初期の自転車は、ファッショナブルなエリートによって財力を誇示するために消費されるもののひとつであった[58]。そのため、例えばバービー人形などの着せ替え人形において人形本体より着せ替え用の服などのアクセサリがよく消費されるように、自転車それ自体よりもそれにつけるためのカスタムパーツのの消費が多くなることがあった[59]。
自転車の普及によって自転車メッセンジャー[60]、自転車教室などの新たな職業が生まれ、また自転車レースも開催されるようになった。自転車レースの形態はのちにオートバイレースや自動車レースへとつながっていった[61]。
初期の自動車や飛行機の開発者には自転車によって機械製造の基礎を身に付けたものが多く、飛行機を発明したライト兄弟もオハイオ州デイトンの自転車屋であった[62]。いくつかの自動車メーカーは自転車メーカーから成長してきたものである。イギリスのローバーは1878年にStarley & Sutton Co. of Coventryとして創業したときは自転車メーカーであり、1901年に自動車の製造を開始した。同じくイギリスのモーリスも1910年の創業時は自転車メーカーであり、1913年に自動車メーカーとなった。チェコのシュコダもオーストリア=ハンガリー帝国時代の1895年にラウリン&クレメント社として創業したときは自転車メーカーで、自動車業進出は1901年のことであった。また、日本の本田技研工業は自転車メーカーではなかったが、自転車に搭載するモペッド用の補助エンジン制作からスタートして世界有数の自動車メーカーとなった企業である。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ こうした活動が行われている場のひとつに、International Cycling History Conference(英語版、ドイツ語版、イタリア語版)(外部リンク: ⇒International Cycling History Conference (ICHC)) がある
^ この1861年説は、ミショー一族に伝わる家伝書を根拠とする。これは個人的な記録であり、後年ミショーがオリビエとの間に権利上の対立を抱えていたことなどから、その信憑性に疑問を呈する意見もある。
^ 標高1800 m、屋内、周長250 m木製走路
^ 標高1475 m、直線走路
出典^ a b 『世界大百科事典』第二版「自転車」
^ JISD9111 2016.
^ a b c スーパーニッポニカ【自転車】内田謙 執筆
^ “Leonardo da Vinci Bicycle Hoax”. www.cyclepublishing.com. 2021年3月9日閲覧。
^ 浅井建爾 2015, p. 72.
^ “ ⇒日本自転車文化協会ホームページ”. www.jba-rw.org. 2020年12月17日閲覧。
^ Eschner, Kat. “This Wooden Running Machine Was Your Fixie’s Great-Great Grandpa” (英語). Smithsonian Magazine. 2020年12月24日閲覧。
^ Hermann Ebeling: Der Freiherr von Drais. S. 53 ff.
^ “DPMA 。The ancestor of all bicycle” (ドイツ語). Deutsches Patent- und Markenamt. 2020年12月24日閲覧。
^ Hamer, Mick. “Brimstone and bicycles” (英語). New Scientist. 2020年12月24日閲覧。
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^ Hans-Erhard Lessing: Wie Karl Drais das Fahrrad erfand, Lauinger Karlsruhe 2018, Anhang D
^ “DPMA 。The ancestor of all bicycle” (ドイツ語). Deutsches Patent- und Markenamt. 2020年12月24日閲覧。
^ Feldhaus, Anhang I, S. 11?13.
^ “ ⇒自転車の歴史探訪”. www.eva.hi-ho.ne.jp. 2020年12月17日閲覧。
^ “江戸時代の三輪車を復元 高校生がホームセンター材料で:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2021年3月8日). 2024年5月14日閲覧。
^ a b c d 浅井建爾 2001, p. 251.
^ 4区市にカンボジアから勲章 放置自転車寄贈で途上国支援産経新聞ニュース(2016年12月10日)2018年3月20日閲覧