興行収入
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配収と略される[15][16]

映画館を所有する興行会社は、配給会社から貸与された映画の利用料金(映画料)を興行収入に対するパーセンテージで支払う[17]。このパーセンテージを歩率という。また、映画料を配給会社の立場から見た場合、配給収入とも言う[17]。歩率は映画上映前に契約で取決められ、固定ではなく上映週数に応じたスライド式になっていることが多く、新作のロードショー作品の場合は上映開始から2週間は70%、次の3週間は60%、その後は50%と徐々に興行会社(映画館)の取り分が多くなるようになっているケースがほとんどである[17]。歩率は映画ごとに異なる[18]

日本では、1999年まで映画の興行成績を興行収入ではなく配給収入で発表していた[1]。各映画の興行会社(映画館)と配給会社間の契約ごとに違うが[19][20]、興行収入のおよそ50%が配給収入となる[20][2]

興行収入に対する配給収入の割合邦画/洋画映画名興行収入[21]配給収入配給収入
の割合[22]
邦画もののけ姫[23]201.8億円117.6億円58.3%
南極物語[24]110.0億円59.0億円53.6%
踊る大捜査線 THE MOVIE[25]101.0億円53.0億円52.5%
子猫物語[26]98.0億円54.0億円55.1%
洋画タイタニック[27]262.0億円160.0億円61.1%
E.T.[24]135.0億円96.2億円71.3%
ジュラシック・パーク[28]128.5億円83.0億円64.6%
スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス[29]127.0億円78.0億円61.4%
インディ・ジョーンズ/最後の聖戦[30]74.0億円44.0億円59.5%
ダイ・ハード3[31]72.0億円48.0億円66.7%
ミッション:インポッシブル [32]65.0億円36.0億円55.4%
ゴースト/ニューヨークの幻[33]61.7億円37.5億円60.8%
ボディガード[28]61.0億円41.0億円67.2%
※邦画は日本映画の歴代興行収入一覧から、洋画は日本歴代興行成績上位の映画一覧から選択した。

興行的成功

相良智弘によれば、日本映画のヒットの目安は日本映画製作者連盟が10億円以上の映画を発表するという理由から総興行収入10億円となる[9]キネマ旬報によれば、1999年までは配給収入10億円以上が大ヒットの基準だったが[1]、近年では制作コストの増加により総興行収入10億円を最低ラインとし、総興行収入30億円以上が大ヒットの基準である。

アメリカでのヒットの目安は総興行収入1億ドル以上、年間トップ10を狙える大ヒットは2億ドル以上となっている[9]

ミニシアターで公開されるアート系作品については、総興行収入5000万円以上で大ヒット、1億円を超えれば年間1位を狙えるメガヒットといった基準が存在したが、シネマコンプレックス全盛の2014年現在は基準が存在しないとも相良智弘は語っている[9]

日本映画の場合、配給収入から配給会社が宣伝費および配給実費(フィルム配給の時代はプリント費がかなり高額を占めた)をトップオフし、そこから契約で設定された比率の配給手数料を差し引いた残りが製作会社(または製作委員会)の取り分となる[34]。したがって配給収入がトップオフ分に達しない場合は、どれだけ高予算作品であっても劇場興行においては製作会社には1円も入らないことになる。仮に製作費10億円の映画に宣伝費等として2億円がかけられ、配給収入/興行収入が50%、配給手数料が30%と設定されていた場合、30億円の興行収入でも製作会社は1.5億円の赤字になる[34]。製作費を5億円に抑えた場合、興行収入が20億円で製作費が回収されることになる[34]。実際はTV放映料、ビデオ販売収入などの二次収入が見込まれるため、採算点はもう少し低くなる[34]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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