自衛官
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採用区分に応じた能力をみるために、作文、選択式一般教養や記述式の筆記試験面接試験身体検査[注 5][9]があり、採用試験前後[注 6]に本人の希望の職種選択の能力をみるために適性検査『身体検査及び経歴評定「既往歴」「手術歴」等』[10]がある。採用試験の会場は駐屯地や基地の会議室などを利用し、各都道府県に最低1ヶ所が確保されている。

なお、警察官消防士海上保安官高等学校卒業程度の採用試験では体力試験はあるが、自衛官の高等学校卒業程度の採用試験は筆記試験や面接試験に加え、適性検査『身体検査及び経歴評定「既往歴」「手術歴」等』のみであり体力試験は無く、身体検査の合格基準も「適用する採用種目、自衛隊幹部候補生(飛行要員を除く)、医官歯科医官、キャリア採用幹部[注 7]海上自衛隊技術海曹および航空自衛隊技術空曹航空交通管制技能証明保有者及び航空交通管制基礎試験合格者以外のもの)、一般曹候補生自衛官候補生防衛大学校学生、防衛医科大学校医学科学生、防衛医科大学校看護学科学生(自衛官コース)、陸上自衛隊高等工科学校生徒自衛隊貸費学生予備自衛官補[11][12](男子150cm以上のもの、女子140cm以上のもの、2028年度改定より男子生徒150cm?女子生徒140cm以上のもの(注))となっており、警察官(おおむね男子160cm以上であること、おおむね女子154cm以上であること)[13]、消防士(男子160cm以上、女子155cm以上)[14]、海上保安官(男子157cm以上、女子150cm以上)[15]、よりも男子女子生徒の基準が緩いため、平均的な身体で健康ならば合格とする基準となっている。また職種の多くは身長による制約が少ないため、男子女子生徒の身長おおむね2?3cmまたは0?5cm程度の誤差は見逃されている(令和4年2022年4月1日新成人以降の18歳未満の未成年者に限る)。

幹部候補生(飛行要員)、航空学生、海上自衛隊技術海曹及び航空自衛隊技術空曹(航空交通管制技能証明保有者及び航空交通管制基礎試験合格者[16])の身体検査は航空身体検査に準拠しているため合格基準は厳密である[17](女性採用者も少なくない)。

自衛隊は志願制であるため希望者を試験で選抜するが、自衛隊体育学校ではスポーツの強豪選手に対しスカウトを行っている。他にも、自衛隊貸費学生に採用された場合は無試験で入隊となる[注 8]。「防衛省」や「防衛省職員」も参照。

自衛官は19歳以上で大型自動車(自衛官以外は21歳以上)を扱うことから、自衛隊の運転免許の適性検査では中型自動車免許以上の取得時と同様、視力の遠近感を見る。

2007年6月の道路交通法改正により中型自動車(自衛官以外は20歳以上)の運転免許区分ができたことに伴い、自衛隊内の指定自動車教習所で使用される大型教習車が中型自動車に該当することから、法改正後に免許取得した自衛官は自衛隊内で大型自動車免許を取得しても操縦できる大型自動車は自衛隊車両に限定(「大型車は自衛隊車両に限る」という条件の付された運転免許が発給される)され、都道府県公安委員会による運転免許の限定解除審査に合格しない限り民間の大型車を運転することはできない。
自衛官の地位

海上自衛隊の(甲)階級章
(幕僚長)
将補1佐2佐3佐

1尉2尉3尉准尉曹長1曹

2曹3曹士長1士2士候補生


階級詳細は「自衛隊の階級」を参照

陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊の自衛官の階級は自衛隊法第32条により、それぞれ陸将、海将、空将を最高位とし、16階級が定められている。所属及び階級と制服に合わせ、それぞれ階級章も定められている。

昇任については、昇任に要するまでの在職期間の原則が定められており、2士では6か月であるが、1佐では6年となっている。これらの期間は、勤務評定や職務上の功労、殉職等の状況に応じ短縮されることがある[18]。また、普通退職や定年退職で勤務成績が優良な場合や、公務負傷による退職等の場合も特別昇任が行なわれる[19][20][21]

自衛官の階級等区分陸上自衛官海上自衛官航空自衛官略称定年[注 9][注 10]
[注 11]
幹部将官統合幕僚長たる陸将統合幕僚長たる海将統合幕僚長たる空将統幕長62歳
陸上幕僚長たる陸将海上幕僚長たる海将航空幕僚長たる空将陸幕長・海幕長・空幕長
陸将海将空将60歳
陸将補海将補空将補将補
佐官一等陸佐一等海佐一等空佐1佐57歳
二等陸佐二等海佐二等空佐2佐56歳
三等陸佐三等海佐三等空佐3佐
尉官一等陸尉一等海尉一等空尉1尉
二等陸尉二等海尉二等空尉2尉
三等陸尉三等海尉三等空尉3尉
准尉准陸尉准海尉准空尉准尉
陸曹長海曹長空曹長曹長
一等陸曹一等海曹一等空曹1曹
二等陸曹二等海曹二等空曹2曹54歳
三等陸曹三等海曹三等空曹3曹
陸士長海士長空士長士長任期制
一等陸士一等海士一等空士1士
二等陸士二等海士二等空士2士
市街戦訓練を行う陸上自衛官

自衛隊法第32条では、一等、二等(正式)といった階級の字に漢数字が用いられている。公用文作成の要領(昭和27年内閣閣甲第16号〈依命通知〉)第3 書き方について 3. に従い、数字を横書きにする場合はアラビア数字を用いて「1等」などと書くため、それに従って表記している。

統合幕僚長たる陸将、海将又は空将は、自衛隊法(第32条)上の階級ではないが、防衛省設置法第21条第2項後段により、自衛官の最上位にあるものとされている。階級章も通常の章と異なり、階級の英訳も大将に相当するものが用いられている。


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