自由民主党_(日本)
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所有者は一般財団法人自由民主会館[158]。延べ床面積は約1万5600平方メートルで大規模な本部ビル[注釈 17] ではあるが、約1万6000平方メートルある日本共産党本部の方が大きく、日本最大ではない[159]。設計は同党参議院議員(当時)で建築士の石井桂が、施工は同党参議院議員(当時)の鹿島守之助が会長を務めていた鹿島建設がそれぞれ担当した[160]

自由民主会館が竣工するまでは東京都千代田区平河町砂防会館本館2・3階を党本部として賃借していた。東京オリンピック開催に伴う国道246号の拡幅工事で立ち退きが必要になったため、同様に立ち退きを迫られた日本社会党(後の社会民主党)と共に国有地を割り当てられたという経緯がある[161]。詳細は「砂防会館#砂防会館と政治」を参照

衆議院が所有する国有地約1,320平方メートルを、無償で、衆議院議員用の駐車場として利用しているが、「他党の衆議院議員の利用は、警備上の理由などで断っている」という[156][161]
参議院自由民主党

参議院自由民主党は各種業界・団体代表者の割合が高く、このためもあって派閥に対する帰属意識が衆院に比べて弱い。1989年(平成元年)の第15回参議院議員通常選挙で大敗、過半数割れして以降、自民党の参院勢力は常に過半数割れか、もしくは半数ギリギリの状況であるため、参院対策が重要視されている。「ねじれ国会#2012年衆院選後」および「第23回参議院議員通常選挙#選挙結果」も参照

参院自民党の執行部人事は総裁の専権事項ではなく、参院議員会長の指名により決定する。ただし、会長が所属する派閥の領袖たる衆議院議員の指令で決定してしまい、結果的に長老支配や密室政治の温床となることもある。詳細は「参議院議員団#自由民主党」および「自由民主党の派閥#評価と弊害」を参照

また、閣僚人事も派閥領袖より参院議員会長・参院幹事長の意向が優先される参議院枠が存在する。特に、参院議員会長の影響力が強いと総理総裁の人事権や派閥力学を超えて、閣僚人事権を事実上支配することもある。詳細は「参議院枠#概要」および「青木幹雄#参院のドン」を参照

参議院合同選挙区(合区)について、一票の格差最高裁判決を受け入れて2015年(平成27年)7月に4つの選挙区を2つに合区することを受け入れたものの(旧鳥取県選挙区及び旧島根県選挙区鳥取県・島根県選挙区、旧徳島県選挙区および旧高知県選挙区徳島県・高知県選挙区)、「2016年(平成28年)参院選から実施された後は、問題が多い」として憲法改正を含めた上での合区解消を主張している。
離党と賞罰

一般党員の場合、毎年5月以降に所属の支部を通じて党費の請求を行い、その年の年末(12月28日)までに納入が確認できなければ、自動的に離党扱いとなる。

現職国会議員が離党する場合、幹事長宛に離党届を提出[注釈 18] し、党紀委員会において処分の対象にならないことを確認した上で了承を得る必要がある[162]。地方議員は都道府県支部連合会会長宛てで同様の手続きを踏む。党紀委員会または県連会合で了承されないときは処分の対象となり、その場合多くは除名となる。また議員及び党員が汚職または選挙違反などの刑事事犯により逮捕された場合は、判決確定まで党員資格停止とし、禁固以上の有罪判決が確定したときは無条件で除名に切り替える[163][注釈 19]。不起訴、起訴猶予になったとしても自民党の名誉を傷つけたと判断されれば処分の対象にすることができる[164]

このほか、党紀委員会の処分としては重い順に、除名、離党勧告、党員資格停止、公認取り消し、国会・政府での役職停止、党内役職停止、幹事長厳重戒告、党則遵守勧告がある[165]。また、幹事長が出せる処分としては国会・政府での役職停止の前に「辞職勧告」をすることができる[166]

