自転車
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主な自転車に関する道路交通法の規定を以下に記す[21][22]
道路交通法第54条第2項
危険回避のため止むを得ない場合をのぞき、ベルを鳴らすことは禁止。
道路交通法第65条
酒気帯び運転等の禁止。
道路交通法第71条
運転する場合の電話での通話、画面の注視の禁止。(=ながら運転の禁止)
道路交通法第52条
夜間にライトやそれに準ずるものを点灯せずに走行する夜間無灯火走行の禁止。
道路交通法第19条
軽車両の並走の禁止。(2台〈以上〉の自転車が横一列に並んで走ってはならない)
道路交通法第17条
自転車は車道の左側を通行。

これらの違反について警察官による取り締まりも強化されるようになった。同時に、自転車利用の促進のため、道路での走行ルールの明確化、走行場所の法的な明確化・確保もされた。なおそれと連動して自転車専用レーン整備のための行政的な推進も図られる。

平成後期より、自転車の運転者「自転車保険」(事故時の損害賠償などに対応するもの)への加入を義務化する地方自治体も現れた。2015年10月に兵庫県で義務化が開始され、以降全国に広まる[23]
構造

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Frame フレーム

head tube ヘッドチューブ

top tube トップチューブ

down tube ダウンチューブ

seat tube シートチューブ

seat stay シートステイ

chain stay チェーンステイ


Saddle area サドルエリア

saddle サドル

seatpost シートポスト

seatpost clamp シートクランプ


Front set フロントセット

handle bar & grips ハンドルバーとハンドルグリップ

brake & shift lever ブレーキレバーとシフトレバー

stem ステム

front brakes フロントブレーキ

fork フォーク


Wheel ホイール(車輪)

spokes スポーク

hub ハブ

rim リム

tire タイヤ

valve バルブ


Drivetrain ドライブトレイン

pedal ペダル

crank arm クランクアーム

chainrings チェーンリング(チェーンホイール)

bottom bracket ボトムブラケット

chain チェーン

front derailleur フロントディレイラ

rear derailleur リアディレイラ

cogset コグセット(カセット・スプロケット)


rear brakes リアブレーキ

フレーム詳細は「フレーム (自転車)」および「フロントフォーク (自転車)」を参照

フレームは自転車を構成する各部品が組み付けられる車台である。自転車のフレームは伝統的にフロントフォークとセットで製造され、流通してきた歴史があり、公的な強度・耐久性試験もフレームとフロントフォークを組み付けた状態で行われる[24]。この場合、フロントフォークを含めた構造物はフレームセットと呼ばれる。一方、スポーツ用の自転車においてはフロントフォークを含まないフレーム単体で製造、販売されることも多い。

フロントフォークとフレームはステアリングコラムと呼ばれる軸構造によって回転可能に接続され、ヘッドパーツと呼ばれる転がり軸受け構造によって滑らかに操舵できるようになっている。
車輪詳細は「ホイール (自転車)」および「自転車用タイヤ」を参照

ホイールタイヤによって構成される。ホイールのハブリムとの間は金属製のワイヤースポークによって支え、ハブには滑らかに回転するために転がり軸受け構造を採用し、タイヤは中空で、円形の断面形状を持つものが一般的である。

2輪の自転車では前輪が操舵、後輪が駆動を受け持つ構成が多いが、ベロシペードおよびペニー・ファージングまでは駆動と操舵の両方を前輪で行っていた。リカンベントの一部には駆動と操舵の両方を前輪で受け持つ構成の車種があるほか、前輪で駆動し後輪で操舵するものもある。
ハンドルストレートハンドル(バーエンドバー付き)詳細は「ハンドルバー (自転車)」を参照

2輪の自転車では、操舵用のハンドルは棒状でフロントフォークの最上部に固定され、フロントフォークを直接回転させる構造のものが一般的である。操舵に必要な機能以外にも、強くこぐ際には運転者が上体を支えるよりどころとしての機能を持つため、用途によりさまざまな形態がある。3輪以上の自転車では、リンク機構によって操作を操舵輪に伝達する構造を持つものが多い。
サドル詳細は「サドル (自転車)」を参照

