多くの自動改札機の通路の幅は55cmであり、路線バスの運賃箱の横の通路よりは広い。横に荷物を持ったままや小型の台車が通過できる。 ODデータのOはOrigin(出発地)DはDestination(目的地)を表し、ODデータとは発駅と着駅の組み合わせごとの利用者数を表すデータである。すなわち、「どこの駅から乗った旅客がどこの駅で下車したか」という資料である。このODデータを手作業で作ることは膨大な手間が必要で現実的ではない。しかし、改札機を使うことで作成が可能となる。 自動改札機の導入されていない路線で交通量調査を実施する際には、乗客全員に発駅の記載したバーコード用紙などを渡して着駅で回収し統計を取るなどをすることがあった。自動改札機導入後には省力化だけでなく日毎の変化をデータから見ることが可能となった。 ただし、ODデータを作るためには、改札機からのデータを処理・集計するためのサーバーと回線、そのためのソフトウェアが必要であり、それらは高価であるので、自動改札を使用している鉄道会社が、すべてODデータ作成用の設備(ハード・ソフト)を持っているわけではない。したがってODデータを作成していない鉄道会社もある。 自動改札機のチケットメディアには磁気切符、非接触型、ICカード、QRコード切符、トークンなどがある(一方のみのシステムもある[9])。 乗車券類投入後の流れは、【投入口→複数枚分離部→整理部→裏向き専用読み取りヘッド→表向き専用読み取りヘッド→反転部→保留部→書き込みヘッド→確認ヘッド→パンチ・印字部→集札・放出部】の順番である。事業者ごとに内部の構造は若干異なるが、投入口から放出部までは、乗車券類(パンチあり)の場合約0.7秒である。 旧来の自動改札機では、裏向きに投入した場合に備えてヘッドが計6個ついていた。新型では裏向きでも表向きに直す反転部が開発され、計4台のヘッドで扱うようになり、パンチ部や印字部も1台ずつになりコストダウンが図られている。 21世紀に入ると磁気より便利なICカードやQRコード等の技術が普及したため、今後はどのように置き換えるかが課題となる[13]。 これらは2000年代以降、ICカードに置き換えられた[14]。 非接触型ICカードには以下のような特長がある。 観察と研究の結果、カードを認識させる箇所の角度は13度になっている[15]。 21世紀以降のICカード乗車券の普及に伴い、ICカードでの入出場に特化した改札機が登場しており、交通系ICカード全国相互利用サービスに加入した事業者を中心に導入されている。 これらはICカードを用いないで通行する旅客が誤って専用改札に向かうことを防ぐため、周りをステッカーで覆う、本体照明でライトアップする、またICカード専用である旨を天井や床の矢印で案内すると言った対策が取られている。ICカードの普及が進んだ近年では、ICカードではなく磁気券を使用することのできる改札機を色で強調した案内をするケースや、2013年のJR東日本武蔵境駅nonowa口を皮切りに、一部の駅改札口の改札機をすべてICカード専用に取り替えた例も現れている。JR桜木町駅の新南口改札。
車椅子で問題なく通れる通路の幅は85cm以上であり、すれ違いや方向転換も考慮すれば140cm以上が適正とされる。こういった理由で、一部の駅では通路幅が90cm程度の自動改札機が1台程度設置されているが、それがない場合は自動改札機を通らずに窓口の横のゲートを通り、手作業で改札を受ける。なお、幅広の自動改札機はワイド改札と呼ばれている[12]。
トロリーバッグやスーツケースは、90Lほどの大型サイズのものだと広い辺を正面にするとぎりぎり通れない寸法のものも多いが、狭い辺からであれば通せる。しかし、固定式の2輪キャスターの製品では狭い辺から通す際にキャスターが横向きのままになるため、先述のワイド改札のない駅では引きずるか持ち上げて通さなければならない。空港直結駅では、スーツケースの持ち運びを考慮して、幅が広いタイプの自動改札機を設置することがよくある。
ODデータ
チケットメディア
磁気券新大阪駅の乗換口にある新幹線自動改札機で入場日時が印字された乗車券(2012年8月撮影)
磁気切符
磁気カードシステム「磁気カードシステム」を参照
イオカード - JR東日本
Jスルーカード - JR西日本
ワイワイカード - JR九州
パスネット - 関東私鉄各社
スルッとKANSAI - 関西私鉄各社
複数枚対応型改札機
新幹線の駅およびJR西日本の自動改札機設置駅に設置されている。
新幹線においてはその駅までの乗車券や定期券と新幹線の切符を2枚同時投入することができる仕様となっている。その駅までの切符は回収され、新幹線の切符のみ改札機より入場時刻が印字されて出口から出てくる。
近畿地方では磁気式自動改札機の導入が日本国内でもっとも早かったことから、磁気式の切符や回数券が定着しており、通勤や通学定期券の範囲からその範囲外へと乗車する際に定期券と回数券の組み合わせで乗車することが、交通ICカードが普及してきた現在においても日常的に行われる。そのため、複数枚対応型の自動改札機はほとんどの駅において設置されている。この場合、降車する駅では回数券などの磁気券が回収され、定期券が出口から出てくる。ただし、これは定期券も磁気券であることが前提となっており、ICカードと磁気券との組み合わせには鶴橋駅のようなJRと私鉄との乗換専用改札口を除き、対応していない。
非接触型ICカード
特徴
磁気券に比べてデータ容量が大きく、データ処理も早い[9]
磁気券と異なり、データのほかにプログラムを格納できる[9]
磁気券に比べ偽造が難しく、セキュリティが高い[9]
磁気部分がなく耐久性が高い[9]
ICカード専用改札機
Size:124 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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