2003年、世界保健機関 (WHO) と国連食糧農業機関 (FAO) による「食事、栄養と生活習慣病の予防[23]」 (Diet, Nutrition and the Prevention of Chronic Diseases) では、食塩の摂取は1日5g以下 (ナトリウム2g以下)とされ、塩や塩蔵の食品は胃癌のリスクが上がることが起こりうるとしている。
厚生労働省による1990年代の研究では、塩分濃度の高い食事を日常的に摂取する人たちは、そうでない人たちに比べて胃癌となるリスクが高いことが統計的に示されている[24]。食塩の多い食事で、男性の胃癌リスクが上がる。いくら、塩辛、練りうに、漬物などをよく食べる人で胃癌が多い[25]。食塩(塩化ナトリウム)そのものに胃がんの原因が存在するかは研究によって「関連性が認められる」とするものと「関連性が見いだせない」とするものが存在するが[26]、動物実験においては発がん性物質の発がん(イニシエーション)を食塩が促進(プロモーション)する効果が認められている[27]。前述のピロリ菌と高塩分が重なることによりさらに発がん性物質のがん化が促進される。
漬物やソーセージや魚卵製品などの塩蔵品、または生野菜に含まれる硝酸塩から体内で生成されるとされるニトロソアミンも原因ではないかと推測もされているが追跡調査が難しく不明な点が多い。IARC発がん性リスクでは加工肉がグループ1 (発がん性が認められる)、アジア式野菜の漬物がグループ2B(発がん性が疑われる)に分類されている。野菜類に関しては抗酸化作用やニトロソアミン抑制効果を持つビタミンCなどが含まれるため同時にリスクの低減にも寄与されるとみられている[28]。 魚肉や食肉からは炭化する(焦げる)と発癌物質であるニトロソアミンやアクリルアミドが増加し胃がんの発生リスクを増幅させる[29]。ただし@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}常習的に食していなければ問題ない数値である。[要出典] たばこを吸う人は吸わない人に比べて2倍胃癌になりやすい。お酒を飲むと2倍から3倍、胃噴門部の胃癌になりやすい[30]。アルコール代謝活性関連遺伝子 (AHH1B, ADH1C, ALDH2) との相関を調べたところ、ADH1C、ALDH2の代謝活性が低い遺伝子型で大量飲酒(週あたり150g以上で、日本酒1合相当以上を連日の計算)した場合に、胃癌になりやすい[31]。アルコール摂取時に、L-システインを同時に摂取することにより、胃内のアセトアルデヒド濃度を下げ、胃癌リスクの低減が図られることが報告された[32]。 総コレステロール低値は、男性の胃癌リスクと関係する[33]。 男性では、血中β-カロテン濃度が高いと胃癌リスクが低いが、女性では関連が見られない[34]。 緑茶をよく飲むと女性の胃癌リスクが下がる[35]。喫煙状態によって、緑茶ポリフェノールと胃癌の関係が変わる。緑茶に胃癌予防効果があるとしても、たばこを吸っている場合には効果は得られない可能性が高い[36]。 胃癌検診を受けている人では、胃癌による死亡率が低い[37]。 日本人の伝統的な食生活[注釈 1]で、胃癌のリスクが高くなる[38]。野菜・果物は少量の摂取で胃癌の発生率を下げる[39]。 症例の10%は家族も同じ疾患であり、1%から3%は遺伝性びまん性胃がん
焦げた動物性タンパク質
喫煙・飲酒
コレステロール
β-カロテン
緑茶
胃癌検診
日本人の伝統的食生活
病理
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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