色盲
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まとめ正常色覚RGBW1型2色覚RGBW2型2色覚RGBW3型2色覚RGBW

実際の患者によるヒアリングによると、3型は絵のように青がここまで黒くなく、もう少し青く見えると判明した。錐体細胞の異常の有無と現れる色覚異常の関係を表にまとめると、下記の通りである。

錐体細胞の異常の有無と現れる色覚異常の関係錐体細胞名称症状発生頻度
SML
○○○正常色覚正常(無症状)ヒトの大多数の色覚。
○○×1型色覚赤系統 - 緑系統の色弁別に困難が生じるが、
正常色覚とほぼ同程度の弁別能を持つ者も多い。日本では男性約20人に1人。
女性約500人に1人。
○×○2型色覚
×○○3型色覚正常色覚とほとんど変わらないが、
正常色覚と比べて全体的に色がくすんで暗く見える。日本では数万人に1人[注 5]
××○1色覚色は識別できないが、視力は正常。日本では数万人に1人。
×○×
○××色が識別できず、視力も低い。
×××


日本眼科学会が2005年に更新した色覚関連用語は以下の通りである[14]

色覚に関する眼科用語(一部)医学用語(現行)医学用語(2004年以前)
1色覚全色盲
2色覚2色型色覚
3色覚・正常色覚正常3色型色覚・正常色覚
異常3色覚異常3色型色覚・色弱
1型色覚第1色覚異常
1型2色覚第1色盲・赤色盲
1型3色覚第1色弱・赤色弱
2型色覚第2色覚異常
2型2色覚第2色盲・緑色盲
2型3色覚第2色弱・緑色弱
3型色覚第3色覚異常
3型2色覚第3色盲・青色盲
3型3色覚第3色弱・青色弱

後天色覚異常.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

この節の加筆が望まれています。

本節は未記述。注を参照のこと[注 6]
検査・評価
仮性同色表石原表の一例

色覚異常を有すると数字などが読めない指標や、色覚異常を有する場合とない場合で異なる物が読める指標、色覚異常者には読め、正常色覚者には読めない指標を読ませる方法で色覚異常を検出する。この方法は感度が高く、ほとんど正常に近い色覚異常でも検出できる[16]。色覚特性に対する高い検出力、検査の簡便さや準備の手軽さ、低費用などの長所を有するため、色覚検査で頻用される方法の1つであり、精密検査の際に、他の色覚検査法に先立って行われる場合も多い。

石原表が有名で世界的に用いられているほか、標準色覚検査表、東京医大表などが作られてきた。カラーセロファンなどの一般的な色フィルターをかざすことで、色覚検査表を判読することができる場合がある。「石原式色覚異常検査表」も参照
アノマロスコープレイリーマッチを使用したアノマロスコープ

赤緑異常の評価に頻用される。緑の光と赤の光を混合すると黄色く見えるが、これを黄色の波長の光を見ながら同じく見えるように混合比を調節させる物である。赤緑異常を持っている場合、正常人に比べて混合比がどちらかに大きく偏る傾向が見られる。「:en:anomaloscope」も参照
パネルD-15テストD15テストセット

連続した色相の15個のチップを、色が連続的に変化するように並べる方法である。ある2色の区別が難しい場合は、それ以外の色の変化のみに着目した配列にしてしまうため、色覚異常の種類・程度を判別できる。

航空業界や船舶業界では、石原表と合わせて検査に使われている(後述)。「:en:Farnsworth?Munsell 100 hue test#D15 test」も参照
症状

色覚異常は、かつて色盲(しきもう)と呼ばれたため[注 7]、「白黒に見える」ような誤解を持つ者も見られるが、それは稀な全色盲の場合だけの話である。先天色覚異常の大多数を占める赤緑色覚異常の当事者は、有彩色を検知している。先天色覚異常者の色弁別能(2つ以上の色が同じか違うかを判別する能力)は、正常色覚者の色弁別能に劣る。しかし、軽度の先天色覚異常者の色弁別能は、日常生活で特に不便は感じない。

以下のような色の組み合わせの例は、正常色覚者と先天色覚異常者とで見分けやすさが異なる場合が多い。正常色覚者にとっては同系色でない色彩の組み合わせを、先天色覚異常者が同系色と認識する、あるいは色相を特定できないなどといったことが生じる場合がある。狭い面積に配色された物(細い線の文字など)は、より判別し難くなるなど、色彩以外の条件も影響する。なお、以下の色彩は、各々のコンピュータやディスプレイの設定・特性に影響されるため、参考程度に考えるべきである。また、これらは先天色覚異常の説明のための物に過ぎず、色覚異常の判定に用いることは不適切である。大雑把に言えば、明度が近い場合に、赤っぽさと緑っぽさを混同しているように見える。

