溶岩流は流速が遅く人が直接飲み込まれることはそれほど多くないが、周囲の土地を飲み込んだ場合そのまま固化して岩石となるため、農地や住宅地が呑み込まれた場合使用不能となる[9]。火山ガスは高温の上二酸化炭素、二酸化硫黄、硫化水素などの有毒な気体が多く含まれ、また酸素が少ないため、有毒成分の吸入や酸欠によって人間が死亡することも珍しくない。火砕流は高温の上非常に速度が速く、発生した場合多数の人々が死亡することが多い。積もった灰が雨などと一緒に一気に流れる火山泥流も同様に直接的な被害が大きく、火砕流と並んで非常に危険である[10]。
こうした直接の噴出物のほか、噴火によって山体崩壊が起こった場合、多数の人命が失われることが多い。さらに山体崩壊が海の近くで起こった場合には大量の土砂がそのまま津波を起こし、対岸にも巨大な被害を与える。この山体崩壊による津波としては、1792年の雲仙岳の噴火によって眉山が山体崩壊を起こし、対岸の肥後を大津波が襲った島原大変肥後迷惑などが知られている[11]。 地震による災害は震災と呼ばれる。まず地震そのものの揺れによって巨大な被害をもたらすほか、地形そのものが隆起や沈降したり、地割れを起こしたり、あるいは地盤沈下や液状化現象などを起こして建造物などを破損する[12]。地震発生時にはこの衝撃に伴う火災もしばしば発生する。しかしなによりも、地震に付随する災害として最も大きなものは津波である。地震に伴う津波は大被害をもたらすことが多く、2011年に起きた東日本大震災においては死亡者の約9割以上が津波による死者であったとされる[13]。津波は建造物や人命の直接被害の他、津波の去った土地に塩害をもたらす[14]。 土砂災害の多くは地震や大雨などによって引き起こされ、地すべりやがけ崩れなどの斜面崩壊、土石流などが含まれる[15]。斜面崩壊は崩壊部分の深さによって深層崩壊と表層崩壊にさらに分けられる。大規模な土砂災害の場合、山そのものが山体崩壊を起こすことや、大量の土砂によって河道が閉塞し天然ダムを形成することもある[16]。 そのほかの地質災害としては、地下水位低下によって地盤が沈降し浸水などを引き起こす地盤沈下や、石灰岩質の地層中で侵食が進行し突然地表が陥没するシンクホール(ドリーネ)、土壌や地盤などの侵食、深い湖の底から二酸化炭素が大量に噴出することで広範囲にわたる窒息を引き起こす湖水爆発などがある[17]。
地震
土砂災害
その他
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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