実証を支える精密な実験や実験解析方法の進展に加え、理論を展開する土台となる数学手法も構築され、オープンに科学の成果を交換しえる場(王立協会、フランス科学アカデミー等)も登場した。また同時期に学術雑誌が登場し、ジャーナル・アカデミズムが確立した。新たな知識は、公開の場で討論され鍛え上げられていくようになり、科学成果は、発見者の占有物ではなく万人の知的共有財産となることになった[注 5]。このように知識が効率的に共有されるシステムが築かれたことが、その後、科学知識が膨大に蓄積されていく原動力となった。これらすべてを可能たらしめるシステム全体が近代自然科学の営為である。 知識をある基本法則に帰着させる方法論は還元主義と呼ばれることがある。この語が否定的トーンで語られることの多いのは、「科学技術」という応用面の発展も促して人類への貢献も大きなものがあったものの、生命の起原や生物社会の成り立ちなどこの方法では説明が困難な対象も存在するからであろう。近年、これらの対象を素因子が相互作用する場として捉えることでその成り立ちを理解・説明しようとする複雑系の手法も成立しつつある。ここでの方法論は還元主義のそれとは違うアプローチをとっており、自然科学および経済活動など社会科学の分野でこれまで説明困難であった事象の理解がすすむのではないかとも期待されている。 物理学は、おもに無生物界 化学は、物質を研究対象とし、原子・分子を物質の構成要素と考え、物質の構造・性質・反応を研究する分野である。日本では幕末から明治初期にかけては舎密(せいみ)と呼ばれた。 天文学は、天体や天文現象など、地球外で生起する自然現象の観測、法則の発見などを行う分野。地球科学や物理学の一分野とされることもある。 地球科学は、地球を研究対象とした分野であり、内容は地球の構造や環境、歴史などを目的として多岐にわたる。近年では太陽系に関する研究も含めて地球惑星科学ということが多くなってきている。 生物学は生物や生命現象を研究する分野。広義には医学や農学など応用科学・総合科学も含み、狭義には基礎科学(理学)の部分を指す。 自然科学分野の教育は、現代の日本の小・中・高では「理科」という名の教科で行われている。初等・中等教育などでの自然科学教育のことを「理科教育」と呼んでいる。 日本の大学では、主に理学部・理工学部・医学部・歯学部・薬学部・獣医学部・農学部・水産学部(また工学部)などが教育研究をおこなう。放送大学には(教養学部教養学科(学士(教養))・自然と環境コース、大学院修士課程(修士(学術))・自然環境科学プログラム、博士後期課程(博士(学術))・自然科学プログラム)と自然科学の学士課程のコースや修士と博士課程のプログラムもあるので、学生として学費を納めて履修し単位を取得することも出来、また、単位が不要であれば、学生登録もせず放送を無料で視聴して学ぶこともできる。 ケンブリッジ大学ではNST(Natural Sciences Tripos)で学ぶことができる。 米国のいくつかの大学が自然科学を学ぶための無料オンラインコースを設けている[13]。たとえばカーネギーメロン大学は、「バイオケミストリー」「現代生物学」。マサチューセッツ工科大学は、「生物学基礎」「(物理I)古典力学」「(物理II)電気と電磁気学」。タフツ大学は「遺伝学」「現代物理入門」。
近年の方法論
還元主義と複雑系
分野詳細は「学問の一覧#自然科学」を参照
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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