自然科学
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デカルトはそれまでの数学的な解析を代数的なものに転換するのに大きな役割を果たしたことに加えて、自然哲学において分析概念に枢要な地位を与えた[10]。分析を総合と対比させつつ深化させた人物としてニュートンは特筆に値する[11]。ニュートンは実験科学についての主著とされる『光学』の末尾に添えた「疑問」(Queries)の章において、次のように論じた[11]。数学と同様、自然哲学においても、難解なことがらの研究には、分析の方法による研究が総合の方法に先行しなければならない。この分析とは、実験と観察を行うことであり、またそれらから帰納によって一般的結論を引き出し、そしてこの結論に対する異議は、実験あるいは他の真理から得られたもの以外は認めないことである[11]

また、総合については次のように述べた。総合とは、発見され、原理として確立された原因を仮に採用し、それらによってそれらから生じる諸現象を説明し、その説明を証明することである[11]

こうした分析と総合に関する説明には、同国人のベーコンの考え方が大きく影響している[11]。ニュートンによって、分析と総合の対概念が、批判的帰納法を介しつつ明確に自然科学にまで拡張されたと言うことができる、と佐々木力は指摘した[11]

実証を支える精密な実験や実験解析方法の進展に加え、理論を展開する土台となる数学手法も構築され、オープンに科学の成果を交換しえる場(王立協会フランス科学アカデミー等)も登場した。また同時期に学術雑誌が登場し、ジャーナル・アカデミズムが確立した。新たな知識は、公開の場で討論され鍛え上げられていくようになり、科学成果は、発見者の占有物ではなく万人の知的共有財産となることになった[注 5]。このように知識が効率的に共有されるシステムが築かれたことが、その後、科学知識が膨大に蓄積されていく原動力となった。これらすべてを可能たらしめるシステム全体が近代自然科学の営為である。
近年の方法論
還元主義と複雑系

知識をある基本法則に帰着させる方法論は還元主義と呼ばれることがある。この語が否定的トーンで語られることの多いのは、「科学技術」という応用面の発展も促して人類への貢献も大きなものがあったものの、生命の起原や生物社会の成り立ちなどこの方法では説明が困難な対象も存在するからであろう。近年、これらの対象を素因子が相互作用する場として捉えることでその成り立ちを理解・説明しようとする複雑系の手法も成立しつつある。ここでの方法論は還元主義のそれとは違うアプローチをとっており、自然科学および経済活動など社会科学の分野でこれまで説明困難であった事象の理解がすすむのではないかとも期待されている。
分野詳細は「学問の一覧#自然科学」を参照
物理学

物理学は、おもに無生物界の現象を的関係として把握し、無生物界を支配する法則数式で表現し、数学的に推論することを特徴とする部門である[12]
化学

化学は、物質を研究対象とし、原子分子物質の構成要素と考え、物質の構造・性質・反応を研究する分野である。日本では幕末から明治初期にかけては舎密(せいみ)と呼ばれた。
天文学

天文学は、天体天文現象など、地球外で生起する自然現象の観測、法則の発見などを行う分野。地球科学や物理学の一分野とされることもある。
惑星科学

惑星科学は、惑星を研究対象とし、地球科学を含む。

地球科学は、地球を研究対象とした分野であり、内容は地球の構造や環境、歴史などを目的として多岐にわたる。近年では太陽系に関する研究も含めて地球惑星科学ということが多くなってきている。
生物学

生物学生物や生命現象を研究する分野。広義には医学農学など応用科学総合科学も含み、狭義には基礎科学理学)の部分を指す。
教育・学習
日本

自然科学分野の教育は、現代の日本の小・中・高では「理科」という名の教科で行われている。初等・中等教育などでの自然科学教育のことを「理科教育」と呼んでいる。

日本の大学では、主に理学部理工学部医学部歯学部薬学部獣医学部農学部水産学部(また工学部)などが教育研究をおこなう。


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