運転者が座る部分はまたがって座るサドル型が一般的で、前方が細く、後方が広くなっている形状のものがほとんどである。

運転者が体重をかける割合が少ない用途では、こぎやすさを重視して細長く、運転者の体重の多くをサドルに乗せる乗車姿勢の車種では幅が広く作られていて、スプリングを備えたものもある。リカンベントでは運転者の背中までの広い範囲を支える椅子型(シート)のものが多い。
ペダル詳細は「ペダル (自転車)」を参照

手漕ぎ自転車(ハンドサイクル)及び特殊なもの(主に遊戯用)を除けば、運転者が動力を与えるのにはクランクの先端に回転可能に支持されたペダルで行われる。

単純な平板状のものは踏み込む力だけを動力とするが、革紐などによって足を固定するトウクリップや、クリートと呼ばれる金具を備えた靴を固定するビンディングペダルによって、踏み込む力だけでなく足を引き上げる力も動力として利用できるペダルもある。

クランクには運転者の体格や体力、車体各部の寸法などに応じて選択できるように、いくつかの異なる長さのバリエーションを持つ製品もある。
ドライブトレイン「ドライブトレイン」の抽出図(図は前後に変速を含む)

ドライブトレインは、クランク、軸受、チェーンホイール(後述)、チェーン(あるいはコグドベルトや少数ではあるがシャフト)、スプロケット(あるいはカセットスプロケット)、フリーホイールなどによって構成される。

運転者の足や腕によって回転されるクランクはボトムブラケット(BB)と呼ばれる軸受け構造で支持される。クランクの回転はローラーチェーンスプロケットの組合せにより駆動輪へと伝達されるものが一般的である。19世紀末の安全型自転車が登場するまでは前輪の軸がクランクと直結しているものが通常であった。また、初期の自転車用チェーンはブロックチェーン(block chain)と呼ばれるもので、現在用いられているローラーチェーンとは構造が異なっていた。

スプロケットのうちクランクと同軸にあるスプロケットは自転車においてはチェーンホイールと呼び、単に「スプロケット」と呼ぶ場合は駆動輪と同軸にある被駆動スプロケットを指す。駆動輪のスプロケット軸にはフリーホイールが内蔵されていて、クランキングを止めて惰性で走行することができる車種がほとんどである。フリーホイールは安全型自転車の後期になって普及した一方、トラック自転車競技室内自転車競技に用いられる自転車には現代でもフリーホイールは組み込まれていない。

変速機をもつ車種もあり、チェーンホイールとスプロケットの組合せを複数持ち、チェーンを掛け替える方式の外装変速機と、ハブ内部に歯車を持ち、スプロケットの回転速度を増速あるいは減速してホイールに伝達する内装変速機がある。外装変速機には複数のスプロケットをまとめてハブから分離することができる構造のものがあり、カセットスプロケットと呼ばれる。前後のディレイラによってチェーンの位置を左右に移動させ、チェーンと組み合わさるチェーンホイールやスプロケットを変える。詳細は「変速機 (自転車)」を参照
ブレーキサイドプル・キャリパーブレーキ(デュアルピボットタイプ)詳細は「ブレーキ (自転車)」を参照

多くの場合はハンドルバーの端部に備えられたレバーで操作し、コントロールケーブルやリンク機構で操作が伝達される。クランクを逆転させることで作動するコースターブレーキと呼ばれるものも一部で採用されている。エラストマー製の摩擦材がリムを挟んで制動する構造や、ハブにと同軸に備えられた円筒を皮革など帯状の摩擦材を巻き付けて制動する構造のものが多く採用されている。

日本では公道を走行する自転車にはブレーキ装置を前後両輪に備えることが義務づけられている[25]
前照灯詳細は「前照灯#自転車」を参照

日本では道路交通法第52条により夜間の点灯義務がある。夜間は必ず前照灯を点灯させなければならない(前照灯を点灯しない自転車は、明るい間しか走行させられない)。前方を照射するための部品でもあるが、周囲の歩行者や車両の運転者に、自転車の存在を認知させること(被視認性)が主たる目的であり、双方の安全人命にかかわる非常に重要な部品・装置である。

