自動車
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当時の自動車所有者はほとんど入会したためにその影響力は大きく、自動車税の決定など行政的な業務も行なった[46]

その後も華族エスタブリッシュメントハイカラたちを中心に、日本の自動車文化は形成されていった。戦前の著名な自動車愛好家に、三井高公細川護立鍋島直泰小早川元治福澤駒吉白洲次郎藤山一郎などが知られている。戦後に入ってもなお、伝統的な西洋式の自動車趣味は多くの人物によって継承され、失われることはなかった。小林彰太郎式場壮吉福澤幸雄徳大寺有恒夏木陽介などは、そういった際に名が挙げられる著名人である[34][47]。中でも自動車評論家の小林彰太郎は、自身がライオン創業者の一族出身でありながらも自動車評論家を生業とし、1962年に雑誌『CARグラフィック』(現・カーグラフィック)を創刊。当時では大衆の高嶺の花であった輸入車の魅力を積極的に発信し、また自身も英国流の自動車趣味を実践したことで、日本における自動車文化の普及に貢献した[48]

第二次世界大戦後に日本を占領した連合軍は自動車の開発を制限し、特に乗用車は事実上の禁止となった。この制限は1949年(昭和24)に解除され、1952年ごろからは先進国のメーカーと技術提携して外国車をノックダウン生産、しだいに国産化して技術の吸収に努めるメーカーが増えていった[49]

1960年代以降一般大衆に自動車が普及するようになると、サブカルチャーとしての側面も現れはじめる。中でもチューニングカーVIPカー痛車などのカスタム文化は現在では世界中に影響を与えるまでに発展している[50]。また、この文化は非常にユニークなものである一方で、速度超過、違法改造走り屋暴走族といった各種違法行為、或いは騒音、運転マナーの悪さといった迷惑行為との関連が少なからずあり(これもまた一種の文化と化している)、そういった面から自動車に対して不良なイメージを連想させることがある[51](「VIPカー#マイナスイメージ」も参照)。これらの文化の形成過程については、「チューニングカー#日本における歴史」などを参照のこと。

日本は、草創期から自動車生産を開始し[注 2]、また同じく草創期から外国車を比較的多く輸入していたこと、或いは戦後の国産車の普及などもあって自動車と接する機会は多く、ヨーロッパやアメリカに次いで自動車文化が定着しやすい環境にあった[8][46] 。そのため他のアジア各国やアフリカ諸国と比べて文化が十分成熟の域に達していると言える[52]軽自動車やチューニングカー、(見世物としての)ドリフト走行などは日本発祥であり、1970年代にはスーパーカーブームも到来している。上記でも触れたようにカーマニアを対象とした自動車雑誌やテレビ番組も多数ある(「Category:日本の自動車雑誌」、「Category:自動車番組」を参照)。ただし近年の日本では、カーマニアと一般大衆の間における自動車に対する興味の差が非常に大きくなっていることも指摘されている[53]

CCC会長の増田宗昭は、「プレミアエイジ(60歳以上の富裕層)」の人々に自動車を楽しんでもらいたいとして[54]、同社が展開する商業施設において自動車関連の展示会やイベントを頻繁に開催しており、また一方では、カー用品店「オートバックス」に対して、生活提案型商業施設のコンセプトを取り入れた店舗づくりも行っている。このように、近年の日本における自動車関連産業では、店舗内にカフェを設置したり、より集客の見込める場所に店舗を設置することで、自動車に興味のある人以外も取り込んでいこうとする姿勢が見られている[55]

トヨタ自動車会長豊田章男は、「愛車」にこだわる理由として、”数ある工業製品の中で『愛』がつくのは自動車だけだから”であるという[56]。例えば冷蔵庫を「愛機」とは呼ばず、家は「愛家(ラブホーム)」ではなく「マイホーム(私の家)」と呼び『愛』はつかない、と述べている[56]
カーデザイン

自動車のデザインを手がける人物や工房については「カーデザイナー」、「コーチビルダー」、「カロッツェリア」をご覧ください。

カーデザインの重要性は自動車の誕生時から常に認識されており、自動車文化の形成にも大きな役割を果たしてきた。その変遷は製造技術の発達や空気力学の発展、或いは人々の思想などにも強く関わっている[57]

以下に並べるデザインの変遷は、あくまでも概略かつ主流を示しており、いずれの時代にもこれらに反するデザインや折衷的なスタイリングを持った自動車が見られるということには留意である。
1960年代以前のカーデザイン



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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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