一方、日本では、過去、前述のように船員法第12条で船長の最後離船が、同法123条で罰則規定が定められており義務として定着していた。しかし1969年から1970年にかけてぼりばあ丸事故、波方商船の「波島丸」事故、かりふぉるにあ丸事故と立て続けに3件の遭難事故が発生する中で、それぞれの船の船長が離船を拒否して殉職する例が見られたため、日本船長協会は「誤った社会通念を生む」として船長の責任を軽くするよう主張を行った。この結果、法改正が行われ、船長の最後離船、最後退船は義務ではなくなっている[19]。
脚注
注釈^ 日本語では「船長」「艦長」を区別するが、英語ではいずれも Captain である。
^ イギリス海軍における歴史的経緯により(詳細は「海尉#海尉の階級の位置付け」を参照)、英語の Captain は「艦長(海軍士官の職務)」と「海軍大佐(海軍士官の階級)」の両方を指すため、混同が生じ得る。
^ 水雷艇、掃海艇など「**艇」の長は艇長(ていちょう)と呼称する。
出典^ 「captain (2)」『ジーニアス英和辞典』(第3版)大修館書店。
^ a b 田村諄之輔 、平出慶道『現代法講義 保険法・海商法補訂第2版』青林書院、1996年、162頁。
^ 在日米海軍司令部のツイート(2010年11月4日付)
^ “新着資料の紹介コーナー 第21回「神戸大学海事博物館」”. みなとの博物館ネットワーク・フォーラム (2016年3月1日). 2023年7月5日閲覧。
^ “船乗りの仕事”. 海の仕事ドットコム. 国土交通省 海事局 海技・振興課 海事振興企画室. 2023年7月5日閲覧。
^ “船乗りの仕事一覧:船長”. 海の仕事ドットコム. 国土交通省 海事局 海技・振興課 海事振興企画室. 2023年7月5日閲覧。
^ “ ⇒肩章のはなし”. 中国地方海運組合連合会 (2020年4月9日). 2023年7月5日閲覧。
^ ⇒艦長・機長の席は右?左?
^ a b c d e f 田村諄之輔 、平出慶道『現代法講義 保険法・海商法補訂第2版』青林書院、1996年、163頁。
^ 田村諄之輔 、平出慶道『現代法講義 保険法・海商法補訂第2版』青林書院、1996年、164頁。
^ a b 田村諄之輔 、平出慶道『現代法講義 保険法・海商法補訂第2版』青林書院、1996年、165頁。
^ ⇒自衛艦乗員服務規則について(通達)
^ ⇒艦長・機長の席は右?左?
^ 想像より狭くなかった! 海上自衛隊「おやしお」型潜水艦「まきしお」の内部モーターファン
^ ⇒IFSMA便りNO.21 (社)日本船長協会事務局(2017年5月13日閲覧)
^ “ ⇒ナホトカ号海難・流出油事故の概要と今後の課題” (PDF). 海上保安庁 (1997年). 2020年11月11日閲覧。
^ “イタリア客船座礁事故、元船長に禁錮16年の判決”. CNN (2015年2月12日). 2020年11月11日閲覧。
^ “セウォル号船長、殺人罪で無期懲役確定 韓国最高裁判決”. 朝日新聞 (2015年11月12日). 2020年11月11日閲覧。
^ 「船長を死なすな 最後退船義務条項は不当 船員法改正へ動く」『朝日新聞』昭和40年(1970年)3月6日朝刊、12版、15面
関連項目
海技従事者