島で最も標高が高いのは大山
(88m)であり、島の東部に存在する。西部には象頭山と聟島小富士、属島の小島である聟島鳥島が存在する[3]。中部の南側には南浜が存在し、上陸地点になっている。無人島化後は野生化したヤギが増殖していたが、1990年代から駆除が始められ、現在では根絶に成功している[4]。現在では本来島内に存在しないクマネズミのほか、ギンネム、タケ・ササ類も駆除が進められており、これらの排除によって在来の植物や昆虫の保全と復活を見込んでいる[5]。
アホウドリの繁殖地形成計画「聟島列島」も参照
アホウドリの繁殖地である鳥島は日本有数の活火山であり繁殖地が破壊される可能性があるため、聟島に新たな繁殖地を人為的に設ける計画が2006年から進められた[6]。
計画は5年間で、鳥島産まれのアホウドリの雛を聟島に運んで育て、聟島を新たな繁殖地として認識させるもので、同時に成鳥の模型で島内への誘引と、偽物の卵を置くことによって戻ったつがいの産卵を促している。5年間でのべ70羽のひなを移送し、死んだ1羽をのぞく69羽すべてが巣立った[7]。2012年に巣立った14羽のうち6羽には発信器が取り付けられており、追跡調査が行われている[8]。
2011年ごろからは人工飼育個体の帰還が始まり[9]、その後も徐々に増加し2011年5月時点で計7羽[10]、2012年12月時点では、2008年と2009年の2年で旅立った25羽のうちの12羽が帰島した。
2012年12月になり、NHKのカメラによってつがいが産卵していることが確認されていたが、孵化しなかった。2013年12月13日、2012年に産卵したのと同じつがいが昨年と同じ場所で今年も産卵しているのが確認されたが、孵化予定だった2014年1月12日に山階鳥類研究所の研究員が実地調査したところ、無精卵で腐敗していることが判明した[11]。この年に聟島列島内の媒島で聟島に移送した個体と鳥島の個体のつがいによる繁殖が先行して見られている。
2015年1月下旬には、既に置かれている成鳥の模型に加え、生後30日のひなを忠実に再現した模型10体(京都市の西尾製作所製)が設置された[12]。
2016年1月15日、島内北西部でアホウドリの雛が初確認されたことが発表され、聟島でのアホウドリの繁殖の始まりとなった。このアホウドリは2012年以来営巣していたオスの個体で、メスは野生個体と見られている[13]。雛は順調に育ち5月14日には巣立ちが確認された[14]。2017年にも聟島では繁殖が成功し、雛が巣立った。2018年も同様に繁殖と巣立ちが確認され、以前媒島で繁殖していたつがいも聟島で産卵していることも確認された[15][16]。
脚注[脚注の使い方]^ 延島, 冬生. “ ⇒聟島列島の地名”. 月間小笠原諸島. 小笠原諸島地名事典 Place Names. 2021年7月24日閲覧。
^ “平成20年度小笠原諸島森林生態系保護地域保全管理委員会 第1回利用専門部会 議事要旨