自動販売機
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しかし、ヘロン自身の発明なのか彼の師の発明を記述したものかは分かっておらず、この装置の発明者は不明である[6]。また、どのくらい広く用いられていた装置なのかもよくわかっていない[6]
イギリスイギリスのたばこ販売機(1931年)

現存している最古の自動販売機は、1615年のイギリスの煙草自販機で、居酒屋や宿屋に設置されていたものである[6]。箱の上部の硬貨投入口から半ペンスコインを投入すると蓋が開いて商品を取り出すことができる仕掛けであるが、蓋が開いたあとは手動で閉じる必要があり、宿の主人や使用人が蓋を閉めていたため実用的なものではなかった[7]

イギリスでは1857年にデンハムの郵便切手自販機に対して、初めて特許が付与された[8]
アメリカ

アメリカ合衆国では1884年にフルーエンの自動引出装置に対して特許が与えられた[8]

1888年にはトーマス・アダムスが自社製のガムを販売するための機械を開発して駅に設置した[7]。また、販売を促進するゲーム性を自動販売機に追加するアイデアは、1897年にPulver Manufacturing Companyによって小さなフィギュアおまけつきのものが設置された。このアイデアは売買活性機(trade stimulator)として知られる新しい仕組みとして広まっていき、スロットマシーンピンボールの誕生につながることになる。

1925年にはウィリアム・ロウによって異なる価格の多品種の商品を販売できる煙草自動販売機が開発され、一般にはこれによって近代自販機の歴史が始まったとされている[9]
日本現存する日本最古の自動販売機「自働郵便切手葉書売下機」(展示はレプリカ)。1904年(明治37年)に発明家の俵谷高七が作成した。逓信総合博物館の展示。1960年ごろの紙コップ式ジュース販売機(大英堂製パン店不動前デジタルサイネージ自動販売機 JX34(富士電機)ボタン操作を排し、47インチ液晶ディスプレイについたタッチパネルで操作する。
前面にカメラを内蔵しており、客の接近や自動認識した客の属性判断から、おすすめの商品を動的に変化させる機能を持つ。

日本では、物品の販売機ではないが、1876年(明治9年)に上野恩賜公園内にあった新聞縦覧所に自動体重測定器が設置された記録があるものの、製造者や設置期間などは不明である[7]

物品販売の自動販売機としては、1890年(明治23年)、小野秀三による自動販売機の特許(1888年3月出願、特許第848号)と俵谷高七による自動販売機の特許(1888年12月出願、特許第964号)の2件の特許がなされた[8][10]。このうち俵谷高七は、郵便局からの依頼を受けて器具類を製作していた長州藩(現・山口県)の下関の指物師で、1890年の第3回内国勧業博覧会への出品を果たした[10]。俵谷の自動販売機にはすでにスラグリジェクター(偽貨排除)やコインリターン(売切時の硬貨返却)の機能が搭載されており、当時の欧米の機器にも見られない先駆的なものであった[11]。俵谷が1904年(明治37年)に発明した「自働郵便切手葉書売下機」は、現存する日本最古の自動販売機とされ、逓信総合博物館に所蔵されており、また前述の煙草自動販売機が博覧会に出品されたことから、日本最初の自動販売機発明者としては俵谷の名前が広く知られている。

明治時代にはさまざまな自動販売機が製作されたが、単発的・実験的なものがほとんどで、一般に定着するレベルのものではなかった[12]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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