自殺
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

看板から電話相談が相当数行われて、保護された人たちも確認されている[40][41][42]。駅で青い照明を使用する誘導効果ナッジによって、2000年から2010年の間に自殺者数が約84パーセント低下した[43][44]。多くの自殺の名所を調査した研究において、柵による効果で93%、相談用電話番号が掲載された看板で61%減少することが確認された[45][46]
オンライン
インターネットの自殺掲示板において自殺方法を模索する群もあるが、説得する方法の模索などを行う援助群や自殺念慮を克服したい相談者群なども活動しており、すべての群において自殺願望を低下させていた[47]
医学的な診断について


SABCS: 自殺に関する感情・行動・認知スケール[48]

コロンビア自殺重症度評価尺度(英語版)

自殺兆候
詳細は「en:Suicide crisis」、「en:Suicidal ideation」、「自殺兆候」、および「自殺念慮」を参照人が死にたいと思うことはよくある事であり、自殺したいと願う気持ちを自殺念慮(希死念慮)、精神分析学者のフロイトデストルドーと名付けられている。しかし、自殺という行動を計画し実行に移す人は稀である。実際に実行に移すまでに至る人は、ほとんどのケースで自殺前に周囲の人がわかるような兆候を示しており、兆候もなく亡くなるケースは稀である[49][50][51][52]。自殺に至る兆候としては、以下の例がある[53]
うつ病をはじめとする精神疾患。WHOのデータで自殺者の約 97%に精神疾患の兆候が見られたとしている。また、うつ治療薬の副作用に自殺念慮を起こすものもあり、米国などでは薬剤の処方と共に副作用に自殺念慮があること、家族に自殺予防のための注意書きを添えることが義務化されている場合がある[54][55]

原因不明な心身の不調。

アルコールなどの大量摂取。

安全や健康に気を使わず自暴自棄。体重の急な増加・減少[56]

仕事の増加、重責、ミスの増加や大きなミス、失職。

孤立、サポートの無い状態。いじめ。屈辱や不名誉。

本人にとって重要な何かしらの喪失(家族や親友の死など)。

大病。癌性疼痛、慢性疼痛を伴う疾病(帯状疱疹後神経痛,術後痛,他、身体が不自由になる疾病など)。

自殺を望む言動。自殺に至る情報の収集。自殺の計画。自殺を仕向ける言動を受ける。

自殺抑制要因
自殺についてアンケート調査を行った公益財団法人日本財団によると、以下の要因で抑制されるとしている[57]
自己有用感:家族の中に居場所がある。誰かの役に立つことが出来て、感謝される。

問題解決力:問題を解決する能力がある。

共感性:人同士は共感し相互理解できると考える。相談したり、相談を受けることができる。

住んでいる場所に、ずっと住んでいたいと思える。
自殺を思いとどまった理由。
我慢:自殺を本気で考える時間は、長くて数十分程度とされている。この時間を我慢すれば乗り切ることができる。

家族や恋人、親しい人が悲しむ。

将来を楽観視:人生、生きていればなんとかなる。

自殺しようとして失敗した。:自殺未遂の結果、半身不随や脳障害など、その後の人生に関わる障害になる場合も多い。最悪、自殺も出来ない状態に置かれる。

相談して説得された。
自殺が少ない地域について研究している統計数理研究所の岡檀は、路地が多い地域で自殺率が低いことに着目し「路地では人と人のコミュニケーションが自然と促されているとか、周囲の異変に気付きやすいなど、いろんな理由が考えられます。コミュニティをよい状態に維持するには、やはり問題の早期発見が大事なんですけれども、それがなかなかできないために家庭内暴力や児童虐待が重症化して、また非常に悪化してからでないと表面化しないというようなことが、自殺が少ない町では起きにくいわけです」。と述べている[58]。また、日本で最も自殺の少ない海部町(2006年に海陽町に合併)についての研究もしており、以下の5つの特徴を上げている[59][60]
人は人でいろんな人がいたほうがよい。(多様性を尊重)。

人物本位主義で、リーダーは問題解決能力や人柄を重視し、グループを作っても入退会が自由でイジメなどの悪い慣習ができない。

自己肯定感が高く、政治参画にも積極的で自分たちで問題を解決しようという意欲がある。(自己有用感と問題解決力がある)。

助けを求めよ、病は市に出せ:なにかしら問題があった時は、ほかの人と相談する傾向がみられ、相談した相手も押しつけず人を尊重する。うつ受診率も高く、軽度の段階で受診する。

人と人のつながりが薄い。他人は他人であり、深いつながりは構築せず、淡白で放任主義。困ったらアドバイスなどの過不足のない援助を行う。

自殺を止めた具体例
自殺を思いとどまった有名人


庵野秀明 - TVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』放映後の誹謗中傷や殺害を意図する電子掲示板を見たことから、2回自殺未遂に至った事実を告白し、「死ぬのは別にいいんだけど、死ぬ前に痛いのは嫌だ」。と踏みとどまった。その後は、『シン・ゴジラ』や『エヴァンゲリオン』の劇場版など、多くの作品の監督を務めた[61]

徳川家康 - 桶狭間の戦いで負け、将来を悲観した家康は先祖が納められた墓の前で切腹を試みようとしたが、寺の住職に「厭離穢土欣求浄土(戦乱の穢土(えど)から、戦の無い浄土を求めよ)。そうすれば仏の加護も得られよう」。と諭され、以後、その言葉を旗印に掲げ、長きに渡る戦乱のない江戸(えど)時代を築いた。

桂元澄 - 戦国武将で主君である毛利元就謀反を起こしたメンバーの一人。謀反が失敗した際に自刃しようとしたが元就に説得され思いとどまった。その後、功績を上げ、毛利家の忠臣として仕えた。子孫にも恵まれ、維新の三傑である木戸孝允(桂小五郎)、首相にもなった桂太郎がいる。
次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:370 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef