通常の電波時計と違い、送信局を経由して時刻修正することが不要となり、屋外で位置情報が受信できる環境にあれば現在地時刻を取得することが可能となる。
スマートウォッチスマートウォッチ詳細は「スマートウォッチ」を参照
2001年、シチズンと日本IBMが共同開発した試作機「WatchPad 1.5」がBluetooth搭載では世界初。2006年、Bluetooth通信を可能とした腕時計として世界初「i:VIRT(アイバート)」を発売した[24]。
2010年代になるとスマートフォンとBluetoothでリンクできる腕時計、スマートウォッチ(腕時計型デバイス)が普及した。自動時間修正・時報・ワールドタイム・ストップウォッチ・携帯電話検索などの連携機能がスマートフォンのアプリで動作する。 時計付きの携帯電話やスマートフォンの普及により、手首の腕時計を見るのでなく、懐中時計のように、携帯電話を取り出して時間を確認するという、20世紀初頭の時代へ逆行するような現象も一般化しつつある。日本では、「腕時計を身に付けている時でも、ほとんど携帯電話で時刻を確認している」という人がほぼ半数を占めるという調査結果もある[25]。 Apple Watchなどのウェアラブルコンピュータ(スマートウォッチ)の登場によりイギリスのロンドン大学ではあらゆる腕時計について、携帯電話と同様に会場に持ち込まないよう通達を出し、かわって試験中の時間確認のための置時計を購入する予算を組んだ。日本でも、日本英語検定協会が実施したIELTSのテストで、腕時計の全面的な持ち込み禁止のほか、受付時にメガネの確認を行うという、スマートウォッチはもちろんスマートグラスにも対応したルール改定を行った[26]。 以下に各社の動向などを記す。 復権をかけ、高級機械式腕時計として1960年代に名声を博した「グランドセイコー」などを復活させるなど、機械式腕時計に再度力を入れた。機械式ばかりではなく、ビスカススイープ、キネティック、スプリングドライブなど新方式の研究も進め、実用化している。2000年代に入ってからはクレドールブランドの超高価格帯製品「スプリングドライブ ソヌリ」などや「セイコー・スペクトラム」のような新コンセプトのモデルも作っている。 ビスカススイープはクォーツ腕時計で、ダンパとばねによる音叉時計のようなスイープ運針を実現した方式[27]であったが、採用したムーブメントは1988年の5S21と90年の5S42にとどまった。 キネティック (AGS) は1988年にセイコーが発売した、世界初の自動巻き発電クォーツ腕時計「セイコー オートクオーツ」のムーブメントに使用された方式である[28]。発売時は機構名をAGS (Automatic Generating System) としていたが1997年にキネティックに変更された。キネティックは自動巻き時計と同様に、腕の振りによって発生したローターの回転を歯車で約100倍に増速し、発電した電力をキャパシタに蓄える電池交換不要のクォーツ腕時計である。装着していない時には省電力のため針の動きが自動的に停止し、再び装着され振動が与えられるとそれを感知して自動的に現在時刻に復帰する「キネティックオートリレー」、うるう年においても正しい日付を示す「キネティックパーペチュアル」、手巻き充電にも対応し、パワーリザーブ表示機能を持つ「キネティック・ダイレクトドライブ」もある。 1999年にセイコーがリリースしたスプリングドライブ[29]は、機械式ムーブメントながらテンプやアンクルを持たず、代わりに水晶振動子を使用した電子的な調速機構を組み込み、動力源と発電源に自動巻きで巻き上げたぜんまいを使用しながらクォーツ時計と同等の高精度を実現したものである[30]。このため機械式調速機構で使用されるテンプや、クォーツ時計で使用される電池が不要である。セイコーはスプリングドライブを機械式とクオーツ式に対する第三の駆動機構」と位置づけている[31]。 世界的には、機械式時計のセイコー5が電池の入手が困難な低開発諸国を中心にクオーツ時代を生き残り、その一部が国内に逆輸入され、また、一部は国内で再生産されている。セイコー5は安価ながら実用上十分な精度、カレンダー、防水、自動巻き機能をもっており、機械式時計の入門機として一定の需要を維持している。 「腕時計は床に落とせばたやすく壊れる」という常識に反し、2?3階から落としても壊れないという耐衝撃性能を備えたタフな腕時計、G-SHOCK(Gショック)を1983年から発売した。Gショックはその頑丈さを買われ、過酷な環境や戦場で愛用されるようになった。最初はデジタルウォッチのみの展開であったが、1989年には「デジアナ」ウォッチもラインナップに加えた。日本では発売早々ヒットとはいかなかったが、1990年代には映画に登場させたり、「限定商品」を投入する販売促進策などによって大躍進に至った。 2010年代になると廉価帯の腕時計としてのコストパフォーマンスの高さが人気となり、「チープカシオ」として再びブームを起こした[32] [33] [34]。 シチズンの「エコ・ドライブ」は光発電によって駆動する。また外気温と装着者の体温の差を利用しゼーベック効果によって発電した電気エネルギーを動力源にする「エコ・ドライブ サーモ」の腕時計もあった(現在、エコ・ドライブ サーモを適用した腕時計は販売していない)。
時計付き携帯電話の普及と腕時計利用者の減少
試験会場への持ち込み禁止
各メーカーの動向
セイコー
カシオ計算機
大ヒットした限定G-SHOCKの一例。
初代デジアナをベースにしたスケルトンモデルである。
シチズン
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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