聖マルティヌスの日
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ガチョウを食べる理由として、かつて聖マルティヌスがトゥールの司教を依頼されたもののその気になれず、使いに見つからないようにガチョウ小屋に隠れていたのを、ガチョウが騒ぎ立てたために見つかってしまい、結局司教に就任せざるを得なくなったため、「罰」として、ガチョウを食べるようになったというエピソードがある[4]

ドイツ南部では、この日の前夜に「狼払い」が行われる。若者や子供たちがご馳走を食べた後、聖マルティヌスに扮装して、カウベルや鞭、場所によっては太鼓を鳴らして「狼よ、出て行け!」と叫ぶ。元々は悪魔払いに端を発していると考えられる。

また、アルプスに近い地方では、カスマンドル払いが行われる。カスマンドルは山の精霊で、夏、山に家畜を放牧する時期、面倒を見てくれると考えられており、人々は、秋になって家畜と共に山を降りる際、この精霊のために、自分たちが作ったチーズを少量残して下山する。カスマンドルとは、元々「チーズの精霊」を意味するケーゼメンラインであるといわれ、そのカスマンドルが、山から下りて来て、人里で悪さを働くことのないよう、やはり若者たちがカウベルや太鼓を鳴らして追い払う[5]

スペインではこの日にブタを屠殺・解体して冬に備える慣わし、マタンサがある。このため、「それぞれのブタにサン・マルティンの日が来る」ということわざがある。ブタのような見下げ果てた人間にもいずれ悪事のツケが廻ってくる、という語意である[6]
付記

この祝日の頃に訪れる穏やかで暖かい日を、主に英国では聖マーティンの夏(St. Martin's summer)という[7]。また、1918年のこの日に第一次世界大戦休戦となったため、ヨーロッパ各国で一番近い日曜日(または11月の第2日曜)に戦没者追悼の礼拝が行われる[1]
脚注^ a b c 八木谷涼子『キリスト教歳時記』 平凡社新書、2003年、239-241頁。
^ a b c d 植田重雄『ヨーロッパの神と祭り?光と闇の習俗』早稲田大学出版部 1995年 3-30頁。
^ a b 谷口幸男・遠藤利勝『図説 ヨーロッパの祭り』河出書房新社、1998年、15?16頁。
^各国いまどき報告 ドイツ ごちそうは鵞鳥の丸焼き
^ 植田重雄 ヨーロッパの祭りと伝承 講談社学術文庫、1999年、301‐304頁。
^ 21世紀研究会『食の世界地図』254頁・文芸春秋
^ 小学館 ランダムハウス英和大辞典 第2版 1996年

関連項目

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