(笛音薬)2グラム以下[5][8]。打ち揚げ式の花火。などを発射台にする。打ち揚げ後破裂するものと破裂しないもの、曳光の有るもの無いものがある。破裂しない物の場合は打ち揚げ時の大きな音を出すように改良されているものが多い。燃えカスが回収できないという問題があるため、海岸での使用を禁止している自治体も存在する。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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