腕時計
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「オメガ・シーマスター」シリーズの高性能版はその代表例である[39]

クォーツ時計では廉価に電池交換を請け負う店舗が多く存在するが、この際に防水Oリングの交換や組み込み、再組立てが時計メーカーの指定通りに行われるかは一部のメーカーの指定業者以外では保証が無い。従って、電池交換の際に「電池交換後は防水機能を保証できない」とする時計店もある。

メーカー指定の時計専門店、もしくはメーカーに送付して電池交換を行う場合はOリング交換や防水検査が実施されるのが普通である。
ダイバーズウォッチ詳細は「ダイバーズウォッチ」を参照

夜光塗料を塗布した文字盤を装備して暗い水中でも視認でき、ねじ込み式竜頭やOリングなどで防水機能を確保することで、水深100m以上の水圧に耐えられる「ダイバーズウォッチ」は、1930年代に軍用向けに出現した。潜水時間や水面帰還時の空気圧を管理する安全上の理由からも、夜光防水時計は必須だったのである。オフィチーネ・パネライのダイバー用大型腕時計はその初期の例であり、軍用型防水腕時計の類例が生産されるようになった。

しかし本格的な普及は第二次世界大戦後となった。1943年にジャック=イヴ・クストーが考案したアクアラング装置が戦後に広まり、スキューバダイビングが容易になったことは普及の契機になったと見られる。

高度な防水性能を持たせ、水中での視認性に優れた夜光式の時分針と、大ぶりな夜光塗料ドットを等間隔配置した文字盤、潜水時間管理に利用できる回転式ベゼルを装備した民生向け市販腕時計の最初は、1953年にブランパンが発表した「フィフティファゾムズ」(Fifty Fathoms) で、このモデルはクストーがルイ・マルと製作した海洋記録映画『沈黙の世界』(1956年)撮影でも用いられた。その後の多くのダイバーズ・ウォッチは、多かれ少なかれフィフティファゾムズのデザインの影響を受けた回転ベゼル付きの類似デザインが多数派となっている。
宝飾腕時計

美術工芸品としての腕時計もある。材料になどの貴金属をふんだんに用い、ルビーダイヤモンドといった宝石を散りばめた華美な装飾品としての腕時計である。極端なものでは、風防に数カラットの大粒ダイヤモンドを用いるなど、数億円の腕時計まで存在する。メーカーで製造されるものもあるが既存の時計を加工して作る場合もあり、アフターダイヤなどと呼ばれて区別されることもある。

こうした時計は、クオーツ式ではなく機械式であることが多い。
視覚障害者用時計

視覚障害者が時間を確認できるように、指で直接針や文字盤を触れるようにした腕時計。文字盤には突起が設けられており、時間を確認する時には、文字盤を覆っているカバー部分を開いて指で触れるようになっている。無論通常の腕時計としても使用可能である。手法自体は先行して出現していた視覚障害者用の懐中時計からの踏襲である。

またこのような腕時計とは別に、音声で時刻を知らせるデジタル式の視覚障害者用時計も存在する。

防水機能は施されていないことが多い。

なお日本において視覚障害者用の腕時計および懐中時計は、針や文字盤への触覚で時間を知る形式のものについて、消費税法施行令で「身体障害者用の物品」として消費税の課税対象外となっている。また消費税導入以前、多くの腕時計・懐中時計に課税されていた物品税も、視覚障害者用時計は課税対象外であった。いずれも福祉的用途を配慮した措置である。
複雑腕時計

時刻表示に加えてさまざまな機能を有する機械式・針式腕時計のことを「複雑腕時計」あるいは単に「複雑時計」と呼ぶ。機械式腕時計のトゥールビヨン、ミニッツリピーター、永久カレンダーは評価が高く、非常に高価である。一方で永久でないカレンダー機能、サン&ムーン表示および電子音の時刻音(リピーター、ソヌリ、アラーム)機能はこれに含めないことが多い。単純なカレンダーや電子アラームを除いては、実用よりも趣味性が強いものである。また、複雑腕時計は機能が複雑になるほど文字盤(ケース)の厚さが増す傾向がある。
クロノグラフ
時刻を表示する機能に加え
ストップウオッチの機能も組み込んだ時計のことをいう。詳細は「クロノグラフ」を参照
ムーンフェイズセイコー5自動巻のムーンフェイズ
月の満ち欠けを表す機構。太陰暦の名残りであるが、間接的に海の満ち引きを表し、漁業、海運、貿易および天体観測、占術などの分野で月齢は重要な指標とされる。オーソドックスなデザインは文字盤に空けられた半円の窓内で円盤に描かれたが見え隠れすることで満ち欠けが表現される。円盤には2つの月が描かれ59日で1回転する。このアイデアは18世紀の天才時計師アブラアム=ルイ・ブレゲの発明である。月の満ち欠けの1周期は平均29.530589日であるため965日で約1日の誤差が生じるが、特に精巧なものではより誤差を少なくしたものがある。このデザイン以外には、デイトカレンダーに似たシャッター表示式、複数の月が描かれた盤面上を月齢針または月盤で示すポインター表示式、金と黒に塗り分けられたボールが回転するものなどがまれに存在する。24時間計のバリエーションとして、ムーンフェイズと同じような外観で円盤には太陽と三日月が描かれたものがあるが、これは24時間で1回転し昼夜の区別をする「サン&ムーン」機能と呼ばれている。「月相#時計の「ムーンフェイズ」」も参照
プラネタリウム
ムーンフェイズ以外で、天体の運行を追尾する腕時計をプラネタリウムあるいは天文腕時計と呼ぶ。占星術の道具であるアストロラーベを自動表示をするもの、惑星の位置を表示するもの、月食や日食を予告するもの、月の位置を表示するもの、星座を自動で表示するものなどが存在する。機械式で有名なメーカーはユリスナルダン、クォーツ式を手がけるメーカーとして、シチズンやアストロデアが挙げられる。トゥールビヨン
トゥールビヨン
アブラアム=ルイ・ブレゲが発明した技術で、脱進機に掛かる重力による誤差を補正するため、脱進機を回転させて重力の影響を分散する機構である。本来時計本体に固定されている部品を回転させるために非常に複雑な機構と高度な技術が要求され、脱進機の回転軸が2軸のものも開発されている。最近では中国製のムーブメントが量産化されていて価格が低下している。詳細は「トゥールビヨン (時計)」を参照
リピーター
時計の側面のレバーを引くと、の音色や回数で現在時刻を知らせてくれる機構。機械式腕時計でこれを実現するためには非常に高度な技術が必要とされる。分単位まで時刻を教えてくれるミニッツリピーターの他、5分単位までを教えてくれるファイブミニッツリピーター、15分単位までを教えてくれるクォーターリピーターも存在する。詳細は「リピーター (時計)」を参照
ソヌリ
毎時ゼロ分になるとその時刻の数だけ鐘を鳴らして時報する機構。さらに15分単位で時報するものをグラン・ソヌリと呼ぶ。時報と同時に文字盤などに配されたカラクリ人形などのギミックが作動するオートマタと組み合わされることもある。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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