自由民主党総裁
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[注釈 12]2012年
2015年
2018年第46回(2012年)
第47回(2014年)
第48回(2017年)第23回(2013年)
第24回(2016年)
第25回(2019年)第18回(2015年)
第19回(2019年)22012年9月26日-2015年9月8日
32015年9月8日-2018年9月20日
42018年9月20日-2020年9月14日
2625菅義偉
2020年9月14日
2021年9月29日無派閥2020年12020年9月14日
2021年9月29日
2726岸田文雄
2021年9月29日


岸田派2021年第49回(2021年)第26回(2022年)第20回(2023年)12021年9月29日-現在

就任条件

党則上、国会議員(衆議院議員・参議院議員)の自民党員全員に総裁の就任資格はあるが、現実問題として実績がない者が総裁選挙に出馬したところで選出される役職ではない。

田中角栄は総理総裁の就任条件(総裁選への出馬条件)として、「党三役のうち、幹事長を含む二役(つまり他に総務会長または政調会長)、内閣で外相蔵相(現在の財務相)、通産相(現在の経済産業相)のうち2閣僚」(の経験者であること)を挙げていた。この最低4つを歴任しさえすれば必ず総理総裁になれるというわけではないが、総理総裁候補の実力者なら経験していて当然の要職と考えていたと思われる。

野田聖子衆議院議員(1993年初当選、安倍晋三と同期)も、2009年の総選挙で民主党への政権交代により自民党が下野した際に、女性初の総理大臣を目指して同年の総裁選に出馬しようとしたが、後見役の古賀誠から同様に「資格は小選挙区出で三役経験者だ」と言われ止められたという[13](この総裁選挙では谷垣禎一河野太郎西村康稔の3人が出馬し、谷垣が当選した)。三角大福(三木武夫、田中角栄、大平正芳、福田赳夫)の4人はこの条件を一応充足していた。

しかし、鈴木善幸以降は条件に該当しない総理総裁が多くなりつつあり、田中が挙げた条件全てを満たした自民党の議員は、安倍晋太郎三塚博桜内義雄橋本龍太郎麻生太郎茂木敏充の6人、条件に該当した状態で総理総裁に就任したのは橋本だけである(安倍晋太郎は党三役すべて歴任、麻生は総理総裁退任後に財務相となり条件を満たした)。宮澤喜一は通産相、外相、蔵相、内閣官房長官、副総理、党の総務会長などを歴任しているが、党の幹事長職のみ就任していない。森喜朗は党三役はすべて歴任し通産相も歴任しているが、外相もしくは蔵相は歴任していない。逆に海部俊樹小泉純一郎福田康夫菅義偉は条件として挙げられた党の役職も閣僚も一切経験なし、安倍晋三は幹事長のみで内閣官房長官以外の閣僚経験なし、岸田文雄は政調会長および外相のみの経験で総理総裁となった。

自民党歴代総裁の在職日数上位5名(池田勇人、佐藤栄作、中曽根康弘、小泉純一郎、安倍晋三)の内、田中の条件に該当している者はいない(ただし自民党の前身の自由党時代を含めると池田勇人と佐藤栄作は充足している)。田中はロッキード事件で無罪を勝ち取った後の復帰を念頭に、三角大福世代からの世代交代の動きに釘を刺すことに執心しており、その一環としての条件主張でもあった。田中自身より年上の鈴木善幸(条件ポストの経験は総務会長のみ[注釈 13])や、田中と同年齢の中曽根(党三役条件は満たしたが外相および蔵相を未経験[注釈 14])については、総裁に擁立する立場に回っている。

条件からは除外されている内閣官房長官は、当時から内閣の要職であったが、田中が田中派内の世代交代を抑えようとする上で念頭にあった竹下登が官房長官経験者であるのに対して、田中自身は未経験であった。2000年以降は、特に副総理扱いの閣僚がなければ、官房長官を内閣総理大臣臨時代理第1位事前指定者とする慣行がある。また、2007年に総裁となった福田康夫が選挙対策委員長(選対委員長)を党三役と同等のポストとして格上げして総裁指名としたことによって、それ以降は選対委員長を含めた党四役が党三役に代わって自民党執行部の中枢となった(ただし、谷垣禎一が総裁の時代(2009年?2012年)には選対委員長が格下げされ、従来の党三役が執行部の体制となっていた)。

ちなみに現職の自民党総裁で重複立候補した者は2000年の衆院選石川2区で圧勝した森だけである(現職の総理大臣が重複立候補した例は森と民主党政権時代の野田佳彦のみ。森は小選挙区比例代表並立制導入以降、自身が比例候補定年73歳未満だった1996・2000・2003・2005・2009年と5回連続で重複立候補し全て小選挙区勝利している)。小泉の総裁時代に行われた2005年の衆院選では、自民党神奈川県連会長の河野太郎が小泉に比例南関東ブロック神奈川第11区へ重複立候補することを要請していた。理由は、「比例での自民票上積み」とされる。しかし、重複すると小泉の顔を使った自民党の選挙ポスターが同ブロックの神奈川、千葉、山梨3県で貼れなくなるという公職選挙法の問題があったため、重複立候補は取り止めとなった。このような理由があるために、現在に至るまで総理総裁職にある者は基本的に重複立候補していない(逆に、退任した総理総裁は比例73歳定年制に該当しない限り重複立候補する)。

なお歴代総裁は自身の不祥事により形式的に離党した人物を除けば、ほとんどが初当選時から引退時まで一貫して自民党およびその前身となった政党に所属しており、総裁就任前に他党に所属していた経歴のある者は鈴木善幸日本社会党などに所属)と河野洋平(自民党を離党し新自由クラブを結成)のみ、就任時点で自民党離党歴のある総裁は河野ただ一人で総理総裁に就任した者は皆無となっている。なお、自民党以外の政党に所属した経歴または離党歴がある状態で総裁選に立候補した人物としては小池百合子石破茂(4回立候補)、高市早苗野田聖子がいるがいずれも当選には至っていない。このうち、石破については盟友関係にある村上誠一郎が「党を出た過去があることがつらいところだ」[14]と述べるなど、自民党を離党して新進党に参加した経歴が総裁就任への足かせになっているという見方も存在する[15]。また、総裁退任後に自民党を離党して他党に参加した例は海部俊樹(自民党を離党し新進党党首などを歴任、後に自民党復党)のみにとどまっており、離党していた間は下記にもある通り自民党本部8階ホールにある歴代総裁の肖像画のうち海部のもののみ外されていた。安倍晋三は2度目の総裁就任前の2012年に日本維新の会へ合流し党首に就任することを持ち掛けられた際に「総裁経験者が離党することはない」として拒否したとされている[16]
総理・総裁分離論

自民党が与党である場合、自民党総裁はほぼ自動的に内閣総理大臣へ就任し、総裁は総理を兼任する。これは、内閣総理大臣指名選挙(首班指名)で自民党国会議員から内閣総理大臣を選出する場合、過去の特殊な例外(後述)を除き、現職の総裁に投票する原則となっているためである。しかし、首相権力の分散、責任の分担、党内融和の観点から、総裁以外の自民党議員を首相に就任させるという、総理・総裁分離案(総総分離案)の議論が、過去に何度か浮上している。


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