淡赤と淡緑
淡赤と淡灰
淡緑と淡灰
淡青紫と淡青灰
淡青緑と淡青灰
淡青紫と淡青緑
赤味青と緑味青
青紫と暗青
赤味黄と緑味黄
黄赤と黄緑
暗黄と暗緑
暗赤と暗緑(重度の場合)
赤黒と黒(1型色覚の場合)
赤と暗橙(1型色覚の場合)
緑黒と黒(2型色覚の場合)
青緑と灰(2型色覚の場合)

社会生活

色覚異常を有していても「一部の色が区別しづらいだけで日常生活にはほとんど影響がない」と言われる場合も見られる。しかし、信号の色の判別が難しい、肉の焼け具合がわかりにくい、顔色がわかりにくい[注 8])など、非当事者には十分に知られていない部分も多い。また「色盲」「異常」などの言葉の語感ゆえ誤解・理解不足による偏見を招き、社会生活の多くの面で制限を受ける場合が多い。
日本における強制検査

日本の小学校では、全児童を対象に石原表を用いた色盲検査が行われていた。1994年以降は4年次における1回だけになった。その後に文部科学省は「色覚異常についての知見の蓄積により、色覚検査において異常と判別される者であっても、大半は支障なく学校生活を送ることが可能であることが明らかになってきていること、これまで、色覚異常を有する児童生徒への配慮を指導してきていること」を理由として、2003年度より色覚検査を定期健康診断の必須項目から削除した[17]

学校内で必要に応じて色覚検査を行うことについては、日本学校保健会は「学習指導や進路指導に際して、色覚異常の児童生徒を配慮するために、検査の実施を必要とする考えから」、色覚検査の任意実施を認める姿勢にある。また日本眼科医会は、2013年の調査で色覚異常の子どもの半数が異常に気付かぬまま進学・就職時期を迎え、その6人に1人が進路の断念などのトラブルを経験していると分かった[17][18]。このため、希望者には小学校低学年と中学1・2年で検査を実施するのが望ましいとの考えも見られた[19]。2014年に、文部科学省は学校保健安全法施行規則を一部改正し、事前の同意を得た上での個別の検査・指導などの働きかけを適切に行い、保護者などに色覚に関する周知を積極的に行うように通知した[20]。この通知は「学校での色覚検査の取り組みを積極的に進めるように」との趣旨と解釈され、日本の学校では2016年度から児童生徒に「色覚希望調査票」を配布し、希望者に色覚検査を実施することにした[21]

雇用者については、労働安全衛生法で義務づけられた雇い入れ時健康診断の必須項目の中に色覚検査が加えられており、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}実際に行われることは少なかった[要出典]ものの、法的には新規採用社員は色覚検査を受ける必要があった。この義務は、採用を制限しないよう指導する目的で2001年に廃止された[18]
大学への入学制限

以前の日本では多くの大学が入学制限を課しており[22]、中には、医師免許の取得には昔から色覚による制限がなかったにもかかわらず、入学者選考時に色覚制限を課す大学が多く存在した。1993年以降、ほぼすべての国立大学で色覚による制限は撤廃され、私立大学もそれに準じている。
会社への就職制限

上述の通り、雇い入れ時健康診断における色覚検査は廃止されたが、これは雇用者が任意に検査を実施することを禁ずるものではなく、企業によっては制限を課している場合もある。

厚生労働省は、

色覚検査は現場における職務遂行能力を反映するものではないことに十分注意すること。

各事業場で用いられている色の判別が可能か否かを確認するだけで十分であること。

「色覚異常は不可」などの求人条件をつけるのではなく、色を使う仕事の内容を詳細に記述すること。

採用選考時の色覚検査を含む健康診断については、職務内容との関連でその必要性を慎重に検討し、就職差別につながらないよう注意すること。

各事業場内において「色」の表示のみにより安全確保等を図っているものについては、文字との併用などにより、誰もが識別しやすい表示方法に配慮すること。

という指導を行っている。しかし実情としては、同じ業種であっても色覚制限の有無は企業によってまちまちである。
職種の制限

日本では偏見が薄れ、少しずつ改善傾向にある。学校の健康診断で色覚検査は2003年に行われなくなったが、これ以降の世代は自身の色覚について知る機会がなかったため、色覚に制限がある職種の採用試験で発覚したという事態も起きた[23]

日本眼科医会では、鉄道運転士(後述)、染色業、塗装業、滴定実験を伴う業務、色調整・色校正が伴う業務については、異常3色覚であっても就業が困難とし、パイロットや鉄道・航空関係の整備士、商業デザイナー、警察官、看護師、獣医師、カメラマン、食品の鮮度を確認する作業が伴う業務、美容・服飾関係の業務については2色覚での就業が困難としている。また、医師や薬剤師、理容師、電気工事士、教師などについては本人の努力が必要としている。


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