細胞内での脱分極の重要性と多様性は、眼球の桿体細胞(かんたいさいぼう)とそれに関連する神経細胞との関係に見ることができる。桿体細胞は暗闇にいると脱分極する。脱分極状態にある桿体細胞の電圧が高いため、この脱分極は開いたままのイオンチャネルによって維持される。このイオンチャネルは、カルシウムとナトリウムが細胞内へ自由に通過できるようにし、脱分極状態を維持する。脱分極状態にある桿体細胞は常に神経伝達物質を放出し、それが桿体細胞に関連する神経を刺激する。桿体細胞が光を吸収すると、このサイクルが崩れる。桿体細胞による光の吸収によって、ナトリウムとカルシウムの桿体細胞への侵入を促進していたチャネルが閉じる。これらのチャネルが閉じると、桿体細胞は神経伝達物質の産生を減らし、脳は光の増加としてこれを認識するようになる。したがって、桿体細胞とそれに関連する神経細胞の場合、脱分極は信号の伝達を促進するのとは対照的に、実際に信号が脳に到達するのを抑制する[8][要ページ番号]。 内皮(英語版
血管内皮
心臓心電図。正常な心電図はP波、QRS群、T波を示す。PR間隔、QT間隔、QRS間隔、ST間隔、P-R部分、S-T部分も示されている[10]。
脱分極は心臓の4つの心腔で起こる。はじめに両心房で、次に両心室で起こる。
右心房の壁にある洞房結節(SA)が右心房と左心房の脱分極を開始し、心電図上のP波に対応する収縮を引き起こす。
SA結節は脱分極波を房室結節(VA)に送り、房室結節は心房の収縮が終わるまで約100 ms遅らせて、QRS波に見られるように両心室の収縮を引き起こす。同時に心房は再分極し、弛緩する。
心室はT波で再分極し、弛緩する。
心臓に問題がない限り、この過程は規則正しく続く[11]。 脱分極性遮断薬(英: depolarization blocking agents)と呼ばれる薬物があり、脱分極に関与するチャネルを開いて閉じないようにし、再分極を防ぐことで、長時間の脱分極を引き起こす。例として、ニコチン作動薬、スキサメトニウム、デカメトニウム
脱分極性遮断薬
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