聖火リレー
[Wikipedia|▼Menu]
このパルスをアテネから衛星を経由してカナダまで送り届け、レーザー光線で再点火が行われた。他の輸送手段としては、ネイティブアメリカンカヌーラクダコンコルドも挙げられる。

2000年シドニーオリンピックではグレートバリアリーフの海中をダイバーによって移動され、史上初めての海中聖火リレーとなった。

2004年アテネオリンピックの時には、78日間にわたる初の世界規模の聖火リレーが行われた。聖火は、およそ11,300人の手によって78,000kmの距離を移動し、この中で初めてアフリカ中南米に渡り過去のオリンピック開催都市を巡り、2004年のオリンピック開催地であるアテネまで戻ってきた。

2008年北京オリンピックでは世界135都市を経由し、標高8848mで世界最高峰のエベレスト山頂を通過した。しかし、アルゼンチンアメリカフランスイギリスオーストラリアインド日本韓国など世界各国では中国のチベット弾圧に対する抗議デモなどの影響で三度ほど聖火を消したり、予定されていたルートを変更する国が続出する事態となった。また、長野市で聖火リレーが行われた日本では善光寺がスタート地点としての利用を取りやめにしたほか、公式スポンサーのレノボジャパン、日本サムスン、日本コカ・コーラ三社が広告掲示を取りやめ(三社ともチベット問題を理由とはしていない)るなど混乱が生じた。詳細は2008年北京オリンピックの聖火リレーを参照。

2009年3月26日、国際オリンピック委員会(IOC)は、北京オリンピックの聖火リレーが円滑に運営されなかったことを受け、今後の五輪開催に伴う聖火リレーは主催国内のみで行い、世界規模の聖火リレーを廃止することを決めた。

2016年リオデジャネイロオリンピックでは国内約270都市を経由したが資金難などで聖火リレーを辞退したり、一部で妨害などが発生した[5][6]

2020年東京オリンピックでは、全国47都道府県で2-3kmの区間でリレーを行い、その他の区間では車で聖火を運ぶ形式で聖火が運ばれることとなっている[7]。リレーでの1人あたりの走行距離は200mとされ、2分間程度の時間で走ることが求められた。専用の衣装が用意され、伴走車とともに走る予定になっている[7]。このため1964年の東京オリンピックでは10万人以上が必要であった走者が、1万人程度と大幅に減少している[7]。なお車で運搬している時の聖火については非公開とされており、ルートも事前公表されていない[7]。詳細は「2020年東京オリンピック」を参照
冬季オリンピックソチオリンピックのトーチを持ったミハイル・チューリン宇宙飛行士

冬季オリンピックにおいては、最初の聖火リレーが行われたのは1952年オスロオリンピックだった。最初の聖火リレーの採火地はオリンピアではなく、ノルウェーのモルゲダールにある、スキースポーツの開拓者、ソンドレ・ノールハイム(英語版)の家の暖炉であった。1960年1994年の聖火もそこで採火された。

1956年の聖火リレーはローマからスタートとなった。

これらの年を除き、冬季オリンピックの聖火リレーはオリンピアからスタートしている。

1998年長野オリンピックではリレー用トーチの設計が悪く、特に前傾させると走行風で聖火が消えるトラブルが頻発した。火が消えないよう、垂直、あるいはやや後傾させた場合は燃料が垂れ、火傷の原因となるなど事前のテスト不足が指摘された。

2014年ソチオリンピックでは聖火が砕氷船で史上初めて北極点に運ばれた[8]。また、ソユーズTMA-11Mによってトーチが国際宇宙ステーションに運ばれ、ロシア人宇宙飛行士2名がトーチを持って宇宙遊泳を行い、史上初の宇宙空間での聖火リレーが行われた[9]
歴代最終聖火ランナー詳細は「オリンピック聖火点火者の一覧」を参照

開催国を代表する優れた競技成績を持つ著名なアスリート(現役引退問わず)、有望な若手アスリート、開催国にとって象徴的な意味を持つ人物などが最終聖火ランナーとして選ばれることが伝統になっている。

著名でない人物の例としては、東京オリンピックの坂井義則広島に原爆が投下された1945年8月6日広島県三次市で生まれ、第二次世界大戦後の日本の復興を象徴)、1976年モントリオールオリンピックの二人のティーンエイジャー(一人はフランス語圏の出身者、もう一人は英語圏の出身者で、カナダの多文化主義を象徴)、2012年ロンドンオリンピックの7人の10代のアスリート(イギリスを代表する7人の元アスリートから「次代を担う若者」として指名され、イギリスの未来を象徴)などがある。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:72 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef