自転車
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地上を移動する目的において、ヒト筋力が最も効率良く発揮される手段が自転車である[3]。自重を支えつつ歩いたり走ることに比べて筋力を効率的に進む目的に充てられ、より速く遠くに進むことができる。

自転車は、自動車に比べて安価に購入でき、燃料が不要なことから、道路整備が遅れ国民の所得水準が低い発展途上国では重要な移動手段である[18]。また自動車などと比較して、移動距離当たりのエネルギーが少ない上、路上の専有面積が少なく、有害な排出ガスが発生しないので、ヨーロッパ諸国など都市化が十分に進んだ先進国でもここ数十年、再評価されるようになってきている。欧州諸国や日本などでは健康増進効果への期待の面からも、また環境への負荷を小さくする面でも高く評価され、積極的に利用されるようになっている。
自転車の道路法規での位置づけ、交通事故と交通安全

日本の道路交通法では「軽車両」に分類される[19][20]運転免許を取得する必要は無いが、自転車でも交通事故は起き、死傷者が発生することもあるため、自転車の運転者には(自動車や自動二輪を運転することと同様に)安全運転を心掛けることが求められる。

主な自転車に関する道路交通法の規定を以下に記す[21][22]
道路交通法第54条第2項
危険回避のため止むを得ない場合をのぞき、ベルを鳴らすことは禁止。
道路交通法第65条
酒気帯び運転等の禁止。
道路交通法第71条
運転する場合の電話での通話、画面の注視の禁止。(=ながら運転の禁止)
道路交通法第52条
夜間にライトやそれに準ずるものを点灯せずに走行する夜間無灯火走行の禁止。
道路交通法第19条
軽車両の並走の禁止。(2台〈以上〉の自転車が横一列に並んで走ってはならない)
道路交通法第17条
自転車は車道の左側を通行。

これらの違反について警察官による取り締まりも強化されるようになった。同時に、自転車利用の促進のため、道路での走行ルールの明確化、走行場所の法的な明確化・確保もされた。なおそれと連動して自転車専用レーン整備のための行政的な推進も図られる。

平成後期より、自転車の運転者「自転車保険」(事故時の損害賠償などに対応するもの)への加入を義務化する地方自治体も現れた。2015年10月に兵庫県で義務化が開始され、以降全国に広まる[23]
構造

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Frame フレーム

head tube ヘッドチューブ

top tube トップチューブ

down tube ダウンチューブ

seat tube シートチューブ

seat stay シートステイ

chain stay チェーンステイ


Saddle area サドルエリア

saddle サドル

seatpost シートポスト

seatpost clamp シートクランプ


Front set フロントセット

handle bar & grips ハンドルバーとハンドルグリップ

brake & shift lever ブレーキレバーとシフトレバー

stem ステム

front brakes フロントブレーキ

fork フォーク


Wheel ホイール(車輪)

spokes スポーク

hub ハブ

rim リム

tire タイヤ

valve バルブ


Drivetrain ドライブトレイン

pedal ペダル

crank arm クランクアーム

chainrings チェーンリング(チェーンホイール)

bottom bracket ボトムブラケット

chain チェーン

front derailleur フロントディレイラ

rear derailleur リアディレイラ

cogset コグセット(カセット・スプロケット)


rear brakes リアブレーキ

フレーム詳細は「フレーム (自転車)」および「フロントフォーク (自転車)」を参照

フレームは自転車を構成する各部品が組み付けられる車台である。自転車のフレームは伝統的にフロントフォークとセットで製造され、流通してきた歴史があり、公的な強度・耐久性試験もフレームとフロントフォークを組み付けた状態で行われる[24]。この場合、フロントフォークを含めた構造物はフレームセットと呼ばれる。一方、スポーツ用の自転車においてはフロントフォークを含まないフレーム単体で製造、販売されることも多い。

フロントフォークとフレームはステアリングコラムと呼ばれる軸構造によって回転可能に接続され、ヘッドパーツと呼ばれる転がり軸受け構造によって滑らかに操舵できるようになっている。
車輪詳細は「ホイール (自転車)」および「自転車用タイヤ」を参照

ホイールタイヤによって構成される。ホイールのハブリムとの間は金属製のワイヤースポークによって支え、ハブには滑らかに回転するために転がり軸受け構造を採用し、タイヤは中空で、円形の断面形状を持つものが一般的である。

2輪の自転車では前輪が操舵、後輪が駆動を受け持つ構成が多いが、ベロシペードおよびペニー・ファージングまでは駆動と操舵の両方を前輪で行っていた。リカンベントの一部には駆動と操舵の両方を前輪で受け持つ構成の車種があるほか、前輪で駆動し後輪で操舵するものもある。
ハンドルストレートハンドル(バーエンドバー付き)詳細は「ハンドルバー (自転車)」を参照

2輪の自転車では、操舵用のハンドルは棒状でフロントフォークの最上部に固定され、フロントフォークを直接回転させる構造のものが一般的である。操舵に必要な機能以外にも、強くこぐ際には運転者が上体を支えるよりどころとしての機能を持つため、用途によりさまざまな形態がある。3輪以上の自転車では、リンク機構によって操作を操舵輪に伝達する構造を持つものが多い。
サドル詳細は「サドル (自転車)」を参照

運転者が座る部分はまたがって座るサドル型が一般的で、前方が細く、後方が広くなっている形状のものがほとんどである。

運転者が体重をかける割合が少ない用途では、こぎやすさを重視して細長く、運転者の体重の多くをサドルに乗せる乗車姿勢の車種では幅が広く作られていて、スプリングを備えたものもある。リカンベントでは運転者の背中までの広い範囲を支える椅子型(シート)のものが多い。
ペダル詳細は「ペダル (自転車)」を参照

手漕ぎ自転車(ハンドサイクル)及び特殊なもの(主に遊戯用)を除けば、運転者が動力を与えるのにはクランクの先端に回転可能に支持されたペダルで行われる。

単純な平板状のものは踏み込む力だけを動力とするが、革紐などによって足を固定するトウクリップや、クリートと呼ばれる金具を備えた靴を固定するビンディングペダルによって、踏み込む力だけでなく足を引き上げる力も動力として利用できるペダルもある。

クランクには運転者の体格や体力、車体各部の寸法などに応じて選択できるように、いくつかの異なる長さのバリエーションを持つ製品もある。
ドライブトレイン「ドライブトレイン」の抽出図(図は前後に変速を含む)

ドライブトレインは、クランク、軸受、チェーンホイール(後述)、チェーン(あるいはコグドベルトや少数ではあるがシャフト)、スプロケット(あるいはカセットスプロケット)、フリーホイールなどによって構成される。

運転者の足や腕によって回転されるクランクはボトムブラケット(BB)と呼ばれる軸受け構造で支持される。クランクの回転はローラーチェーンスプロケットの組合せにより駆動輪へと伝達されるものが一般的である。19世紀末の安全型自転車が登場するまでは前輪の軸がクランクと直結しているものが通常であった。また、初期の自転車用チェーンはブロックチェーン(block chain)と呼ばれるもので、現在用いられているローラーチェーンとは構造が異なっていた。

スプロケットのうちクランクと同軸にあるスプロケットは自転車においてはチェーンホイールと呼び、単に「スプロケット」と呼ぶ場合は駆動輪と同軸にある被駆動スプロケットを指す。駆動輪のスプロケット軸にはフリーホイールが内蔵されていて、クランキングを止めて惰性で走行することができる車種がほとんどである。フリーホイールは安全型自転車の後期になって普及した一方、トラック自転車競技室内自転車競技に用いられる自転車には現代でもフリーホイールは組み込まれていない。

変速機をもつ車種もあり、チェーンホイールとスプロケットの組合せを複数持ち、チェーンを掛け替える方式の外装変速機と、ハブ内部に歯車を持ち、スプロケットの回転速度を増速あるいは減速してホイールに伝達する内装変速機がある。外装変速機には複数のスプロケットをまとめてハブから分離することができる構造のものがあり、カセットスプロケットと呼ばれる。前後のディレイラによってチェーンの位置を左右に移動させ、チェーンと組み合わさるチェーンホイールやスプロケットを変える。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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