前照灯は、あらかじめ自転車に備わっているものも、後付けの製品もある。自転車販売店のほか、ホームセンター百均などでも販売されている。

前輪のリムに接触させたダイナモの回転子が前輪の動きに合わせて回転し発電して発光するリムダイナモ式が古くから用いられている。前輪のハブにダイナモを取り付け、夜間走行中に自動的に点灯するハブダイナモ式も増えている。他に、乾電池太陽電池二次電池で発光する前照灯も販売されている。
反射材・尾灯・その他灯火類尾灯の例詳細は「尾灯#自転車」を参照

後部に設置し自車の存在を知らせ、後部からの被視認性を向上させる。他の車両の前照灯の光を反射して赤く光る反射材と、赤い光を後方に照射する尾灯とがある。日本では道路交通法第52条および第63条の9により夜間に運転する場合は反射材か尾灯の少なくとも一方を装備する必要がある。
車体全体の発光

自転車の車輪や車体を電源や反射塗料、無機ELなどで発光させ、側面からの被視認性を向上させるもの[26][27]。反射塗料を塗装した自転車としては、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコのMission Bicycle Companyによる「Lumen」がある。これは、車体に再帰反射粒子を含有する物質を粉体塗装したもので、フレーム全体が光を反射する。Kickstarterで15,000ドルを目標に出資を募ったところ、60,000ドル以上を集めている[28][29]。自動車メーカーのボルボは、自転車向けの光反射スプレー「LifePaint」を、2015年にイギリスで試験発売している[30]。また、マルキン自転車(ホダカ)も「レアルタシティ ハイブリッド」を発売している[31][32]

無機EL発光体を使用した自転車としては、カインズ2015年11月に発売した「光る自転車KiLaCle(キラクル)」がある。これは、前輪で発生させた電気を利用し、自ら発光することにより視認性を向上させたモデルである[33][34]
警音器

自車の接近を音で伝えるための部品。指でレバーを操作し、ベルを鳴らすものが多い。

道路交通法第54条により、警音器を鳴らす義務がある場面がある。また、法令で規定されている場面以外では鳴らしてはならないとされている。

道路交通法に記述されているのは「鳴らす義務」であり、自転車に警音器を整備する義務は無い。ただし、多くの都道府県の道路交通法施行細則や条例で整備を義務化している。例えば、東京都では条例(東京都道路交通規則第8条第9項)により警音器が整備されていない自転車に乗車することを禁じている。
その他の付属物

盗難防止としてU字ロックチューブラーキーなどの(自転車錠:en:Bicycle lock)

スタンド (自転車)

定期点検すべき部品

ブレーキパッド
詳細は「ブレーキ (自転車)」を参照

ワイヤー
詳細は「変速機 (自転車)」および「ブレーキ (自転車)」を参照

チェーン
詳細は「変速機 (自転車)」を参照

バーテープ
詳細は「ハンドルバー (自転車)」を参照

リムテープ
詳細は「自転車用タイヤ」を参照

タイヤ
詳細は「自転車用タイヤ」を参照

クランクとチェーンホイールの概念図

クランクとチェーンホイールの実物

クランクとチェーンホイールだけをとりだしたところ

クランク棒がシンプルなタイプの、棒だけをとりはずしたところ

自転車のクランクの軸受の断面図。(『ブリタニカ百科事典』掲載の図)

外装型変速機の外観 横型パンタグラフ式

内装型14段変速機の内部構造

前照灯(リムダイナモ式)

前照灯(電池式、LED式)

自転車の利用
レクリエーション利用、旅利用、観光利用
レクリエーション利用
移動はたいてい自転車、という米国ミズーリ州コロンビア市長 Darwin Hindmanチェコの自転車道。チャイルドトレーラーも使い、家族でサイクリング「ペニー・ファージング」という形であった時代から、今日にいたるまで自転車は楽しみやレクリエーションのために使われている。
散歩」的な利用、旅利用、観光利用
サイクル・ツーリング詳細は「自転車旅行」を参照自転車で、まるで「散歩」のように短い距離を気ままに移動するポタリングは、日常的に、また特に週末などに広く行われ、観光地においても人気がある。


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