自動車
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日本では有償での旅客運送に第二種運転免許の取得や事業用自動車登録が原則必須であり、自家用車によるライドシェアの展開は過疎地に限られていたが、2024年4月より限定的ながら解禁されることとなった[18]
機械の生産方式や人々の労働への影響

なお自動車で採用された大量生産の手法が、ライン生産方式という効率的な手法を、自動車産業に限らず様々な製造業において広めてゆくことになった。これは企業経営者にとっては好都合な手法であったが、それは同時に分業が徹底される結果を生み、工場で多くの労働者が、まるでただの機械や道具のように扱われ、同一の単調な作業ばかりを繰り返すことを強制され、働くことに喜びを見出しにくくなる、労働者に精神的な不幸をもたらすという負の事態も引き起こした。一時期はあまりに効率重視で作業の細分化がゆきすぎ、それこそひとりの労働者が、ボルトを1個?数個締める作業ばかりを繰り返すなどというひどい方式になってしまい、労働者への精神的な悪影響が大きくなりすぎ、それが学者などからも指摘されるようになり、その後長い年数をかけて、作業を細分化しすぎないように、ある程度はまとまった範囲の任務を与える、という方式を採用する工場も増えてきた。たとえば一人の担当者が、せめてエンジン部分はまとめて責任を持って一人で組み立てることで、その人なりに「自分の作品を仕上げた」と感じられるようにする、などといった方式である。
2000年代における技術開発の動向

中国など新興国の経済成長や人口増加で、世界全体の自動車販売台数は増えている。これに伴い化石燃料の消費増や大気汚染が問題となり、各国政府は自動車に対して排気ガスなどの規制を強化。自動車メーカーは温室効果ガスや大気汚染物質の排出が少ない又は皆無で、石油資源を節約できる低公害車の開発・販売に力を入れる。

近年は、公害地球温暖化の対策として、電気自動車燃料電池車等のゼロエミッション車の開発が進んでいる。特に2015年にフォルクスワーゲングループにて発覚した排ガス不正でディーゼルエンジンの悪影響が露呈されてから、欧州各国では近い将来ガソリン車およびディーゼル車などの販売を禁止する法案が賛成多数の情勢にある。オランダとノルウェーでは2025年、ドイツでは2030年に施行するべく、そうした法案が提出され始めている[19][20][21]

近年は情報通信技術(ICT)が急速に進歩している。このため自動車メーカーや大手ICT企業は、インターネットで外部と接続されたコネクテッドカーや、人工知能(AI)を応用した自動運転車の研究・開発も急いでいる。

かつてはSF作品中の存在であった「空飛ぶ車」の開発も進んでいる。日本では、トヨタ自動車グループの支援を受ける有志団体「CARTIVATOR(カーティベーター)が、2018年の試作機完成を目指していた[22]
分類・種類

自動車の分類法はいくつもあるが、おおまかに言うと、構造(ハードウェア)による分類と使用目的(ソフト)による分類がある[6]

理屈の上では使用目的と構造の組み合わせがマトリックス(縦横の表)のように多数あるわけだが、実際には全ての組み合わせが用いられるではなく、使用目的ごとに適している構造は(全ての構造ではなく)いくつかの目的に適した構造に絞られることになり、また多くの使用者・購入者から評価される典型的な組み合わせや傾向のようなものが生じ、ただしそれはまったく固定しているわけではなく、時代とともにそれが緩やかに変遷を経てきた歴史がある。

特定の国に限らない分類としては、基本的には、たとえば、目的によって「乗用車(数名の人を運ぶための自動車) / 貨物車(貨物を運ぶための自動車)/ 特殊な車(それ以外の目的の自動車)」と分ける方法がある。またたとえば、大きさによって「小型車 / 中型車 / 大型車」などと分ける方法が、基本的にはある。

なお自動車が登場する以前の馬車の時代に、馬車がその姿(形状)によって分類され、すでに分類法やその分類用語が確立していたので、(馬を排したとは言え)自動車の車体に関してもそれに沿った分類法が採用されてきた歴史がある。「セダン」「クーペ」「ワゴン」などという分類法はもともとは馬車の分類法を継承したものである。→#普通自動車の分類
法規上の分類

それぞれの国で法規によって排気量や車体の大きさ、輸送能力などによって分類されている。それが税区分や通行区分、運転免許の区分の基準とされる。

日本においては、道路交通法第三条により、大型自動車中型自動車準中型自動車普通自動車、大型特殊自動車、小型特殊自動車、大型自動二輪車普通自動二輪車の8種類に分類され、道路運送車両法第三条により、普通自動車、小型自動車軽自動車、大型特殊自動車および小型特殊自動車に分類されている。

日本では上位概念で「自動車」が明確に定義されており、動力(原動機、電動機など)により駆動される物や牽引される物は名前や形状に関わらず自動車とされる。一方でオーストラリアでは上位概念で自動車が定義されて無く、ピクニックテーブルにエンジンを取り付けた「エンジン付き移動式ピクニックテーブル」などの運行を取り締まる事ができずに、地元警察は「危険だから」という理由で運行しないことを呼びかけている[23]。「日本における自動車」も参照
統計上の分類

国際的な統計品目番号では第87類の「鉄道用及び軌道用以外の車両並びにその部分品及び附属品」に分類される[24]

トラクター(87.01) - 他の車両、機器又は貨物をけん引したり押すための車輪式又は無限軌道式の車両[24]

10人以上の人員(運転手を含む)の輸送用の自動車 (87.02) - 原動機付きバス、客車、トロリーバス及びジャイロバスを含む[24]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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