駐車時に車体が動き出さないように拘束するパーキングブレーキはワイヤ式または空気式のものが多い。乗用車の場合はブレーキ装置を制動用のものと共用する構造がほとんどであるが、制動用のディスクブレーキの内周に拘束用のドラムブレーキを備えるものもある。従来貨物車ではトランスミッション(変速機)出力部にドラムブレーキを備え、プロペラシャフトを拘束するセンターブレーキが一般的であったが、法改正により常用ブレーキを兼用する「ホイールパーク式」/「マキシブレーキ」と呼ばれる、ホイールを直接拘束する方式に移行した。 運転者の座席は座部と背もたれを備えた椅子形のものが主流である。運転席の正面には操舵用のハンドルとアクセルペダルとブレーキペダル、あるいはクラッチペダルが備えられているのが標準的な自動車の構造である。ハンドルは円形が一般的だが、オート三輪ではオートバイやスクーターのような棒状のハンドルも存在した。また、腿まわりの空間的余裕が増える楕円形のハンドルを採用している車種もある。駐車ブレーキを操作する装置は、レバーを引き上げる方式のものが主流であるが、古いトラックやワンボックスカーでは杖状のレバーを車体前方の奥から手前に引き寄せる方式のものもある。また、近年では足踏み式のものや電気的に作動する押しボタン式も採用されるようになった。変速機の操作レバーはMTの場合はシフトレバー、ATの場合はセレクトレバーと呼ばれる。いずれの場合も運転席の脇、車体中央側の床に設置されているフロアシフトが大半を占める。古いタクシーやトラック、ワンボックスカーではステアリングコラムにシフトレバーを設置したコラムシフトのMTも多く存在した。一時期のAT車ではミニバンを中心に、ステアリングコラムにセレクトレバーを備える車種は珍しくないものとなっていたが、近年はインストルメントパネルにセレクトレバーを配置したものが多い。 自動車は人や物を輸送でき、また道路さえ整備されていれば様々な場所に行くことができる。これはかつての馬車で行われていた用途の継続でもあった。道路の全国的な整備が、先進国への仲間入りとも言える。 アメリカは、1908年に大衆車のパイオニアであるフォードT型を発売、1911年には自動車専用道路の先駆けとなるパークウェイが整備された。イタリアでは、1924年にミラノからヴァレーセまでの約50kmに、交差点のない幅10mのアウトストラーダを完成させている[26]。ドイツナチ党のアドルフ・ヒトラーは、1933年に「休日には低所得者層が自動車に乗ってピクニックに出かけられる」暮らしが必要であると提え、モータリゼーション推進を宣言[26]。アウトバーンの整備や伝説的大衆車フォルクスワーゲンビートルの開発に着手した。日本は、元々馬車文化が未熟であったために道路整備は難航したが[27]、戦後に入って首都高速道路が建設されるなど、欧米に劣らぬ勢いを見せた[26]。 他方の利用として、自動車を用いたサービス業が多様に存在し、市民の生活にとって大きな役割を担っている。これには大きく分けて「自動車で何かをする」形態と、「自動車に何かをする」形態がある。 前者の例として、旅客輸送や貨物輸送を行うサービス全般を運輸業と呼ぶ。旅客であればタクシーやハイヤー、またバスなどとして運営され、バスは多くの人員の輸送が可能であることから、形態に応じて路線バス、観光バス、高速バス、定期観光バスなどと様々なものがある。貨物輸送に関しては運送会社がトラックを用いて輸送する。直接的な輸送サービスの提供ではないが、自動車を賃貸するレンタカーやカーリースもある。 後者の例としては自動車の整備を行う自動車整備業、自動車への燃料補給などを行う水素ステーションなどがある。 国民の安全や治安維持のために、自動車を利用する例がある。 パトロールカー (パトカー) は、犯罪や交通違反の取り締まりのために使用される。パトロールを行うことで犯罪の抑制に繋がるという重要なメリットも持ち合わせている[28]。消防車は、火災その他災害に際してその鎮圧や防御を行う際に使用される。
運転装置
自動車の利用
乗用車としての利用「モータリゼーション」も参照首都高速道路
商用車としての利用街中のスクールバスとタクシー
緊急車両・特殊車両としての利用陸上自衛隊の救急車