船霊
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撤饌[3]

その他

天平宝字7年(763年)には、遣渤海使船能登が暴風・荒波に遭った際、無事の帰国を「船霊」に祈ったという記述があり、船霊という呼称がこの頃すでに確認できる[4]

住吉神や水天宮、金比羅権現など以外の神を祭神とする例として、古くは「船魂大明神」を奉っていたという北海道函館市船魂神社では、現在は塩土老翁神大綿津見神といった海に関係の深い神を祭神としている。この神社はかつて北洋漁業青函連絡船の守護神として崇敬され、現在ではフェリーや作業船、貨物船、漁船、遊覧船、プレジャーボートなどの守護神として信仰されているという[5]

海外で船霊にあたるものとしては、西洋で船首や船尾に女神を模した船首像を取り付けることがある(また、ドイツやオランダなどでは船首像に船を守る妖精が宿るという伝説がある)。中国媽祖などの文化もある。

近世期における妖怪としての安宅船の話として、志の低い者や罪人が乗り込もうとすると、唸り声をあげ、乗船を拒否し、徳川家康の安宅船は、嵐の夜、「伊豆へ行こう」と声を出し、自ら江戸を出航して三浦三崎で捕らえられ、廃船処理された。『新著聞集』の記述では、この船材を購入した者の女房に安宅船の霊が憑りつき、精神に異常をきたしたため、その魂を鎮めるため、本所深川の安宅町に塚を築き、供養したという[6]。また『日本書紀』や『続日本紀』には、功績のあった船に対して、五位(下級貴族の位)を授ける例が見られる[注 1]ことからも、古代から船そのものに対して、魂や人格を認める考え方があった。

脚注[脚注の使い方]

注釈^ 詳細は「叙位#人外に対する叙位」を参照

出典^ “コトバンク 精選版 日本国語大辞典 「船霊・船魂・船玉」”. 2023年3月28日閲覧。
^ 川口謙二『東京美術選書23続神々の系図』(東京美術、1980年)p.72.
^ 『出雲大社教布教師養成講習会』 出雲大社教教務本庁発行、1989年(平成元年)9月、全427頁中280頁。
^続日本紀』巻24、天平宝字7年8月壬午(12日)条。
^ “船魂神社について - 北海道最古-函館-船魂神社”. 2023年3月28日閲覧。
^ 村上健司 著、水木しげる 画 『改訂・携帯版 日本妖怪大事典』 角川文庫、再版2019年、26–27頁。

参考文献

青木和夫稲岡耕二笹山晴生白藤禮幸校注『続日本紀』三(新日本古典文学大系14)、岩波書店、1992年。

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