航空自衛隊
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有事においては、陸上自衛隊や海上自衛隊への支援として、対艦攻撃、対地攻撃、航空輸送を実施する。専守防衛の理念から、要撃(防空)戦闘に特化した傾向にある。F-15Jや早期警戒管制機、パトリオットミサイル(防衛省・自衛隊では原音に近い「ペトリオット」表記を使用)などを備えている。

また、航空機の稼働率や搭乗員の練度(年間200時間以上と言われている)も高いとされる。日米安全保障条約に基づき米空軍と強固な協力関係にあり、米空軍と共同使用の横田基地には航空自衛隊航空総隊司令部が、在日米軍司令部や米第5空軍司令部、日米共同統合作戦調整センターなどとともに設置され、三沢基地も共同で使用しているほか、日米合同演習を毎年行っている。
スクランブル

スクランブル発進回数の推移を下表に示す。2010年度以降、中国人民解放軍など中国機に対する緊急発進が急増している。ロシアは軍用機による日本周回飛行を度々実施しており、2008年には、中国の31機とロシアの193機に対するスクランブルがあった。 2018年、これは中国の航空機638機とロシアの航空機343機に増加した[21]

年度緊急発進

件数総計国別内訳
ロシア中国北朝鮮台湾その他
平成20年度237回193回31回0回7回6回
平成21年度299回197回38回8回25回31回
平成22年度386回264回96回0回7回19回
平成23年度425回247回156回0回5回17回
平成24年度567回248回306回0回1回12回
平成25年度810回359回415回9回1回26回
平成26年度943回473回464回0回1回5回
平成27年度873回288回571回0回2回12回
平成28年度1,168回301回851回0回8回8回
平成29年度904回390回500回0回3回11回
平成30年度999回343回638回0回0回18回
令和元年度947回268回675回0回0回4回
令和2年度725回258回458回0回0回9回

装備

機種並びに種別記号は『ミリタリーバランス』各号に依るため、公称類別と異なることに留意。

表中の「○」は配備情報のみで数量記載なし、「ε」は概数、「+」は記載数以上の保有を意味する。
固定翼機

機種1961197019801990200020052010201520202021202220232024
戦闘機FTR計--150135170150+160201201201201200200
F-104DJ○○150[22]----------
F-15DJ---135170150+1602014545454444
F-15J---156156156156156
FGA計--19215011015090152137134116122128
F-86F○○18[23]----------
F-4E--13080707040603426---
F-1--44704020-------
F-2A-----4050926464646464
F-2B-----20202727272727
F-35A--------1217253137
偵察機ISR計--14102020201310----
RF-84F-○-----------
RF-4E--14102020101310----
電子戦機EW/SIGINT計--35111111778777
Kawasaki EC-1---1111111111
RC-2---------1111
YS-11EA--34101010222222
YS-11EB--444333
早期警戒機AEW&C計---10141014171821182017
E-2C---10101010131313101010
E-2D--------14463
E-767----4-4444444
救難機SAR計--2730242020262626262626
MU-2--273011--------
U-125A----132020262626262626
空中給油機TKR計------4466789
KC-46A----------122
KC-130H--------22223
KC-767J------4444444
輸送機TPT計-504+3030+30+30645756545455
B-747-400----○○-2-----
B-777-300ER--------22222
Beech T-400-------131313131313
C-1---10202020251311876
C-2--------1011121416
C-130H---10101010151414141313
C-46-404----------
Gulfstream IV-------555555
YS-11---10○○-4-----
練習機TRG計-350359190276+230+230+245247248246246246
T-1-○574022○-------
T-2--545041--------
T-3--30404340-------
T-4---50150170+170196198199197197197
T-7------40494949494949
T-33-○168101010-------
T-34-○54----------
T-400----101010------
U-4----○-10------
連絡機Queen Air 65---11---------

無人機

機種1961197019801990200020052010201520202021202220232024
偵察機ISR計-----------13
RQ-4B-----------13

回転翼機

機種1961197019801990200020052010201520202021202220232024
救難ヘリSAR計--7-152040363939393737
H-19-○-----------
S-62-○7----------
UH-60J----152040363939393737
輸送ヘリTPT計--2630252012151515151515
CH-47J---6101010151515151515
KV-107-○262415102------

対空火器

機種1961197019801990200020052010201520202021202220232024
ミサイルSAM計-72-180+120+120+208+120+120+120+146+146+146+
Air Base Defense SAM----------26ε26ε26
FIM-92A---○○○○------
M902 PAC-2/3----120120+208+120120120120120120
Nike-J-72○180---------
Type-81---○○○○○○○○○○
Type-91----○○○------
対空砲TOWED
M167---○○○○○○○○○-

弾薬類

AAM

AAM-3

AAM-4

AAM-5

AIM-7

AIM-120



AShM

ASM-1

ASM-2



BOMBS

GBU-38

GBU-54



特徴

3自衛隊ではそれぞれ独自に飛行場、航空部隊、操縦士の養成課程を有しているが、戦闘機、空中給油機、早期警戒機、飛行点検機は航空自衛隊のみが配備する。逆に、攻撃ヘリコプター艦載機の専用機体は2023年時点で保有していない。海上自衛隊で全通飛行甲板を備えたいずも型護衛艦で計画されている固定翼機運用では、普段は当該機体を陸上基地から運用する予定で、2021年10月3日に「いずも」への着・発艦試験を行なった2機のF35Bは在日アメリカ海兵隊所属機であった[24]

海上自衛隊は哨戒機艦載ヘリコプター、救難飛行艇など海上での行動を主目的とした航空機を運用する他、独自に電子戦機、輸送機も保有している。

陸上自衛隊は攻撃ヘリコプター、観測ヘリコプター、連絡偵察機など陸上での行動を主目的とした航空機を運用する他、独自に輸送ヘリコプターも保有している。

海上自衛隊から除籍され、標的艦に改造した護衛艦を対艦誘導弾の標的として購入することもあり、書類上は艦船を所有していることもある。
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防衛大臣防衛省

統合幕僚長統合幕僚監部):自衛隊サイバー防衛隊自衛隊情報保全隊

航空幕僚長航空幕僚監部

航空総隊(司令部:横田基地

北部航空方面隊(司令部:三沢基地

中部航空方面隊(司令部:入間基地

西部航空方面隊(司令部:春日基地

南西航空方面隊(司令部:那覇基地

航空総隊直轄部隊


航空支援集団

航空教育集団

航空開発実験集団

航空自衛隊補給本部

その他の部隊・機関

航空システム通信隊市ヶ谷

航空安全管理隊(入間基地)

航空警務隊(市ヶ谷)

航空中央業務隊(市ヶ谷)

航空中央音楽隊(府中)

航空自衛隊幹部学校目黒

宇宙作戦群(府中)

その他の防衛大臣直轄部隊




自衛隊入間病院(入間) - 航空幕僚長を通じて防衛大臣の指揮監督を受ける病院(共同機関


職種
幹部

飛行:
戦闘機輸送機偵察機など航空機を運用する業務。

航空管制 - 飛行場に離着陸する航空機の誘導など。

要撃管制:領空の警戒監視などの業務。

高射運用:地対空誘導弾ペトリオットの運用。

高射整備:地対空誘導弾ペトリオットの整備。

プログラム(電算機):コンピューターのプログラム作成及び管理。

気象:気象観測に基づく気象解析や航空気象予報の作成など。

通信電子 - 通信電子機器などの維持及び運用など。

武装:戦闘機などの搭載武器に関する業務など。

整備:航空機などの整備。

施設:基地施設などの建設取得及び維持管理など。

衛生:医療業務などを行う。救難員として救難機に搭乗する者もいる。

法務:航空自衛隊に関連する損害賠償訴訟などを取り扱う。

総務人事:各部隊の司令部等における総務や人事などの業務。

警備:基地の安全管理など。

音楽:公式行事などでの演奏。

会計:予算、契約行為などに関する業務。

補給:航空自衛隊における物品等の管理。

輸送:航空自衛隊で必要とする人や物資を輸送する業務を行う。

情報:情報収集部隊等に配置され、外国の航空機やミサイルなどの軍事情報の収集・分析。

研究開発:航空自衛隊における航空機および地上電子機材等の研究開発。

宇宙:宇宙関連の業務。
これらを含めて約30種類の職種がある。
准曹士

准曹士の職種はアメリカ空軍の制度に倣い幹部よりもさらに細分化されているが、特に平成8年度以降防衛費削減の影響で職種の統廃合が急速に進められ、各隊員の業務量は過大となりつつある。

