自転車
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2009年には全世界で一年に1億3000万台の自転車が販売され、そのうちの66%が中華人民共和国で製造された[45]。ただし世界最大の自転車メーカーは台湾に本社があるジャイアント・マニュファクチャリング(GIANT)であり、2014年の統計によると この一社だけで世界の自転車製造の10%を占めており、およそ600万台を製造した[46](同社は台湾、オランダ、中華人民共和国、ハンガリーに製造所を所有している)。その他ジャイアントに次ぐ世界大手の名を挙げるとメリダ・インダストリー、ドレル en:Dorel Industries(カナダに本社があり、キャノンデールブランドを抱える)、アクセルグループ(en:Accell。オランダの自転車メーカー)を挙げることができる。自転車の部品にも焦点をあてると、シマノが最大手である。

2011年には、世界の自転車市場の規模は610億ドルにのぼった[47]

欧州諸国の中ではポルトガルが最大の製造国で、2020年の統計で およそ260万台を製造した[48]

自転車メーカーの一覧は別記事「自転車メーカー一覧」が参照可能である。

日本国内で販売される自転車についての統計資料は(日本の)自転車産業振興協会が集計しており、その資料によると、日本で販売された自転車は2021年の1年間でおよそ689万台で、そのほとんどは輸入されている[49]
自転車製造と自転車製造業者の歴史

自転車の製造は、自転車のフレーム自体やボールベアリングワッシャースプロケットなどの特別な部品の両方に高度な技術を必要とするため、金属加工技術の進歩を促し、他の高度な産業にも影響を与えた。これらの製造を通じて熟練した金属加工技術を身に付けた労働者は、初期の自動車飛行機の開発に大きな役割を果たした。また、自転車製造業は機械化大量生産[50](のちにフォード・モーターゼネラルモーターズも採用した)、垂直統合[51](のちにフォードも採用した)、積極的な広告[52]1898年の米国の雑誌のすべての広告のうち10%は自転車メーカーが占めていた)[53]道路改善のためのロビイング[54](などいくつもの産業モデルを開発し、他の産業に伝授する役割を果たした。また、自転車産業は年間のモデルチェンジを初めて採用[55][56]、この方式はゼネラル・モーターズにも受け継がれ、大成功をおさめた[57]

初期の自転車は、ファッショナブルなエリートによって財力を誇示するために消費されるもののひとつであった[58]。そのため、例えばバービー人形などの着せ替え人形において人形本体より着せ替え用の服などのアクセサリがよく消費されるように、自転車それ自体よりもそれにつけるためのカスタムパーツのの消費が多くなることがあった[59]

自転車の普及によって自転車メッセンジャー[60]、自転車教室などの新たな職業が生まれ、また自転車レースも開催されるようになった。自転車レースの形態はのちにオートバイレースや自動車レースへとつながっていった[61]

初期の自動車や飛行機の開発者には自転車によって機械製造の基礎を身に付けたものが多く、飛行機を発明したライト兄弟オハイオ州デイトンの自転車屋であった[62]。いくつかの自動車メーカーは自転車メーカーから成長してきたものである。イギリスローバーは1878年にStarley & Sutton Co. of Coventryとして創業したときは自転車メーカーであり、1901年に自動車の製造を開始した。同じくイギリスのモーリスも1910年の創業時は自転車メーカーであり、1913年に自動車メーカーとなった。チェコシュコダオーストリア=ハンガリー帝国時代の1895年にラウリン&クレメント社として創業したときは自転車メーカーで、自動車業進出は1901年のことであった。また、日本の本田技研工業は自転車メーカーではなかったが、自転車に搭載するモペッド用の補助エンジン制作からスタートして世界有数の自動車メーカーとなった企業である。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ こうした活動が行われている場のひとつに、International Cycling History Conference(英語版、ドイツ語版、イタリア語版)(外部リンク: ⇒International Cycling History Conference (ICHC)) がある
^ この1861年説は、ミショー一族に伝わる家伝書を根拠とする。これは個人的な記録であり、後年ミショーがオリビエとの間に権利上の対立を抱えていたことなどから、その信憑性に疑問を呈する意見もある。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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