このうち、党員資格停止、党内役職停止は最大2年までの期限付きとする[167]。離党勧告は期限を付けることができる。期限付きとなった場合、その期限までに離党届が提出されたときは党紀委員会でこれを了承しなければならず、将来の復党の可能性も与えられる。提出されない場合は除名処分に切り替わる[注釈 20]。詳細は「郵政造反組復党問題#11名の無所属議員の復党へ」および「衛藤晟一#来歴・人物」を参照

一度離党した議員が復党を希望する場合は、入党申込書を県連ではなく幹事長、場合によっては総裁宛に提出し、最低でも党紀委員会の審査を受けて了承されなければならない[168]。この時、除名処分を受けていると原則として二度と復党できず[注釈 21]、同時に所属していた自民党会派も退会となる[注釈 22][注釈 23]
定年制と衆議院総選挙比例優遇

定年制を設けており、衆議院比例区候補は73歳、参議院比例区は70歳の定年制を設けている(ただし、例外が適用されて衆議院は73歳以上、参議院は70歳以上の議員が比例区で公認される場合もある)。

衆議院総選挙の比例区でコスタリカ方式の候補者を除いて、比例名簿上位登載は連続2回までとなっている[注釈 24]
地方組織 

自民党は衆議院小選挙区参議院選挙区ごとに選挙区支部、基礎自治体ごとに支部(地域支部)を擁する[169] ほか、一定の職域ごとに職域支部(しょくいきしぶ)を設置することができる[170] とされており、47都道府県ごとにこれら支部を束ねる連合会を設置している。会員は党員と、全ての党所属議員。都道府県支部連合会は通常、県連(けんれん、1都1道2府以外の43県)、都連(とれん、東京都)、府連(ふれん、大阪府と京都府)、道連(どうれん、北海道)などと省略される。

県連会長は、現職国会議員から選出することを原則とする。県連が分裂状態になって前会長が辞任した場合など、やむを得ない時は都道府県議会議員から選出した例もある。県連幹事長は地元の都道府県議会議員から選出するのが通例である。県連総務会長、政調会長は都道府県議会議員だけでなく、同一県内にある政令指定都市の市議会議員からも選出されるが、東京都連のように幹事長以外が全て国会議員という例も可能である。
選挙区支部

衆議院選挙区支部は、小選挙区選挙で勝利した現職議員を支部長とするのが基本だが、比例復活当選した議員、および次回総選挙における小選挙区公認予定者も所属する。ただし、比例復活者に対しては「支部長選任基本方針」[171] とよばれる内規に基づき、毎年審査が行われる。「重複立候補制度#自由民主党」も参照

小選挙区での敗北が1回の者については選挙終了後に選挙区支部長に再任するが暫定的なものとし、1年後に活動内容の審査を行い総裁と幹事長の許可を得て正式なものとなる。直近2回以上連続で小選挙区敗退し比例復活となった者については、次の総選挙まで1年ごとに審査を繰り返し、最悪の場合は支部長交代という形で政界から引退させることも視野に入れる。直近2回連続で小選挙区敗退、比例復活もできずに落選した者は、以後原則として自民党の公認を受けることができなくなる。ただし2回連続小選挙区敗退時に40歳以下の若い候補者[注釈 25] や、立憲民主党、日本維新の会など野党の対立候補者が際立って強い地盤を持っている選挙区[注釈 26]、前回の選挙で僅差の接戦を演じて敗れた[注釈 27]、または前回選挙時に野党公認だった現職の自民党への鞍替えを地元が拒否したりなど特段の事情がある場合は考慮する。

支部長選任基本方針は衆議院総選挙の終了後に改正されるのが慣例となっており、最近では2017年(平成29年)11月に改正された。この改正では2回以上連続で比例復活した者は次回選挙での重複立候補を認めないとする新たな原則が決定された[172][173]


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