実務経験と試験などにより3(初級レベル・初級専門員)、5(中級レベル・専門員)、7(上級レベル・技術員)の特技が付与される。特技付与のうち5(中級レベル)について、航空自衛隊生徒及び一般空曹候補学生は、各術科学校の中級課程修了時に付与される場合と部隊実習と空曹候補者課程を修了し3曹昇任時に付与される場合の2通りがあり職種、ショップによりこれらは異なっていた。一般隊員(一般空曹候補生及び任期制隊員)は、実務訓練 (OJT) を通常10ヶ月した後に特技試験 (APT) が課される。特技拡大(職種替え)を受けた場合以前の職種は順次技術レベルを格下げされていく。
女性自衛官の職種

2015年に性別による制限が撤廃され、戦闘機の操縦士を含む全職種に採用される[25]
英語教育

航空交通管制の世界共通語として英語が使用されていることや、アメリカ製の機材を多用していることもあり、隊員に対しては英語教育が重視されており、35歳以下の全隊員に対して、毎年隊内の英語能力試験(空英検)が実施されている。

特に指揮幕僚課程では同検定総合3級以上が受験資格の一つに数えられている。
航空自衛隊協力の映画・アニメなど

航空自衛隊は怪獣や地球外生物が敵の場合を除き、フィクション内での「墜落」(撃墜)を認めない[要出典]ため、協力した作品に航空自衛隊所属の航空機が墜落するシーンは殆どない。しかし『よみがえる空 -RESCUE WINGS-』や『BEST GUY』では航空自衛隊のF-15戦闘機が事故により墜落(救難員の活躍が一般に広く知られるきっかけとなった)、『ULTRAMAN』では、ウルトラマンである赤い発光体に衝突しF-15戦闘機が墜落、『ゴジラvsキングギドラ』ではF-15戦闘機がキングギドラとの空中戦で撃墜されるシーンがあり、作品の内容など場合によっては認められたケースもあり、絶対というわけではない。

亡国のイージス』では、映画化されるにあたり空戦シーンそのものが削除された。一部のアニメやTVゲームでは、ジェット機のエンジン音の録音(エースコンバットシリーズや『戦闘妖精雪風』等)、アクロバットや戦闘時の行動パターンのアンケート(エアロダンシングシリーズ)と言った形で協力している。航空自衛隊が協力しない実写作品は、戦闘機が特撮コンピュータグラフィクス(CG)で描かれることが多いので、容易に[要出典]判別できる。また、日本や近隣諸国の模型メーカーによる何らかの記念塗装が施された自衛隊機や在日米軍機の模型化の際に、資料の提供や実機取材の便宜を図った事例も存在する。

また、航空自衛隊も1956年7月以降、月刊誌『飛行と安全』を発行している。創刊号(発行部数300冊)から11号までは航空幕僚監部防衛部防衛課が、12号からは航空幕僚監部監察官が、1982年からは航空安全管理隊が編集を担当している。
映画

『嵐を突っ切るジェット機』

今日もわれ大空にあり

BEST GUY

亡国のイージス

ゴジラvsビオランテ

ゴジラvsキングギドラ

ゴジラvsモスラ

ゴジラvsデストロイア

ゴジラ2000 ミレニアム

ゴジラ×メカゴジラ

ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS

シン・ゴジラ

ガメラ 大怪獣空中決戦

ガメラ2 レギオン襲来

ガメラ3 邪神<イリス>覚醒

ULTRAMAN

日本沈没』(リメイク版)


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